アズマは10月29日、家電新ブランド「LTMs」(リトマス)と「NATUUL」(ナチュール)を発表し、それぞれのブランドの第1弾製品としてコードレス回転モップクリーナー「Water CyCleaner」と、大容量電気鍋「2食おやこ電気なべ」を発表しました。

いずれも楽天市場では10月29日から予約を開始。Water CyCleanerは11月1日から順次発送し、価格は14,800円。2食おやこ電気なべは12月5日が発売日となり、9,980円で提供されます。ドン・キホーテやカインズなど、一部量販店でも取り扱う予定です。

  • Water CyCleaner(左)と2食おやこ電気なべ(右)。10月29日から予約を受け付けています

アズマはドン・キホーテをはじめとした量販店向けのプライベートブランド(PB)製品の開発を中心に手掛ける家電メーカー。今回発表された2製品は、厳しい基準が要求されるPB製品の開発で培った製造力を生かし、家で家族が快適に過ごせる「在宅家電」の新製品を、新しい自社ブランドの製品として開発したといいます。

手軽にフローリングを掃除できる、低価格の水拭きクリーナー

Water CyCleanerは、フローリングなどの床を水拭きできる、モーター内蔵のモップクリーナー。水拭き掃除に必要な「濡らす」「拭く」「洗う」という手間を1台で解決します。

  • Water CyCleanerを持ったところ。高さは約120cmほど

柄の部分に搭載されたタンクは、浄水用・汚水用の2つを一体化した2in1タイプ。浄水用タンクに水を入れ、持ち手にあるスイッチを押すと水拭きがスタートします。

床を拭くのは、2つのマイクロファイバーモップローラー。1分間に400回転し、除菌率最大99.9%の強力洗浄を実現したといいます(衛生微生物研究センター調査結果による)。

  • Water CyCleanerのヘッド部分。2つのモップローラーが床を自走で洗浄します

  • 持ち手部分。本体にあるボタンは電源ボタンのみのシンプルな操作が可能です

  • 柄の部分に備えられたタンク。手で簡単に取り外しできます

  • 浄水用・汚水用の2つのタンクを一体化させたものが搭載されています(写真は2つのタンクを分解した状態)

掃除中はモップローラーに浄水タンクから水が自動で給水され、常にきれいな水で床を掃除できます。モップについた汚れた水は内蔵ワイパーで絞られ、汚水タンクに自動で吸水されるため、床が水浸しになることもありません。

ちなみにこの仕組みを利用して、商品に付属する専用スタンドに置いたままスイッチをオンにすると、自動でモップローラーのメンテナンスが行えるようになっています。

  • 床にこぼしたコーヒーを吸い込んだあと、汚水タンクを見てみると……汚い水が飛び出してきます

ヘッド部分は、ベッドの下や部屋の隅の掃除がしやすいよう180度可動します。また本体はバッテリーで駆動するコードレス仕様。1回の充電で、最大約25分の連続駆動が可能で、畳数に換算すると約55畳の広さを掃除できるといいます。

  • モップローラーは左右の軸にはめ込む形。ローラーの軸に色が着いているのは、モップローラーに左用・右用があり、間違えないようにするため

  • パッケージには予備のモップローラー2個と専用スタンドが付属します

実際に製品を触ってみたところ、本体はそれなりに重さがある(2.4㎏)のですが、自走式のため軽い力で押したり引いたりできることが新鮮でした。床の水濡れ具合も、よく絞った布で拭いたのと同じくらいのほどよい濡れ具合で、床にこぼしたコーヒーは数回転がすだけで跡形もなくなりました。

また、本体のモップローラーは手軽に外せるため、メンテナンスしやすそうな点もよかったです。モップローラーは標準で4個(本体装着2個、予備2個)が同梱されており、汚れたら適宜洗ったり、付け替えたりして使えます。なお、アズマによると、モップローラー交換時期の決まりはないものの、だいたい3カ月くらいが交換の目安ということでした(別売のモップローラーは2個入りで1,980円)。

  • 本体サイズはW304×D250×H1,220mm、重さは約2.4kg。やや存在感があり、一般的なコードレス掃除機と近いサイズという印象です

床にコーヒーをこぼしちゃった! というときもWater CyCleanerでサッと拭けます ※音が出ます

少し気になった部分は、ヘッド上部に埋め込まれたフィルターの付け替え。汚れた水は細かなゴミを金属フィルターで漉してから汚水タンクに入るのですが、このフィルターを掃除するために外すと、再度埋め込むのに強く押し込む必要があります。

  • ヘッド上部に埋め込まれたフィルター。金属フィルター上部にある切り欠きと、はめ込む先(写真中央の部品)の切り欠きを合わせて載せ、上から透明なカバーをかぶせます

とはいえ、14,800円前後という低価格は、購入のハードルを大きく下げてくれる、最も大きな特徴といえるでしょう。毎日や毎週の定期的なお掃除に活躍しそうなモップクリーナーです。

  • 本体サイズ:W304×D250×H1,220mm
  • 重さ:約2.4㎏
  • 消費電力(充電時):15W
  • 充電時間:約3時間
  • 浄水タンク容量:約390ml
  • 汚水タンク容量:約240ml
  • 付属品:洗浄・収納ベース、モップローラー×4個、モップローラー取り付け/取り外し器具、充電用ACアダプタ、取り扱い説明書/保証書
  • 回転数:400回転/分

「辛い物が食べたい」親と子どもで違う味を楽しめる電気なべ

2食おやこ電気なべは、家で子どもと暮らしつつ、会社ではマーケティングや営業を担当している“ママ”が企画に携わった製品。小さい子どもがいると、自分は辛いものを食べたくても、わざわざ辛くない子ども用のご飯と2つ作らねばならず、洗い物も増えて手間もかかる……という経験から、2つの味を同時に料理できる鍋が開発されました。

  • 2食おやこ電気なべ。やさしい味の豆乳鍋と、ピリ辛のキムチ鍋を同時に調理できます

「大人味のお鍋も食べたいパパやママのために開発」したという本機。白湯スープ・麻辣スープの2つのスープに具材を入れてそれぞれの味を楽しむ“火鍋”に使われる鍋のように、中央にカーブを描いた仕切りがついたデザインになっています。

同種の鍋は一般的にも売られていますが、電気鍋として温度をコントロールできること、また同種の鍋より仕切りの高さをフチまで高く上げ、味が混ざらないようにしたことがポイントです。

  • 仕切りは鍋のフチまで高く、味が混ざらないようになっています

  • 底面を特殊加工し、鍋部分はIHやガスコンロでの調理に対応。ガスコンロで下ごしらえしてから電気鍋として煮込む、といった使い方も可能です

  • 緩やかなカーブを描いた仕切り。鍋部分はセラミック加工され洗いやすくなっています

2食おやこ電気なべは、鍋の部分と、暖める電気ヒーターの部分(本体)が分かれており、鍋の部分はIHやガスコンロでも使えます。ガスコンロで下ごしらえしてから電気鍋として煮込む……といった使い方ができ、調理時間の時短につながるとのこと。

容量は4.0リットルと大容量で、アズマいわく「食べざかりのお子様がいるご家庭にうれしいサイズ感」。セラミック加工されているため洗いやすいのも特徴です。

  • 鍋のフタは木目調。家に置きやすいデザインを目指したといいます

  • 電気ヒーター部分。手前のつまみで温度を調節できます

デザインはよい意味で奇をてらわず長く家に置けるよう、落ち着いた色味や質感を大事にしているといいます。2食おやこ電気なべでも、鍋蓋の取っ手が木目になるなど、その考えが取り入れられました。

実際に見た2食おやこ電気なべは、内寸約28cm径の大きさが印象的。筆者は2人暮らしのため、この鍋いっぱいにカレーを作ると2~3日は持たせられそうです。電源プラグはマグネット接続のため、足に引っ掛けてもすぐに外れ、本体の転倒を防げることも好印象でした。

現在、2食おやこ電気なべは予約受付中ですが、予約特典として通常3,278円で別売される「たこ焼きプレート」、「グリルプレート」のどちらかがプレゼントされます。また、商品には、2食おやこ電気なべを使って作る専用レシピブックも付属します。

  • 電源プラグはマグネット接続で、強い力で引っ張ると外れる仕組みです

  • 温度はWARM/LOW/MID/HIGHの4段階で設定可能

  • 予約特典の「たこ焼きプレート」と「グリルプレート」。通常は3,278円の別売となります

  • 本体サイズ:W385×D323×H220mm(本体+なべ+ガラスふた)
  • 重さ:約3.9kg(本体+なべ+ガラスふた)
  • なべ内寸:W282×D282×H82mm
  • 安全装置:温度ヒューズ172度
  • 電源コード長:約1.8m
  • 付属品:なべ、ガラスふた、電気コード、取扱説明書/保証書、専用レシピブック

加湿器や糖質カット炊飯器も? 毎日の暮らしを心地よいものに

  • アズマ 常務取締役 事業本部長の小川大介氏

アズマは1978年に埼玉県で創業した家電の輸入販売メーカーです。設立当初は、ナショナルブランドの家電を買い、それをホームセンターなどに販売する家電の二次卸業を行っていました。

しかし2005年ほどからナショナルブランドがホームセンターなどと直接取引するようになったため、同社は海外から家電を輸入、販売する方向へ舵を切ったといいます。その後、ユーザーに近いところで声を聴き、ユーザーに直接思いを伝たいとの考えから直販サイトもオープンしました。

今回登場した「LTMs」(リトマス)と「NATUUL」(ナチュール)という2つの自社ブランドについて、アズマ 常務取締役 事業本部長の小川大介氏は、LTMsは「毎日の暮らしをととのえ、ここちよく変える」ことを目指すコンセプトだと説明し、「ガジェット感がある“パパ家電”のような製品群を考えている」とコメントしました。

また、NATUULは女性ユーザーの利用を想定し、「シンプルな機能で、インテリアとしても置きやすい。使いやすいけどひと工夫ある製品」と紹介しました。10月29日に開催された体験会では、加湿器や糖質カット炊飯器など、今後NATUULブランドとして販売を考えている試作品群も展示されていました。

  • NATUULブランドで検討されている試作機群。オフホワイトのカラーで統一された、落ち着いたデザインが並んでいます