AMDはRyzenプロセッサを利用する場合、Windows 11環境で性能低下が起きる事を10月6日にアナウンスしたが、これに対応したパッチの配信がWindows 11の通常チャネルでも始まった。

この問題は2つあり、一つはL3キャッシュのLatencyがWindows 10比で3倍ほどになること、もう一つはCPPC2が優先コアを正しく優先しない事であった。前者についてはMicrosoftが、後者についてはAMDがそれぞれ修正を行う事になっていた。その前者、Windows insiderチャネルにおいては既にパッチがリリースされていたが、日本時間の10月22日にKB5006746の通常チャネルでの配信が始まり、既にインストール可能となっている(Photo01)。

  • Windows 11環境でのRyzenの性能低下を解消へ、対策パッチを確認してみた

    Photo01: インストール後の状況。

一方CPPC2の対応であるが、こちらもAMDより既に入手可能である。同社のドライバダウンロードページから"Chipset"→"Socket AM4"→目的のチップセット(筆者は"X570"を選択)を選ぶとダウンロードページが出てきて、ここからChipset Driver 3.10.08.506がダウンロードできる。

さて、簡単にテストをしてみた。プロセッサはRyzen 9 5950Xであるが、KB5006746及びCPPC2 Driverを当てる前と当てた後で、Sandra 2021のCache & Memory LatencyのGlobal Data Memory:In-Page Randomを利用してLatencyを確認してみた(Photo02)。KB5006746を当てると、なぜかL1→L2領域で若干Latencyが増える傾向にあるが、ことL3領域(4MB~32MB)に関しては明確にLatencyが減少しているのが判る。

  • Phtoo02: 青が当てる前、赤が当てた後である。

ということでRyzenでWindows 11をお使いの方は、KB5006746及びUEFI CPP2 Driverの適用をお勧めする。