過去の対戦成績は西山女流王座の13勝、里見女流四冠の9勝
西山朋佳女流王座に里見香奈女流四冠が挑戦する、第11期リコー杯女流王座戦(主催:株式会社リコー)五番勝負第1局が10月28日に東京都「ホテル椿山荘東京」で行われています。将棋界の女流タイトル8つを二分する両者の頂上決戦です。
西山女流王座は女流王座のほかに白玲・女王・女流王将を保持。里見女流四冠は清麗・女流名人・女流王位・倉敷藤花を保有しています。二人で全タイトルを独占する両者の対決は、女流棋界のゴールデンカードと言えるでしょう。
両者は過去に22局対戦しており、西山女流王座が13勝、里見女流四冠が9勝という成績になっています。特筆すべきはタイトル戦での対戦数。22局中実に18局がタイトル戦でのもので、2019年4月からは番勝負以外での対戦はありません。
しかし、そのタイトル戦のシリーズ成績は意外な結果となっています。2019年の第12期マイナビ女子オープンから始まり、第41期霧島酒造杯女流王将戦、第9期リコー杯女流王座戦、第10期リコー杯女流王座戦と西山女流王座が4連続でシリーズを制しています。
両者は現在第43期霧島酒造杯女流王将戦三番勝負でも対戦しており、こちらは両者1勝1敗。最終戦は11月4日に行われます。西山女流王将が防衛を果たすのか、それとも里見女流四冠が初めて西山女流王将とのタイトル戦を制するのか。こちらにも注目です。
リコー杯女流王座戦は3期連続で同一カードとなりました。開幕局は振り駒が行われ、里見女流四冠が先手番になりました。
中飛車に構えた里見女流四冠に対し、西山女流王座は三間飛車を採用。戦型は相振り飛車になりました。最初に工夫を見せたのは里見女流四冠。左銀を5七まで繰り出したあと、角を引いて飛車を向かい飛車に振り直しました。さらに7九の角は5七へと転回し、敵玉付近の端をにらんでいます。対する西山女流王座は石田流の構え。右銀を6四に配置する若干守備寄りの陣形です。△4五歩と突いて戦端を開きましたが、本格的な戦いはもう少し後になりそうです。