ソニーは10月26日、世界で初めて像面位相差AFを備えた1.0型イメージセンサーを搭載するなど、高いイメージング性能をもった写真/映像制作のプロ向け5Gスマートフォンの新製品「Xperia PRO-I」を発表した。発売は12月15日の予定。店頭予想価格は198,000円前後。

  • Xperia PRO-I

    Xperia PRO-I

カメラ構成は、16mm相当の超広角/24mm相当の広角/50mm相当の標準という3眼構成。広角カメラのイメージセンサーは12メガピクセルで、ソニーのプレミアムコンパクトカメラ「RX100 VII」の1.0型イメージセンサーを最適化した「Exmor RS」を搭載。低照度下の撮影では、ピクセルピッチが2.4μmと大きくなったことでこれまで以上の高感度撮影が行え、「Xperia 1 III」などと同じ画像処理エンジンの「BIONZ X for mobile」やαシリーズと同じLSIにより画質を向上。12ビットのRAW撮影に対応し、広いダイナミックレンジと鮮やかで自然な色を再現できる。1.0型センサーならではの被写界深度を活かし、F2.0/4.0の可変絞りで美しいボケと奥行きの細部の再現まで幅広い表現が可能だ。

  • フロントエンドLSIと「Exmor RS」

    αシリーズと共通のフロントエンドLSIと、1.0型イメージセンサーを最適化した「Exmor RS」

  • フォーカス領域

    像面位相差AFの広いフォーカス領域

  • 可変絞り

    広角カメラのレンズはF2.0/4.0の可変絞り

超広角カメラは1/2.5インチサイズ、標準カメラは1/2.9インチサイズで、いずれも解像度は12メガピクセル。広角/標準の両カメラは光学式手ブレ補正も搭載する。

  • 3眼構成
  • レンズ構成
  • 3眼構成(+iToFセンサー)のカメラ。広角カメラはカール・ツァイスのZEISS Tessarレンズだ

撮影のスピード性能もαシリーズ譲りで、リアルタイムトラッキング/リアルタイム瞳AFは高精度で動く被写体に追従。最大60回/秒のAF/AE演算処理を行うことでAF/AE追従20コマ/秒の高速連写を可能とした。

  • リアルタイム瞳AF

    リアルタイム瞳AFは高い追従性を誇る

  • Photography Pro

    撮影UI「Photography Pro」はαシリーズのカメラのような操作感

動画撮影も本格的。撮影情報を正確に把握できる一覧性の高いUIを採用し、Vloggerの配信向けの撮影、クリエイターの作品作りのための撮影のどちらにも対応できる性能を誇る。

  • Videography Pro

    一覧性の高い動画撮影UI「Videography Pro

  • Cinematography Pro

    作品撮りなら、ソニーのシネマカメラの操作感を再現する「Cinematography Pro」を使いたい

先述のAF性能は動画撮影時にも威力を発揮し、4K画質で120コマ/秒の高フレームレート撮影に対応。Xperia 1 IIIでも搭載している、高速センサーとソニー独自のアルゴリズムの組み合わせによるFlawlessEye対応のハイブリッド手ブレ補正で、暗所でも手ブレを抑えた撮影が可能。また音声をよりクリアに録音できるよう、従来の上部・下部のステレオマイクに加え、メインカメラ側(背面)にモノラルマイクを追加搭載した。

  • オブジェクトトラッキング

    追従性の高いオブジェクトトラッキング

  • 背面マイク

    メインカメラ側にマイクを追加搭載

Vlogger向けには、ホルダーや3.5インチの外部ディスプレイ「Vlog Monitor」(店頭予想価格25,000円前後)などをアクセサリーとして用意。ホルダーは三脚用のネジ穴を備えており、Xperia PRO-Iに対応する別売のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」などを装着可能。またホルダーのアクセサリーシューに外付けマイクを装着し、Xperia PRO-Iの3.5mmオーディオジャックに接続して音質にこだわった撮影を行うこともできる。

  • オプションとして、ホルダーや3.5インチの外部ディスプレイを用意。発売済みのシューティンググリップ「GP-VPT2BT」も利用できる

撮影後の処理も、細部の確認や編集作業が可能な6.5インチの4K対応HDR有機ELディスプレイ、5Gの高速通信、USB 3.2 Gen 2の高速インタフェースなどによりストレスなく行える。

  • 5G通信対応
  • USB 3.2 Gen 2装備
  • 5G通信に対応。インタフェースはUSB 3.2 Gen 2。撮影した画像・動画を高速に転送できる

スマートフォンとしての基本機能も、前述のディスプレイ、360 REALITY AUDIO対応の音響機能、240Hzのタッチスキャンレートによるスムーズなゲームプレイなど充実している。プロセッサはQualcomm Snapdragon 888 5Gで、4,500mAhのバッテリ容量を搭載する。

  • ディスプレイ

    6.5インチの4K対応HDR有機ELディスプレイ。アスペクト比は21:9

ボディは8.9mm厚で、IP65/68の防水・防塵性能を備える。ディスプレイのガラスはCORNINGのGorilla Glassで耐久性も高い。撮影時に適した、グリップ感と高級感のあるレザー製の背面カバーもアクセサリー(店頭予想価格:9,000円前後)として用意される。

  • 防水・防塵性能

    IP65/68の防水・防塵性能

  • 背面
  • 正面
  • 背面と正面

  • シャッターボタン

    シャッターボタンにも高級感がある

  • レザー製カバー

    グリップ感のあるレザー製カバー

主な仕様は下記のとおり。

  • OS:Android 11
  • CPU:Qualcomm Snapdragon 888 5G
  • 内蔵メモリ:12GB RAM/512GB ROM
  • ディスプレイ:6.5インチ 21:9 4K 有機ELディスプレイ(3,840×1,644ドット) リフレッシュレート120Hz、HDR対応
  • 通信方式:5G(Sub6)
  • アウトカメラ:超広角(16mm相当、12メガピクセル、1/2.5インチセンサー、F2.2)、広角(24mm相当、12メガピクセル、1.0インチセンサー、F2.0/4.0)、標準(50mm相当、12メガピクセル、1/2.9インチセンサー、F2.4)、3D iToFセンサー
  • インカメラ:8メガピクセル
  • Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
  • Bluetooth:バージョン5.2
  • バッテリ容量:4,500mAh
  • 防水/防塵:IP65/68
  • 生体認証:指紋認証
  • その他の機能:おサイフケータイ、3.5mmオーディオジャック、USB Type-C
  • サイズ/重さ:H166×W72×D8.9mm、211g