日本語というのは難しいもので、「測る」「図る」「計る」や、「変える」「換える」「代える」など、同じ読み方でも違う漢字が多数存在します。
その正しい使い方がなかなか覚えられず、いざ文章を書こうとすると「あれっ、この場合はどの漢字が正しいんだっけ……」と迷ってしまうことも多々。
そんな漢字の難解さを端的に表した、ある漫画がツイッター上で話題になっています。
「解ける」と「溶ける」の違いが納得できない
(@i_kinboshiより引用)
作者はツイッターユーザーの「金星(@i_kinboshi)」さん。話題となっている漫画では、氷が「とける」を漢字で書く場合、「溶ける」ではなく「解ける」が正しいことに激しく困惑している様子が描かれています。
う〜ん、「溶ける」ではなく、「解ける」が正解? その理由も描かれていますが、確かにどうも納得しがたいような……。
金星さんの漫画はとても大きな注目を集め、1.8万件のリツイート、6.7万件のいいねを獲得(10月28日時点)。
リプライ欄では、「解ける」と「溶ける」の使い方についてちょっとした議論も巻き起こりました。
「『溶解』と『融解』という熟語がありますが、前者は液体が混じりあったり固体が液体に溶けたりして『溶液』になること、後者は固体が高温下で液体になること、という違いを考えれば『解ける』は汎用的に、『溶ける』や『融ける』は限定的に使った方が適切そうです」
「もともと水(液体)だった氷(固体)が水(液体)に戻る→『解ける』
解凍はもともと凍ってないものを凍った状態から戻すから解
氷(固体)を水(液体)にする→『溶ける』
アイスクリームは流動性が高く変化するので溶
って感じで主軸を置いた場所に戻れば解、そこから変化すれば溶だと思います」
「個人的には『解ける』って『元の状態に戻る』みたいなニュアンスある気がする。凍っていたものを凍ってない状態に戻すのが解凍で、アイスは凍ってる状態が正だから、『溶ける』だと思う…」
「『解凍』は確かにそうだな…『自然解凍』はこれで良いけど、レンチンだとおかしくなるな……」
「『溶ける』は『個体→液体』。『解ける』は『状態の変化、結合の解除 等』って思ってた。なので『氷が解ける』も『氷が溶ける』もどっちも間違ってない気がする」
「この理論で行くと、問題が解けるもおかしくなるよねwww問題が溶けるって書かないとwww」
「あれ、融けるでないの? 」
「『解ける』は束縛された状態から自由になる、『溶ける』は個体が熱や薬品などで液体になったり、混ざって液体が均一な状態になる意味もあるとか」
「融解 溶解」
「つまり猫は溶ける……! 」
漫画を描いた金星さんに聞いてみた
結局、「解ける」と「溶ける」の使い分けについて、金星さんはその後、納得できたのでしょうか? ご本人に直接、お話をうかがいました。
ーーその後、この疑問は解決しましたか?
明確な正しい答えは分かりませんが、いろんな方からのリプでいろんな解釈や見解を知り、勉強になりました。一方で新たに「融ける」派が出てきて、さらに混乱しました(笑)。
その中に「『解ける』という意味には『元の状態に戻る』のような意味が含まれており、氷は元の水の状態に戻るという解釈で『解ける』のだ」という解釈がありまして。これが私の中では一番分かりやすく、腑に落ちた解釈でした。
ーーちなみに、今回のように、お子さまを通して新たな発見をすることはよくありますか?
ブログの記事「これまでの人生でずっと間違えてた書き順」でも挙げているんですが、子どもの勉強内容を見てて字の書き順を間違えて覚えてたことにはよく気付かされますね。
ーー今回のツイートが大きな反響を生んでいます。率直なご感想などはございますか?
皆さんの色んな見解が知れて面白かったです。
日本語の奥深さを改めて実感する問題でしたね。みなさんは「解ける」「溶ける」「融ける(←NEW!)」を使いこなせますか?
「解ける」と「溶ける」の違いが納得できない pic.twitter.com/U8NddOs1AY
— 金星 (@i_kinboshi) October 24, 2021