企業での「仕事体験」を通じて、志望先への理解を深めていくインターンシップ。アルバイトなどである程度、仕事の厳しさや人間関係の難しさなどを経験していても、就活生にとって志望する会社での就業体験はまた、特別なものであるはずだ。

あくまでも学生の身分での参加となるが、実際に業務を任せられるなど、充実した体験となることも多い。その際は、企業側でもある程度のミスや失敗は織り込み済だろう。ただ、参加者は慣れない環境での緊張などもあり、「失敗した」「やってしまった」と感じる瞬間もあるかもしれない。

そこで今回は、社会人の先輩であるマイナビニュース男女会員509人を対象にアンケート調査を実施。「インターンシップ中に『失敗した』と思ったエピソード」などを聞いた。現在、就活を進める皆さんにとっても、反面教師として大いに参考になるはずだ。

  • インターンシップ中に「失敗した」と思ったエピソードって?

Q.学生の時、インターンシップに参加したことはありますか?

「はい」(39.3%)
「いいえ」(60.7%)

Q.インターンシップ中に「失敗した」「やってしまった」と思ったエピソードはありますか?

「はい」(74.0%)
「いいえ」(26.0%)

Q.インターンシップ中に「失敗した」「やってしまった」と思った内容について具体的に教えてください(自由回答)

■「作業ミス・連絡ミスなど」

・「重要な書類を紛失してしまいました」(48歳女性/食品/営業関連)
・「誤ってデータを削除してしまったこと」(44歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「コピーの拡大縮小がうまくできなかったり、ホチキス止めの位置を間違えたりはよくやった」(47歳女性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「電話の取り次ぎで、外線電話から別の内線に回すのを失敗して切ってしまった」(47歳女性/広告・出版・印刷/事務・企画・経営関連)
・「メールの確認不足で、重要な連絡事項を見逃して会社に迷惑をかけてしまった」(45歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「印象材を厚く盛り過ぎて、型を取る際えづかせてしまった」(45歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「コーディング規約というものの存在があることを知らず、作業を進めてしまったこと」(43歳男性/教育/専門サービス関連)
・「産業機械の組み立て作業の補助で、機械内部の基盤のコード(電線)を切断して新しいものと繋ぎ変える作業を任されたが、複数の違うコードを切断してしまい、迷惑をかけてしまった」(49歳男性/電力・ガス・エネルギー/メカトロ関連技術職)
・「大切な顧客情報を、メール等を通じて他社に流出する危険がある重大なミスをした。担当者に叱責を受けた」(44歳男性/農業協同組合/技能工・運輸・設備関連)
・「仕事なので、失敗はあります。案内間違いや、システムの操作ミスなどです、自分に起因するものもあれば、冷静に考えてオペレーション構築の問題だと思えるものもありました」(49歳男性/ホテル・旅館/事務・企画・経営関連)

■「積極性のなさ、協調性のなさなど」

・「自発的に行動しなくて、人任せになってしまったこと」(38歳女性/その他/事務・企画・経営関連)
・「遠慮せず、もう少し質問とかコミュニケーションを取ればよかった」(44歳男性/サービス/その他技術職)
・「グループワークで、何も成果を出すことができなかった」(30歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「その仕事に慣れるまで、なかなか思うように動くことが出来なかったことが失敗でしたし、反省点です」(41歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「他の参加者とうまくコミュニケーションが取れず、変にリーダーになろうとし過ぎて、ちょっと浮いた感じが出た瞬間があった」(40歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「電話が掛かってきても、なかなか取ることが出来なかった。周りに誰もいない時に出た電話で、上手く対応できなかった」(42歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
・「単調な作業を敬遠した結果、先輩方の態度が変わってしまった気がします」(36歳男性/建設コンサルタント/メカトロ関連技術職)

■「敬語の間違いやマナー違反、礼儀を欠くなど」

・「先輩に生意気な口をきいてしまった」(44歳男性/総合商社/営業関連)
・「企業名を違う名前で呼んでしまって、恥ずかしかった」(49歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「言葉遣いなどで、相手に対して失礼な感じにしてしまった」(27歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「先輩社員が電話応対している時にお客様と1対1になり、言わなくていいことを言ってしまった」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他技術職)
・「受け入れして頂いた側に、失礼な態度や言葉遣いをしてしまった」(33歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「いろんな質問を積極的にしていて、今考えるとたいへん失礼な質問をしてしまっていた」(44歳男性/食品/事務・企画・経営関連)
・「いろいろなバイトの知識で社員へのクレーム対応をしてしまい、指導員のメンツをつぶしてしまった」(45歳男性/通信関連/その他・専業主婦等)

■「遅刻・欠勤など」

・「遅刻が2回あった」(31歳女性/設備工事/営業関連)
・「集合場所を間違えて、遅刻しそうになった」(45歳男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・「地元の企業で自宅から近い為、遅刻をすることがありました」(49歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「朝寝坊をしてしまい、遅刻をしてしまいました。社会人として許されないことですので猛省しました」(45歳男性/その他/専門職関連)
・「寝坊で遅刻しました。インターンシップといえど企業に出向いていますので、社会人としてとても駄目なことをしました。普通に怒られましたね」(36歳女性/教育/公共サービス関連)
・「体調を崩し2日間、休みを取ってしまった」(49歳男性/総合商社/事務・企画・経営関連)

■「準備不足・勉強不足など」

・「電気部品の用語があまり分からず、適当に受け答えをして怒られた」(36歳男性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)
・「全然良いアイデアが出せなくて、チームメンバーに頼りきりだった」(39歳男性/その他金融/クリエイティブ関連)
・「事前に参加企業の企業研究をせずに参加してしまい、見当違いな質問をしてしまいました」(47歳女性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)

■「その他」

・「寝癖が付いたまま参加してしまったことですね」(38歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「昼ごはんにマックを買ってきたら、臭いが充満した」(45歳女性/公益・特殊・独立行政法人/事務・企画・経営関連)
・「朝寝坊はできない寮生活であったため寝ぼけていとこともあり、ほかの社員の方のご飯を間違って食べてしまい怒られてしまった」(33歳男性/教育/専門職関連)
・「旅行好きだったので、自信満々で主導権をとってグループのリーダーになろうとしたものの、他の人の方がずっと上手で恥ずかしい思いをした」(42歳男性/食品/営業関連)
・「事実だが、会社の製品より他社の製品の方が優れてるという評価が出てしまった」(48歳男性/精密機器/メカトロ関連技術職)
・「チーム内で共有するパワーポイント資料の容量が大きすぎ、ダウンロードに時間がかかりすぎる人がいた(当時、極端に古いPCを持っている参加者がいたため)」(35歳男性/教育/専門サービス関連)
・「少しでも顔を覚えてもらおうと思って質問しようとしたが、頭が真っ白になって何を言ってるのかわからなくなってしまった」(45歳男性/設計/メカトロ関連技術職)
・「先輩のアイディアを、結果としては自分のアイディアのようにプレゼンしてしまった」(45歳女性/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「昼食にカレーうどんを注文してしまったこと」(36歳男性/不動産/専門職関連)

■総評

調査の結果、マイナビニュース会員のうち、学生の時にインターンシップに参加したことがある人は約4割の、39.3%となった。インターンシップ中に「失敗した」「やってしまった」と思ったエピソードがあるかを聞いたところ、約4分の3に当たる74.0%が、「ある」と回答した。

インターンシップ中に「失敗した」「やってしまった」と思った内容について具体的に聞いた。主な回答として、「作業ミス」「連絡ミス」「積極性のなさ」「協調性のなさ」「敬語の間違い」「マナー違反」「礼儀を欠く」「遅刻」「準備不足」「勉強不足」などが寄せられた。

いずれも、社会人であれば誰もが経験しうる失敗だが、学生でインターンシップに参加してる身ともなれば緊張や不慣れな環境などで、より起こりがちだろう。現場での「やってしまった」感のシリアスさは、想像に難くない。

印象的なエピソードとしては、「作業ミス」「連絡ミス」では、「重要な書類を紛失」「誤ってデータを削除」「顧客情報を他社に流出」。「敬語の間違い」や「礼儀を欠く」では、「先輩に生意気な口をきいた」「お客様に不要なことを言ってしまった」「失礼な質問をした」。「遅刻」「欠勤」では、「遅刻が2回」「体調不良で2日間、欠勤」など、どれも当人にとってはさぞ冷や汗ものだったであろう体験談が並ぶ。

また、そこまでシリアスではないもの、「積極性のなさ」や「協調性のなさ」、「準備不足」「勉強不足」などでは、人任せにしてしまったり、やる気が空回りして周りから浮いてしまったりと、こちらもなかなか厳しい報告が上がっている。企業にとって、インターンシップが学生の囲い込みの場であるという側面も否定できない以上、参加者にも上手な自己アピールが求められそうだ。

今回のアンケートでは、インターンシップ参加者の多くに、「失敗した」「やってしまった」経験があることがわかった。身分は学生のままだとは言え、仕事の現場に赴いた時点で社会人の一員であり、そこでは学生気分や甘えは許されない。多くの参加者にとってインターンシップは、そんな社会の厳しさが垣間見えるほろ苦い経験でもあったようだ。

調査時期: 2021年9月13日
調査対象: マイナビニュース20~40代男女会員
調査数: 509人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません