DJIは同社のアクションカメラの第2弾として、「DJI Action 2」を10月27日に発表しました。
第1世代の「Osmo Action」は前後にディスプレイを搭載していましたが、DJI Action 2は、背面にタッチスクリーンを備える「カメラユニット」と、前面にタッチスクリーンを備える「フロントタッチ画面モジュール」を合体・分割できる「マグネット着脱式デザイン」を採用。
もちろんカメラユニットだけでも動作可能で、39×39×22.3mm/56gという小型/軽量ボディーを生かし、撮影の自由度を広げてくれます。今回発売に先駆けて本製品を借用したので、実機レビューをお届けいたします。
マグネットの着脱で合体! エクストリームスポーツに耐える装着性を実現
DJI Action 2の最大の特徴はマグネット着脱式デザイン。単に磁力で固定するだけでなく、磁気マウントにふたつのバックルが追加されており、エクストリームスポーツの速度や衝撃にも耐えうる装着性を実現しているとうたわれています。
DJI Action 2のボディーはアルミニウム合金製。カメラユニットは39×39×22.3mm/56gと小型・軽量ながら、4K/120fpsでの動画撮影に対応しています。
カメラユニットには32GBのストレージと580mAhのバッテリーが内蔵されており、最大動作時間は70分です(電子式映像ブレ補正オフで、1080p/30fpsで録画した場合)。また、防水ケースなしで最大10mの防水性能を備えています。
水平方向の安定性を確保する新機能「HorizonSteady」
アクションカメラでは、激しい動きの中でも安定した映像が撮影できることを求められます。DJI Action 2には電子式映像ブレ補正とアルゴリズムを組み合わせた独自技術「RockSteady」に加え、水平方向の安定性を確保する新機能「HorizonSteady」が採用されました。
カメラが傾いて設置されていても、また撮影中にカメラが回転しても、水平な映像を保ち続けます。ただし、HorizonSteadyは2.7K(16:9)と1080p(16:9)の60fpsまででしか利用できない点にはご注意ください。
DJI Action 2が撮影可能な動画
- 4K(4:3):4096×3072@24/25/30/48/50/60fps(RockSteadyに対応)
- 4K(16:9):3840×2160@100/120fps(RockSteadyに対応)
- 4K(16:9):3840×2160@24/25/30/48/50/60fps(RockSteadyに対応)
- 2.7K(4:3):2688×2016@24/25/30/48/50/60fps(RockSteadyに対応)
- 2.7K(16:9):2688×1512@100/120fps(RockSteadyに対応)
- 2.7K(16:9):2688×1512@24/25/30/48/50/60fps(RockSteadyとHorizonSteadyに対応)
- 1080p(16:9):1920×1080@100/120/200/240fps(RockSteadyに対応)
- 1080p(16:9):1920×1080@24/25/30/48/50/60fps(RockSteadyとHorizonSteadyに対応)
DJI Action 2には2種類のセットモデルを用意。別売のアクセサリも多数
DJI Action 2には「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」(直販価格63,800円)と「DJI Action 2 Powerコンボ」(直販価格49,500円)の2種類のコンボが用意されます。それぞれの内訳は下記の通りです。
「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」に付属するフロントタッチ画面モジュールには1.76インチの有機ELタッチスクリーン(446×424ドット、350ppi、輝度500±50cd/平方メートル)が搭載されており、構図を確認しながら自撮りが可能です。
フロントタッチ画面モジュール、電源モジュールともに1,300mAhのバッテリーを内蔵しており、動作時間は前者が最大160分、後者が最大180分に延長されます(電子式映像ブレ補正オフで、1080p/30fpsで録画した場合)。
また、どちらにもmicroSDメモリーカードスロットが内蔵されており、最大256GBのSDHC/SDXC UHS-Iスピードクラス1、またはスピードクラス3のmicroSDカードを装着し、録画時間を延長できます。
DJI Action 2はアクセサリーも豊富。「延長ロッド(リモコン付属)」(7,260円)、「延長ロッド」(価格不明)、「DJIフローティングハンドル」(3,520円)、「防水ケース」(6,050円)、「磁気ヘッドバンド」(3,520円)、「マクロレンズ」(7,260円)、「Mic」(価格不明)などのアクセサリーが多数用意されます。
また、磁気アダプターマウントを使えば、サードパーティー製のアクションカメラアクセサリーも利用可能です。4K/120fps対応のアクションカメラとしては非常にコンパクトなので、設置の自由度は非常に高いといえるでしょう。
【動画作例】画質や映像ブレ補正は申し分なし! 小型なぶん発熱は多め?
さて最後にDJI Action 2で実際に撮影した映像を見ていきましょう。まずは4K/120fpsの動画です(YouTubeでは60fpsで再生されます。2021年10月27日現在)。
4K&120fpsの高精細かつ滑らかな映像は申し分なし。4K/120fpsでもRockSteadyは効いているので、揺れや振動も気にならないですね。明るい場所から暗い場所に移動したときの露出の戻りがやや緩やかな気がしますが、個人的には許容範囲です。
つぎは同じく4K/120fpsで夜間に撮影を行なってみました(YouTubeでは60fpsで再生されます。2021年10月27日現在)。
明るく、実際に忠実な色で撮影できているというのが率直な感想です。再生を停止するとノイズは目立ちますが、動いていれば気にならないレベルです。
なお、案内板などの光が大きくちらついていますが、これは「設定→一般→フリッカー防止」を地域ごとに設定すれば(東日本は50Hz、西日本は60Hz)解消されます。
つぎはRockSteady、HorizonSteadyの効果を見比べてみましょう。
電子式映像ブレ補正なし、RockSteadyあり、HorizonSteadyありの映像をつないでみましたが効果は歴然としていますね。RockSteadyありで映像の揺れは収まり、HorizonSteadyではまるでドローンで撮ったかのような浮遊感のある映像です。
個人的には電子式映像ブレ補正なしの映像も迫力があって好きですが、酔い防止に配慮しつつ、映像の迫力を残したいのならRockSteadyが最適なのかなと感じました。
昨今はスマホでもハイパーラプス、タイムラプスを撮れるので、このような映像自体は珍しくはないですが、DJI Action 2では胸に装着してハイパーラプスを撮影可能。手軽だからこそ撮影機会が増えます。決定的瞬間を数多く記録できることでしょう。
なお、試用中ちょっと気になったのが発熱。4K/120fpsで机に直置きした状態で録画を実行した際、約3分で録画が停止しました(室温22度の場合)。これはDJI Action 2に温度制御システムが組み込まれており、設定値に達すると自動的に録画を停止する仕様になっているためです。
自動停止記録温度は調整可能で、標準(48度)、高(53度)のいずれかを選べます。なおDJIによれば、1080p(パワーリザーブモード)であれば上昇温度は比較的緩やかで、また風速が1m/sで、屋外の気温が平均的であればバッテリーがなくなるまで録画可能とのこと。
今回は試用期間の都合で細かな検証を実施できませんでしたが、実際に利用する際には、ある程度の温度管理に配慮する必要があるかもしれません。
GoPro HERO Session終息後に投入された超小型アクションカメラの決定版
合体・変形カメラというと「Insta360 ONE R」がありますが、あちらはレンズ交換が目的。合体することで機能を増やせつつ、単体でも利用可能なDJI Action 2はコンセプトがまったく異なります。個人的には「GoPro HERO Session」終息後についに発売された超小型アクションカメラとして、DJI Action 2に物欲をそそられまくりです。