テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2021』(毎週日曜4:30~)では、収容されていた女性が死亡した名古屋入管を検証した『なんで見えない~名古屋入管で起きたこと~』(メ~テレ制作)を、31日に放送する。
2021年3月、名古屋出入国在留管理局で収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(33)が死亡した。日本語教師になることを夢見て来日したが、学校を辞めたことで在留資格を失い収容された。交際していた男性の暴力から逃れるため交番に駆け込んだことで、非正規滞在が発覚した。
ウィシュマさんは約6カ月に及んだ収容期間中に何度も体調不良を訴え、外部病院での受診や点滴を希望した。しかし名古屋入管は、なかなか応じようとしなかった。生前に面会を続けていた支援者は、「なぜ病院に連れていかなかったのか」と入管の姿勢を非難する。
亡くなる前の監視カメラの映像が保存されているが、入管庁は公開を拒み続けている。映像の一部を見た遺族は「姉はまるで動物のように扱われていた」と怒りを隠さない。
入管施設内で収容者が死亡したり、心身を傷つけられたりする事例があとを絶たない。なぜ周辺に複数の職員がいながら、ウィシュマさんの死を食い止めることができなかったのか。
8月に公表された入管庁による調査報告書や、支援者らの証言などをもとに名古屋入管で何が起きていたのかを検証。日本の入管行政が構造的に抱える問題に迫る。
ナレーションは、俳優の萩原聖人が務める。