日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’21』(毎週日曜24:55~)では、高齢化するひきこもり家族を追った『おいてけぼり ~9060家族~』(中京テレビ制作)を24日に放送する。

  • 娘の敬子さん(左)と父の昭二さん

愛知県の市営団地で父・昭二さん(当時92)と暮らす、敬子さん(54)は、35年にわたり自宅にひきこもっている。コンビニに買い物に行ったりすることはできるが、他人との交流はなく、国が示す「ひきこもり」の定義に該当する。

実はこの家にはもう1人“ひきこもり”がいた。敬子さんの兄・信明さん(65)は、ギャンブルとタバコに ふけり、パチンコに出かける以外は自室に閉じこもる状態だった。

暮らしの支えは、父・昭二さんの退職金と年金。生活は困窮を極め、思いつめた昭二さんは2年前に自殺を図った。それでも、昭司さんは「2人を残して死ぬに死ねない。殺したくなる気持ちも分かる。自分の子供だからこそ」と語っていた。

一方の敬子さんは「自分は社会のお荷物だと分かっている。でも、どうしても社会が怖い」。葛藤する2人の言葉から、当事者本人、そして家族が社会との接点を一度喪失すると元に戻すのは困難で、個人と社会をつなぐ第三者の介入が足りない現状が見えてきた。

そんな状況の中、去年末、敬子さんから「お父さんが亡くなった」という電話が中京テレビの記者に。ついにその日が来てしまったのだ。高齢化するひきこもり家族にとって、そう遠くなく来るとわかっていたその日。しかしそれはやはり、突然だった。

遺影を探す中、偶然見つかった遺書。そして今まで部屋から出てこなかった兄・俊明さんが口にした 「働かなくてごめんなさい」の言葉…。

ひきこもりから脱却し自立するため、敬子さんは54歳にして人生初の一人暮らしを始めたが、そこには多くの壁が…。

ナレーションは、柄本明が担当する。

  • 突然の父の死

  • 1人で外へ…

  • なかなか外に出られない…