今年4月に亡くなった脚本家の橋田壽賀子さんが、「東京ドラマアウォード2021」で特別賞を受賞。27日、都内のホテルで行われた授賞式に、盟友のドラマプロデューサー・石井ふく子氏が代理出席した。
石井氏は「ずっと60年くらい彼女とのお付き合いをしておりまして、30年間『渡る世間は鬼ばかり』の制作をしていました。橋田さんの病院に行きまして、『いろいろメモしてよ』と言われてメモしましたけど、その内容は『人はひとりじゃない。みんなに支えられて生きてるんだ。そしてきょうだいの人たちが集まって、最後に次女(泉ピン子)が“ありがとう”って言うところで、“渡る世間”の30年の歴史を終わらせたい』と言っておりました」と、終幕の構想を明かした。
そして、「橋田さんは家族のドラマを書いてらっしゃって、私も家族のドラマをずっと続けてきました。これからも橋田さんがいろんな思いでお書きになった家族をテーマに、こういう時代ですけど、なんとかテレビも頑張って、家族の人たちのこれからの行く先をいろいろ考えながらドラマを作っていきたいと思ってます」と意欲を示した。
橋田さんの写真に向かって、「今日はあなた、賞を獲られたのよ。良かったわね」と呼びかけた石井氏。「本人はすごく喜んでいると思います。本当にありがとうござました」と感謝した。
司会の石坂浩二は『渡る世間は鬼ばかり』で30年間ナレーションを担当していただけに、「橋田さんに賞をあげられるのは、(東京)ドラマアウォードとしても光栄でございます」と話した一方、「本当は生きて賞を受け取ってほしかったと心から思います」と惜しんだ。
「東京ドラマアウォード2021」受賞作品・受賞者
■作品賞〈連続ドラマ部門〉
グランプリ 『俺の家の話』TBSテレビ
優 秀 賞 『コントが始まる』日本テレビ放送網
優 秀 賞 『MIU404』TBSテレビ
優 秀 賞 『半沢直樹』TBSテレビ
優 秀 賞 『天国と地獄~サイコな2人~』TBSテレビ
優 秀 賞 『大豆田とわ子と三人の元夫』関西テレビ放送
優 秀 賞 『華麗なる一族』WOWOW
■作品賞〈単発ドラマ部門〉
グランプリ 『太陽の子』日本放送協会
優秀賞『流行感冒』日本放送協会
優秀賞『エアガール』テレビ朝日
優秀賞『人生最高の贈りもの』テレビ東京
優秀賞『教場II』フジテレビジョン
■奨励賞
「ミニドラマ『悲熊』」(日本放送協会)
■ローカル・ドラマ賞
『ペペロンチーノ』NHK仙台放送局
『ミヤコが京都にやって来た!』朝日放送テレビ
■個人賞
主演男優賞 窪田 正孝 『エール』(日本放送協会)
主演女優賞 綾瀬はるか 『天国と地獄~サイコな2人~』(TBSテレビ)
助演男優賞 西田 敏行 『俺の家の話』(TBSテレビ)
助演女優賞 江口のりこ 『俺の家の話』(TBSテレビ)
脚本賞 坂元 裕二 『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ放送)
演出賞 西村武五郎 『きれいのくに』(日本放送協会)
特別賞 橋田壽賀子
■主題歌賞
STUTS & 松たか子 with 3exes「Presence」
(『大豆田とわ子と三人の元夫』〈関西テレビ放送〉主題歌)
■海外作品特別賞
『ヴィンチェンツォ』韓国
『俗女養成記2』台湾
『2gether』タイ