歌手の中島美嘉が、22日に放送された日本テレビ系音楽番組『MUSIC BLOOD』(毎週金曜23:00~)に出演した。
中島は2013年にリリースした「僕が死のうと思ったのは」について、「この曲自体は、もともとamazarashiさんが持っていらっしゃった曲で、実は最初、このカップリングに入っている別の曲を提供していただいたんです。でも『僕が死のうと思ったのは』に対して私の気持ちがあまりにも入っていたので、逆転してもらったんです」と真剣な表情で語る。
「耳の病気で活動休止して復帰はしたのですが、実際は完治していなかったんです。そのことで悩んでいるときにあの歌を聴いて、ああ、なんか自分のことみたいだなって思いながら聴いていたら泣いてしまいました。当時、事務所の方々がすごく心配して、頻繁に『大丈夫?』って声をかけてくれていたんです。私はこのままだとみんなが心配しっ放しで申し訳ないと思って、復帰してしまいました。『もうちょっと待って』言えれば良かったのですが。まだ完治していないということは、マネージャーさんなど、ごく一部の人しか知りませんでした。言っても仕方ないんですよ、治るわけでもないし。『耳の具合がよくないので、今日のライブは自信がないです』って言えないじゃないですか。だからとにかく、その日のベストを尽くすということだけを考えていました」と、当時のつらかった胸の内を明かした。
MCの田中圭がこの楽曲のどこに刺さったのか聞くと、「~死ぬことばかり考えてしまうのはきっと生きることに真面目すぎるから~というところを聞いた時に、それでいいんだって、ちょっと思いましたね。あ、それでいいんだはおかしいかな(笑)。自分が(歌のことを)真剣に取り組んでいるからなんだなあって、ちょっと心がすっとしたかもしれません」と答えた。
そんな中島に、田中が「転機が訪れたのはいつですか?」と聞くと「今です!」とまさかの答えが。中島は「実は最近、聴力が復活したんです」といい、「これは言うつもりではなかったんです。しかも言った手前、また聴こえなくなったらどうしようという恐怖心もありましたし。最近ずっと聴力があって、治ったんじゃないかなって思うくらい。15年くらい耳管開放症や色々なものと戦っていたので、一気になくなるのはちょっと不思議で。もしかしたら、コロナ禍でのステイホームの時間が知らず知らずのうちに、何も考えずに心身をゆっくり休ませることができて、私にとってはすごく大事な時間になっていたのかもしれません。徐々に聴力が上がってきて、ある日“ぼこっと”戻ったんです。みんな不思議がっていますね」と話した。
これを聞いたMCの田中と千葉雄大は「おめでとうございます!」と大興奮。中島は「ありがとうございます」と言いつつ、「ずっと治らないと言われてきて、最初は歌うことも辞めなさいと言われていました。だから病気と上手に付き合う方法をずっと探していました。でもこうして治っても再発することもあるので、とりあえず黙って過ごして、もし周りで『あれ、中島美嘉って変わった?」』『なんかいいことあった?』って思われたら、それは皆さんに伝わっているということだから、それはそれでいいのかなと思っていたんです。でも打ち合わせの時に番組のスタッフの方がすごく真剣に話を聞いてくださってくれたので、思わず話しちゃったんですよ、私(笑)」と打ち明けた。