りんごは身近な果物で「おいしくて食べるのが好き」という方も多いのではないでしょうか。りんごは味がおいしいだけではなく、いろいろな栄養成分を含んでいて、美容や健康などに気を使っている方をサポートする期待が持てる果物でもあります。
本記事ではりんごの栄養成分や期待できる効能、おすすめの食べ方まで解説するので参考にしてくださいね。
りんごとは
まずはりんごについての基本知識を解説します。
りんごは明治時代から一般的に
現在一般的に流通しているりんごはほぼ、セイヨウリンゴになります。日本では平安時代からワリンゴという系統のりんごも存在していましたが、セイヨウリンゴと比較すると果実が小さく現在では流通するほど栽培されていません。
セイヨウリンゴは江戸時代にはいくつかの藩でアメリカから伝わったものが栽培されていた記録があるそうですが、一般的な果物ではありませんでした。りんごが本格的に栽培されるようになったのは明治時代以降に外国から導入されてからです。
りんごの産地や旬
りんごの産地といえば青森が有名です。農林水産省「令和2年産りんごの結果樹面積、収穫量及び出荷量」によると、青森が61%、長野18%、岩手6%と続き、3県で全国の約9割になります。
りんごの旬は品種によって、若干の違いはありますが、おおむね秋から冬にかけての1~2か月ほどの期間。しかし9月から収穫のものであれば11月くらいまで、10月からのものであれば12月くらいまで市場に出回っています。このばらつきがあるので、旬の時期が長く感じる方もいるでしょう。
「りんごは1年中食べられるのはなぜ」と思う方もいるでしょう。現代では保存方法の発達により、鮮度を落とさずに保存ができる方法が確立されました。そのため、1年中おいしいりんごが食べられるのです。
りんごの品種
りんごの品種はとても多く、世界では数千種あるともいわれています。日本では、現在100種類ほどの品種のりんごが栽培されているそうです。皮の赤いりんご、青や黄色のりんご、果肉が赤いりんごなど、りんごといってもさまざまな種類があります。日本では皮が赤いりんごの「ふじ」が約半数です。
りんごは妊婦の方にもおすすめ
妊娠中は食べるものに気を使うものです。「りんごは食べても大丈夫なのかな」と心配な方もいるでしょう。結論からいうとりんごは妊娠中に食べても大丈夫です。
りんごはカリウム、食物繊維、カルシウム、りんごポリフェノールなど栄養が豊富に含まれていて、妊娠中の栄養補給に適しています。また妊娠中のむくみにカリウムの働きが期待できますし、食物繊維のペクチンは妊娠中の便秘の対策になる可能性もあります。
りんごに含まれる代表的な栄養成分
りんごは多くの栄養が含まれている果物です。ここではその中でも代表的な栄養成分を紹介します。
食物繊維
炭水化物から糖質を取り除いたものが食物繊維です。水に溶けやすい水溶性食物繊維と、溶けにくい不溶性食物繊維があり、りんごにはどちらも含まれますが、不溶性食物繊維のほうが多く含まれています。
カリウム
カリウムは体内の余分なナトリウムを体外へ排出する働きがあり、体内の塩分調整に大切な働きがある栄養素です。りんごには可食部100gあたり約120mgのカリウムが含まれています。
ビタミンC
ビタミンCは皮膚や細胞のコラーゲンを生成するために必須の栄養素です。また体内に侵入したウイルスを撃退する白血球やリンパ球に多く含まれていて、免疫機能などにも重要な働きをします。
りんごポリフェノール
リンゴポリフェノールは皮部分に多く含まれている栄養素です。ポリフェノールの一種で強い抗酸化力があり、活性酸素を除去して、血流の健康やコレステロール値の低下などの効果が期待されています。
りんごに期待できる効果・効能
ここではりんごを食べることで期待できる効果・効能を紹介します。
腸内環境の改善
りんごに含まれる食物繊維は水溶性の「ペクチン」です。ペクチンは善玉菌を増やして、悪玉菌の増殖を抑制する働きで腸内の環境を整えてくれます。下痢や便秘の予防に期待が持てるでしょう。
美容効果
紫外線などにより、肌にメラニン色素が蓄積していくと、シミやそばかすの原因になります。りんごに含まれるりんごポリフェノールは皮膚の細胞が酸化するのを抑えて、メラニン色素を過剰な生成を防ぐ成分です。
このリンゴポリフェノールの働きにより、シミやそばかすの予防になり、美肌や美白の効果が期待できます。
ダイエットのサポート
りんごポリフェノールは食事などで摂取した脂肪分の吸収を抑えて排出させる効果や、肝臓にある脂肪を合成する酵素を抑制して、脂肪を燃焼させる酵素を活性化させる働きがあるといわれています。
また血糖値を安定維持させる働きや空腹感を抱きにくくさせる働きもあるようです。
これらの働きからリンゴポリフェノールはダイエットのサポートも期待できると考えられています。
生活習慣病の予防
コレステロール値の高い食べ物とりんごを一緒に食べると、食物繊維が摂りすぎたコレステロールを体外へと排出させるといわれています。
またリンゴポリフェノールは高い抗酸化力で脂質を酸化させるのを防ぎ、血流を改善する効果があるそうです。さらにペクチンには血糖値の急上昇を抑制する働きがあるといわれています。
これらの栄養素の働きが動脈硬化、糖尿病などの成人病の予防や進行抑制などに期待が持てると考えられています。
高血圧予防
高血圧になる原因のひとつが味付けの濃い食事を食べて塩分を大量に摂取してしまうこと。塩分の摂りすぎで血液中のナトリウムが増えすぎてしまいます。
そこで役立つ栄養素がりんごにも多く含まれているカリウムです。カリウムは体内の余分な塩分を体外へと排出する働きがあります。りんごを食べることでカリウムが血圧を正常に保つサポートをして、高血圧の予防効果が期待できるでしょう。
りんごのおすすめの食べ方
ここではりんごの栄養を効果的に摂取できるおすすめの食べ方を紹介します。
皮をむかずに食べる
りんごは皮にも多くの栄養素が含まれています。栄養を意識するなら皮をむかずに食べるのがおすすめ。とくに食物繊維のペクチンは皮に多く含まれているので、整腸作用を求める方は皮ごと食べたほうが効果の期待が高まるでしょう。
「りんごを皮ごと食べるのは抵抗がある」という方もいるはず。そのような場合は皮ごとすりおろして食べたり、ヨーグルトに混ぜたりなど工夫すると食べやすくなりますよ。
一日数回にわけて食べる
リンゴポリフェノールの主な成分のプロシアニジンは高い抗酸化力がありますが、体内での持続力はあまりありません。一度にたくさん食べるよりも、数回にわけてこまめに食べたほうがいいでしょう。
加熱すると高まる効能も
りんごには加熱することで効果が高まる栄養素もあります。りんごを100度以上の高温で加熱するとペクチンの効果が6~9倍、リンゴポリフェノールの抗酸化作用が8~9倍になるなどの実験結果があるそうです。
美肌やアンチエイジングをりんごに求めるときは、焼きりんごにしたりジャムなどにしたりして食べてもいいでしょう。
りんごの栄養は美容や健康のサポートに期待が持てる
今回はりんごについて代表的な栄養成分や、食べることで期待できる効能を紹介しました。りんごに含まれる栄養は健康や美容に効能があるものが多いといわれています。
「ダイエットしたい」「生活習慣病の予防をしたい」そのような希望を持てっている方の悩みに寄り添ってサポートしてくれる期待があるものです。
気になる方はぜひ、りんごを食べる習慣を持てってみてくださいね。
農林水産省「令和2年産りんごの結果樹面積、収穫量及び出荷量」
文部科学省「食品成分データベース」