甘みと酸味があるアメリカンチェリー。スーパーなどで見かけることも多く、食べたことのある人も多い果物ですが、アメリカンチェリーにどんな栄養や効果があるのか知らない人も多いでしょう。

この記事では、アメリカンチェリーの栄養素や効果、サクランボとの違いや歴史についても解説します。サクランボとの違いについても紹介します。

おいしい食べ方やレシピについても紹介しているので、最後まで要チェックです。

  • アメリカンチェリーとは

    アメリカンチェリーの栄養素や効果、選び方やおいしいレシピについて紹介します

アメリカンチェリーとは

チェリーは、バラ科サクラ属の果実で、アメリカ産のものをアメリカンチェリーと呼んでいます。世界各国でさまざまな種類があり、1000以上あるといわれています。

アメリカンチェリーの中にも複数の品種があり、日本に輸入されているアメリカンチェリーのほとんどは、ビング種と呼ばれる種類です。

サクランボとの違いは?

サクランボとアメリカンチェリーの違いですが、日本で作られているものはサクランボ、アメリカから輸入されているものをアメリカンチェリーと呼んでいます。

日本では、桜の実を意味している「桜ん坊」という言葉からサクランボと呼ばれるようになったという説もあります。

サクランボの歴史

チェリー自体は非常に古い歴史を持つ果物です。ヨーロッパでは紀元前から、中国では3000年前から栽培されていたといわれています。

日本では、江戸時代頃に中国から伝えられたものの、チェリー栽培に日本の気候が合わず、当時は普及しませんでした。明治時代にドイツ人から持ち込まれた品種を、日本各地で品種改良した結果、ようやく日本でもサクランボが栽培されるようになりました。

アメリカンチェリーについては、16,17世紀ころにアメリカに持ち込まれ、ワシントン州などで栽培されるようになったのが始まりです。日本国産のサクランボよりも旬が早く、値段が安いため、日本にもたくさんのアメリカンチェリーが輸入されています。

チェリーの品種

 アメリカンチェリーの中にも、複数の品種があります。

・ビング種
初夏の5~7月頃にかけてカルフォルニア州やワシントン州で収穫され、アメリカンチェリーの中で一番収穫量が多い種類です。日本へと輸出されているアメリカンチェリーのほとんどが、このビング種です。

濃い赤色が特徴的で「ダークチェリー」という呼び名もあります。実が大きく、輸出にも向いたしっかりとした果肉が特徴。甘みも強く、そのまま食べたりお菓子にも使われたりしています。

・レイニア種
気候の影響を受けやすく他のアメリカンチェリーよりも比較的値段が高め。色や形が日本のサクランボに似ています。

・ブルックス種
アメリカンチェリーの中で、一番甘さがあるといわれている種類です。実が非常に大きいのを特徴としており、実の部分には歯ごたえがあります。

・モンモランシー種
主にミシガン州で栽培されている種類。酸味が特徴で、ジュースやお菓子などに使われていることが多いとされています。

  • アメリカンチェリーとは

    日本ではサクランボ、アメリカから輸入されたものはアメリカンチェリーと呼び、たくさんの種類があります

アメリカンチェリーの栄養素や成分

アメリカンチェリー可食部100gあたりに含まれている栄養成分を、食品成分データベースで調べてみましょう。

  • エネルギー:64kcal
  • 水分:81.1g
  • たんぱく質:1.2g
  • 脂質:0.1g
  • 炭水化物:17.1g
  • ビタミンC:9mg
  • カリウム:260mg
  • パントテン酸:0.29mg
  • 葉酸:42μg

含まれている栄養成分に、どんな効果や効能があるかを1つずつ見ていきましょう。

ビタミンC

アメリカンチェリーをはじめ、その他のチェリーやサクランボにもビタミンCは豊富に含まれています。

ビタミンCはのどや鼻の粘膜を正常に保ち、ウイルスなどから体を守ってくれるため、免疫力が高くなる効果が期待されます。

ビタミンCには、そばかすやシミの原因となるメラニンの生成を防ぐ効果もあるといわれており、お肌の環境を整える効果も期待されている栄養素です。

カリウム

カリウムには、利尿作用があるとされており、体内に塩分の塩分濃度が高くなっている場合には、汗や尿として排出して体の塩分濃度を一定に保つ働きをしています。

ラーメンなど塩分の多い食事が好きな人は、カリウムが含まれる食品をとることで、体内の塩分濃度を調節する効果が期待できます。高血圧やむくみで悩んでいる人も、カリウムを積極的に摂取するといいといわれています。

パントテン酸

パントテン酸はビタミンCの働きを補助する栄養素といわれています。抗ストレスホルモンの合成にパントテン酸はかかわっており、ストレスを和らげる効果も期待できます。

糖質や脂質、たんぱく質の代謝を促す働きもあります。

葉酸

葉酸は、赤血球が作られる補助や、細胞分裂にかかわりを持つ栄養素です。

皮膚や粘膜を健康に維持するのを助けてくれるため、アンチエイジング効果も期待されている栄養素です。

  • アメリカンチェリーの栄養素や成分

    アメリカンチェリーにはさまざまな栄養素が豊富に含まれています

アメリカンチェリーの効果は?

アメリカンチェリーにもいろいろな栄養成分が含まれていますが、身体にどんな効果があるのか気になりますよね。

具体的なアメリカンチェリーの効果について紹介します。

妊婦への効果

アメリカンチェリーは、妊婦にもおすすめの果物です。

アメリカンチェリーには、葉酸が含まれています。葉酸は細胞の分裂にかかわる栄養素で、活発な細胞分裂が行われる胎児の発育に役立つ効果が期待されています。

妊婦はもちろん、これから妊娠の望む女性などへ、葉酸が含まれるアメリカンチェリーはおすすめな果物といえるでしょう。

  • アメリカンチェリーの効果は?

    アメリカンチェリーを食べて葉酸を摂取しましょう

アメリカンチェリーの栄養のとり方

アメリカンチェリーは、洗ってそのまま皮などをむかずに食べられるのでお手軽な果物です。

アメリカンチェリーをおいしく食べるための選び方や保存方法、おすすめのレシピについて紹介します。

アメリカンチェリーの選び方

アメリカンチェリーなどチェリー類を選ぶ時には、実の皮部分がつややかで、ハリのあるものを選ぶのがおすすめです。

傷があったり傷んでいたりするものはさけましょう。果実部分の発色が鮮やかかどうかもポイントです。

アメリカンチェリーの保存方法

チェリーの保存には、風通しのいい涼しい場所に置いておくのがおすすめです。冷蔵などの温度の低い場所には弱く、風味も落ちやすいので注意しましょう。

洗う時には、容器に入れて水を注ぎ、しばらくつけておきます。

アメリカンチェリーのおすすめレシピ

ここからはアメリカンチェリーを使ったレシピについて紹介します。 もし気になったものがあったら、ぜひ作ってみてください。

・チェリーパイ、チェリータルト
チェリーを使ったスイーツといえば、パイやタルトが人気。チェリーの食感が味わえる一品です。

・白和え
白和えとは、とうふや白ごまを野菜などと混ぜ合わせたおかずです。果物をおかずとして食べるのは意外かもしれませんが、アメリカンチェリーの甘みと酸味がきいたおいしいおかずになります。

  • アメリカンチェリーの栄養のとり方

    アレンジレシピでもアメリカンチェリーをおいしく食べましょう

アメリカンチェリーをおいしく食べましょう

実も大きくて、甘くて酸っぱいアメリカンチェリー。カリウム、ビタミンCなど身体にいい栄養素もたくさん含まれています。

スーパーなどお店でも手に入りやすく、洗ってそのまますぐ食べられるため、その食べやすさからも人気があります。

選び方や保存方法も参考に、初夏の旬の時期にはぜひ食べてみてください。