JR東日本仙台支社において初となる新しい削正方式の大型保守用車「レール削正車」(ミリング車とグラインディング車の2台セット)が導入され、10月から東北本線で運用を開始した。レールの交換頻度の抑制による省メンテナンス化、鉄道工事における働き方改革を実現していくとのこと。
新型レール削正車を導入する線区は東北本線の宇都宮~盛岡間。ミリング車とグラインディング車(摺動式砥石)2台セットで1編成となっている。ミリング車は専用の金属チップを用いてカンナのようにレール頭面を削る作業(主たる削正作業)を行い、グラインディング車は前後に摺動する砥石で研磨することでレール頭面を滑らかにする役割(仕上げ作業)を持つ。回転する砥石をレール頭面に押し当てて削正する従来の方式と比べ、1回で削正できる深さが大きいことがおもな特徴だという。
列車が繰り返し走行することにより、レール頭部の表面層(レールと車輪が接触する部分)に金属疲労が蓄積し、レールの劣化に進展する。レール削正を行うことで、レールと車輪の接触部に生じた劣化の層を削り取り、レール全体の劣化を防いでレール交換頻度の抑制を図れるという。レール交換は人力作業が主体で、重量物を扱うことから作業員の負担が大きいため、レール交換作業そのものを減らすことで鉄道工事における働き方改革も実現できるとしている。