マーケティングに資格が必要なのか、どのような資格があるのか興味のある人もいるでしょう。ネットマーケティングやデータ解析などさまざまな分野について、民間で行われている資格試験が存在します。

資格をうまく生かせば、マーケティング分野への就職や転職に役立てることもできます。 この記事ではマーケティング資格が必要な人、代表的な資格について解説します。

  • マーケティングの資格には何がある? 学習内容や難易度を解説

マーケティングの資格を取得するメリット

「マーケティングに資格は必要なの?」と思う人もいるかもしれません。特に、すでに実務をある程度こなしてきた人はあまりピンと来ないでしょう。

一方でほとんど知識がないけれど、これからマーケティング関連の職に就きたいと考える人は、資格取得を検討する価値があります。具体的には以下のような人です。

・新卒でマーケティング関連の職種に就きたい大学生
・マーケティング関連の職種に転職したいビジネスパーソン
・社内でマーケティング関連の部署に異動したい会社員

またすでにマーケティングの仕事をしていて、対応できる分野を増やしてスキルアップしたい人も、資格取得を足掛かりにすることができます。

マーケティングの基礎を学べる資格

まずは、知識ゼロからマーケティングの基本的な知識を身に付けられる資格を紹介します。なお受験料については2021年10月14時点のものです。

1. マーケティング・ビジネス実務検定

・難易度:初心者~中級者向け
・受験料:6,270円~12,760円(税込)

マーケティング・ビジネス実務検定は2005年に始まり、国内のマーケティング関連としては比較的歴史の長い資格です。マーケティングの理論だけではなく、時事情報や実務事例も学べます。

C級、B級、A級の3種類に分かれており、C級はマーケティング・オペレーション基礎レベルであり、定型業務ができるレベルです。

B級はC級をさらに応用したレベル、A級は計数管理やマーケティング関連法務も含むレベルに上がります。ビギナーはC級からスタートして。ステップアップを目指しましょう。

2. マーケティング検定

・難易度:初心者~中級者向け
・受験料:5,500円~9,460円(税込)

日本マーケティング協会が主催する、マーケティング能力を測定する検定です。3級・2級は誰でも受験でき、1級は2級合格者のみが対象です。

初心者向けの3級の主な学習内容は、マーケティングの基本概念、市場環境、リサーチ、製品戦略、コミュニケーション戦略など。これからマーケティングに触れる方のための学習内容となっています。

試験方式はCBTで、自分の都合の良い日時と会場を選んで試験を受けられます。全体の70%以上を正答すると合格です。

ネットマーケティングの知識を学べる資格

ここからは、マーケティングのなかでもインターネットに特化した分野について学べる資格を解説します。

1.ネットマーケティング検定

・難易度:初心者向け
・受験料:6,000円(税込)

ネットマーケティングに関するベーシックな知識を得られる検定です。ビジネスの企画・立案に役立つことを主眼に置いているため、マーケティングを実施する側の視点で構成されています。

主な学習内容はネットマーケティング概論、リサーチ、ブランディング、広告、外注管理、関連法規など。

学習時間の目安は15時間、合格率は80%以上と難易度はそれほど高くありません。ネットマーケティングを気軽に学びたい人に向いています。

2. IMA検定

・難易度:初心者~中級者向け
・受験料:19,800円(税込・受講料含む)

IMA検定は「実践できるネットマーケティング」がコンセプトの資格です。2つのコースがあり、Standardコースの難易度は初心者向けです。

具体的な学習内容はWeb集客、アクセス解析、改善策のレポート作成です。実務担当者が現場で必要と認めたスキルやノウハウを初心者レベルから学べます。

暗記ではなく、検索スキルを重視しているのも特徴。試験の際は教材やネット検索を使って回答することも可能です。

3.ウェブ解析士

・難易度:初心者~中級者向け
・受験料:45,100円(税込・受講料やテキスト代等を含む)

ウェブ解析とは簡単に言うと、ウェブサイトのアクセス状況をデータから解析し、成果につなげるためのPDCAを回すことです。

ウェブ解析士の講座では、解析のための基本的な指標、解析ツールの設定、広告表示回数の最適化などを学べます。

学習期間はWEB業界経験者なら1か月~1か月半、未経験者は2か月~4か月が目安です。

4. Google広告認定資格

・難易度:初心者~中級者向け
・受験料:無料

Google広告の知識を持った個人を認定する資格で、オンライン広告に関する知識を得ることができます。受験料はかからないので、気軽に挑戦できる資格です。

現在は以下6つの認定資格があります。

・検索広告
・ディスプレイ広告
・動画広告
・ショッピング広告
・Google 広告アプリ
・Google 広告測定

理解度テストで80%以上を正解すると資格を取得できます。不合格の場合、1日後から再受験が可能です。

SEOを学べる資格

SEOとは検索結果で自社のサイトやページを上位表示させるための施策です。ネットマーケティングと合わせて学ぶのがおすすめです。

1.SEO検定

・難易度:初心者向け
・受験料:13,200円~22,000円(税込)

SEOの技術を体系的に学習できる検定試験です。4つのグレードがあり、それぞれで学ぶ範囲は以下のとおりです。

4級:SEOの全体像を把握
3級:キーワード調査と内部要因最適化
2級:コンテンツSEOと外部要因最適化
1級:ソーシャルSEOとモバイルSEO

級が上がるにつれてレベルが上がるというより、各級の学習内容が異なる形式です。よって3級以上については、それほど難易度は変わらないと考えられます。

検定試験は全国10ヶ所で実施されています。

データ分析を学べる資格

現在のマーケティングではデータの分析力・解析力も重要です。これらの能力を鍛えられる資格について見ていきましょう。

1.統計検定

・難易度:初心者~上級者向け
・受験料:3,000円~10,000円

統計に関する知識や応用力を測定する試験です。データ分析のスキルを付けるため、統計学について基礎から学びたい人に向いています。

統計検定には5つの級があり、主なレベル感は下記のとおりです。

4級:図や表の解読を中心とした小中学校レベル
3級:高校の数学Ⅰの「データの分析」相当のレベル
2級:大学の基礎統計学のレベル
準1級:統計学を実社会で活用できる大学基礎レベル
1級:データ解析を遂行する専門力を問う大学応用レベル

就職や転職に役立てるなら、2級以上が目安となります。

2.統計士・データ解析士

・難易度:初心者向け
・受験料:54,500円~59,800円(税込・受講料等を含む)

文部科学省が認定する資格で、指定された通信教育講座を受講して試験に通過すると取得できます。統計士なら「現代統計実務講座」、データ解析士なら「多変量解析実務講座」を受講することになります。

3. Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)

・難易度:初心者~上級者向け
・受験料:無料

アクセス解析ツールの「Googleアナリティクス」の習熟度を測定する試験です。受験料は無料で、試験対策用の教材も無料で利用可能です。

初級者コースでは、Googleアナリティクスの設定、操作方法、成果の測定方法などを学びます。上級者コースでは高度な解析テクニックやマーケティングツール等について学習できます。


以上、マーケティングの資格について、基礎からネットやSEO、データ分析までの専門的なものまでご紹介しました。

マーケティングの職に就きたいと考える学生や転職活動中の方、社内での異動を希望する方、さらにスキルアップを考える方までおすすめの資格です。

複数の資格がありますので、ご自身の目的に合わせた資格を選んでチャレンジしてみるとよさそうですね。