リカー・イノベーションは10月20日、酒蔵などを対象に実施した「緊急事態宣言解除に伴う影響」に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は10月14日~18日、同社が運営するお酒のオンラインストア「KURAND(クランド)」の取引中の酒蔵、ワイナリー、ブルワリー81社を対象に、インターネットで実施した。
緊急事態宣言中、宣言前と比べて売上や出荷量に変化はあったか尋ねたところ、約71%が「減った」(「少し減った」56.8%、「かなり減った(半分以下)」 14.8%の計)と回答した。「減った」と回答した酒蔵の多くが飲食店向けのお酒の出荷量が下がったと回答し、多いところでは9割以上下がったと回答したところもあった。
出荷が減った酒蔵からは、「コロナ禍以前は、飲食店様向け4合瓶や一升瓶の出荷が多かったのですが、現在ではインターネット通販で販売している、家飲み対応の紙パック商品(一般酒)の出荷が増えました」「1800mlの大きいボトルは全く在庫が動かず、個人飲みでも気軽に試せる300mlや180mlの小瓶にシフトしているように感じています」といったコメントも寄せられている。
緊急事態宣言が解除され、売上に変化はありそうか尋ねると、約76%が「売上が上がりそう」(「かなり増えそう」6.2%、「少し増えそう」70.4%の計)と答えた。
「増えそう」と回答した酒蔵からは、「観光地には明らかに観光客が増えています。少しずつではありますが、年末に向けて回復傾向へと進んでいくと思われます」「観光需要や飲食店需要に回復の兆しが見えていることがあります。ただしそうはいっても100%戻ることはないので、コロナ禍前に比べればまだまだ厳しい状況といえそうです」などの意見が挙がった。
緊急事態宣言が解除され、飲食店での酒類提供が再開したが、ここ最近で飲食店向けのお酒の出荷量に変化はあったか聞くと、約71%の酒蔵が「増えた」(「かなり増えた」7.4%、「少し増えた」64.2%の計)と回答した。
「増えた」と回答した酒蔵からは、「このまま今の状況が続く事を願っていますが、次に緊急事態宣言が出た時の事を考え、対策が必要だと常に危機感を持ち続けています」「2か月後に感染者がまた増えないか不安だが、じっとしていても飲食店や関連業者がジリ貧になってしまうので、様子を見ながらではあるが、酒類の提供が通常に戻っていってほしいです」と、今後の見通しに不安を感じている声もあった。
製造量(これからの製造量)は例年と比べて変化はあったか尋ねたところ、約59%が「減った」(「かなり減った」3.7%、「少し減った」55.6%の計)と答えた。「減った」と回答した酒蔵は「昨年大幅に仕込量を減らしたものの、需要の戻りが遅いため、仕込量を増やすことはしない予定です」「昨年の在庫を先に出す必要があり、今年の新たな製造量は例年よりは絞る方向で調整中です」とコメントしている。