女優の永作博美が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、あす31日に放送される『愛する人、見送る私 ~看護師僧侶と3つの家族~』。“看護師僧侶”の玉置妙憂さん(57)の活動を通じ、患者とその家族の姿を追った作品だ。

大切な人を見送ろうとする夫や、介護しながらぶつかり合う母娘など、生と死に向き合う人々の姿を見て、永作は何を感じたのか――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した永作博美

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した永作博美

■強い精神力の持ち主たちに出会えた

ナレーション収録の終盤、感情があふれて涙で言葉が詰まった永作。「いつも『ザ・ノンフィクション』の収録に来ると『今日こそは絶対(涙を)我慢するぞ』と思うんですけど、ダメなんですよね…。しゃべれなくなっちゃうんです」と打ち明けるが、それは、妻・悦子さんの最期を自宅で看取ると決めた夫・一(はじめ)さんが、妻の思い出を語る場面だった。

「おふたりの仲の良さとか、ハジメさんの撮った写真の美しさとかを見て、本当に素敵な関係だなと思ったんです。優しい会話をされていて、あんなふうに思い・思われというのを感じられるのは幸せなことですよね。優しさに心癒やされたんでしょうか」と話すと、インタビュー中に2人のシーンの映像を見返し、まだ涙があふれ出ていた。

  • 一(はじめ)さん(左)と悦子さん夫妻 (C)フジテレビ

一方で、結婚後9カ月で自死した夫を見送ることができず、8年近く実家に引きこもっている女性と、「最期は自宅で迎えたい」と望み、夫が病院で他界したことを悔やんでいる寝たきりの女性の姿も印象に残ったという。この2人に共通するのは、後悔で苦しんでいること。

「やっぱり後悔先に立たずってことなのかな。寝たきりになった女性の娘さんが『後悔は楽だよ。後悔なんていらないよ』と言っていて、なんて達観してるんだろうと思ってしまいました。思いの詰まった言葉の安定感に驚きます」といい、今回登場する3つの家族の人々について、「皆さんがしっかり自分に向き合って闘ってらっしゃると思いました。こういった強い精神力の方たちに出会わせてもらえたことがうれしくて、すごく力をもらいました」と感化されたそうだ。

また、「今回出てらっしゃる方全員が、自分の言葉でしっかり話されていることで、幾重にも重なる気持ちが全部分かるので、ナレーションで説明することがほとんどなかったと思います。だから、本当にただただ言葉を添えられればいいなと思ったんです」という気持ちで原稿を読んだという。