楽天グループ株式会社は、2021年10月18日から、預け入れたポイントに対し所定の利率に応じてポイントを増やせるサービス「楽天ポイント利息」の提供を開始しました。ポイントに利息が付くサービスは主要共通ポイントでは初めてとなります。サービスの概要と、ポイントの賢い活用方法などをご紹介します。

楽天ポイント利息とは

楽天ポイントは楽天会員に対して楽天が提供するポイントプログラムです。付与されたポイントは楽天グループの各サービスで利用できるだけでなく、街の加盟店(コンビニエンスストアやドラッグストア、飲食店など)でも利用可能です。

この楽天ポイントを、預入期間とポイント数により所定の利率に応じて増やせるサービスが「楽天ポイント利息」(※)です。

※本サービスは金融サービスではありません。

利用方法

「楽天PointClub」から専用ページへアクセスし、ポイント数を設定して追加します。

サービス詳細

適用利率

年0.108%(月0.009%)

利率計算方法

毎月末日(23時59分59秒時点)で預け入れているポイントに対して、月0.009%のポイントを翌月5日に進呈

利用可能単位

追加:100ポイント以上、1ポイント単位 ※追加上限額:1回30,000ポイント(ダイヤモンド会員:500,000ポイント)

引き出し:1ポイント以上、1ポイント単位 ※追加および引出回数上限:1日 計10回まで

注意点

対象となるのは通常ポイントだけ

楽天ポイント利息で預けられるポイントは「通常ポイント」のみです。期間限定ポイントはポイント利息の対象にはなりません。また「通常ポイント」でも提携サービスから交換したポイントはポイント利息に追加できません。

楽天ポイントの活用方法

楽天ポイントを日々の買い物に利用する以外に、以下のような活用方法があります。

ポイント運用

楽天ポイントを使って、気軽に運用の疑似体験ができるサービスです。原則、楽天・インデックス・バランス・ファンドの基準価額の値動きに連動してポイント数が変動します。株式重視型のアクティブコースと債券重視型のバランスコースの2つのコースがあります。通常ポイント100ポイント以上から始めることができます。

ポイントビットコイン

暗号資産(仮想通貨)の1つであるビットコインの変動に合わせて楽天ポイントが増減する疑似体験サービスです。楽天ウォレットが提示するポイントビットコインの取引価格の値動きと連動します。ポイント追加時は、楽天ウォレットが提示するビットコインの取引価格を考慮したポイント数が差し引かれて運用中ポイントに追加されます。通常ポイント100ポイント以上から、1ポイント単位で追加できます。

ポイント投資

上記2つの疑似体験とは異なり、実際に楽天ポイントを使って投資信託や国内株式を買うことができるサービスです。(新たにバイナリーオプションでポイント投資が可能となりました。)ポイント投資を始めるには楽天証券で口座を開設する必要があります。金融商品をポイントのみで購入、もしくはポイントと現金を組み合わせて購入することもできます。

※ここで紹介したサービスに使えるポイントは「通常ポイント」のみで、期間限定ポイント、他ポイントから交換した楽天ポイントは使えません。

ポイント運用やポイントビットコインは、楽天ポイントを使ってポイントを増やすことができますが、同時に減る可能性もあるということを留意しておかなければなりません。ポイント投資はポイントを使って金融商品を購入できるというものなので、その投資対象や投資方針に応じたリスクがあることは言うまでもありません。

その点、ポイント利息は元本保証がある預金の利息と同様、減ることはなく毎月必ず増えます。

賢いポイントの活用方法は?

ポイント利息が必ず増えると言っても、利率は年利0.108%です。1000ポイントを1年間預けても増えるのは1ポイント(=1円)です。普通預金の金利が0.001%なので、それよりは大分ましとも言えますが、楽天ポイントを貯めておくメリットはあまりないように思います。それというのもポイント利用でもポイントが付くからです。ポイントを利用した分も含めて、商品合計金額100円につき1ポイントが付与されます。商品合計金額全てをポイントで支払った場合にも、ポイントは付与されます。1000ポイントをポイント利息に預ければ、1年後に1円分のポイントをもらえますが、今すぐに使えば10円分のポイントをもらえます。

とはいえ、使う必要のない時にポイントを使うこともありませんね。もう少しポイントの仕組みを見ていきましょう。

期間限定ポイントから先に使われる

楽天ポイントには「期間限定ポイント」があります。特定のキャンペーンなどで進呈され、それぞれに有効期限が設定されています。複数の期間限定ポイントを保有している場合は、有効期限の近い期間限定ポイントから優先して使われます。期限を過ぎると使えなくなるので、楽天ポイントは期間限定ポイントから使われるように設定されています。つまり、期間限定ポイントがあれば、そちらから先に使われ、通常ポイントが先に使われることはないということです。

そのため、期間限定ポイントをたくさん獲得している人は、楽天での日々の買い物はその期間限定ポイントで済んでしまうことになります。手つかずの通常ポイントをそのまま放置しておくよりは、少しでも利息が付く「楽天ポイント利息」に預けておいた方がいいと言えるでしょう。

一方、期間限定ポイントがそれほどなく通常ポイントを使っている人は、その通常ポイントは貯め込まず、買い物に使った方がいいことは、前出の「ポイント利用でもポイントが付く」ことからお分かりいただけると思います。

使わない通常ポイントを預けておくには良いサービス

楽天ポイント利息は対象となる通常ポイントをすぐに買い物で使う必要がない人が、預けておくには良いサービスと言えます。利率は年利0.108%と低いものの、必ず増えるからです。ただ、ポイントはあくまでも商品やサービスに付随する、単純な「おまけ」として考えれば、思い切ったことができます。投資あるいは投資の疑似体験で使ってみるのもいいと思います。増えたら儲けもの、減ったとしても、もともとないものと思えば、痛手もそれほどないはずです。 最後に、使えば使うほど増えるポイント制度、使い過ぎに注意してくださいね。