マンゴーの旨味がギュッと詰まった「ドライマンゴー」。ダイエット中や妊娠中の人の中には、ドライマンゴーに含まれる栄養成分が気になる人もいるでしょう。
本記事では、ドライマンゴーに含まれる栄養成分についてくわしく紹介します。
妊婦が食べるときの注意点やドライマンゴーの栄養素であるカリウムに気をつけたい人の特徴、保存方法もあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ドライマンゴーとは
ドライマンゴーは、果物のマンゴーを乾燥させた食べ物です。ここでは、ドライマンゴーの原料となるマンゴーについて解説します。
マンゴーの原産地
世界三大果物にも認定されているマンゴーの原産地は、インドからインドシナ半島周辺地域とされています。特にインドでは4,000年以上前から栽培されるなど古い歴史がある果物です。
現在は主にインドのほか、メキシコ、フィリピン、オーストラリア、台湾、タイなどで栽培されています。日本でも沖縄県や鹿児島県、和歌山県、熊本県を中心に栽培されています。
ドライマンゴーは傷みやすいマンゴーを日持ちさせた食品
マンゴーは、暖かい地域で盛んに生産されていますが、水分を多く含む果物であるため、傷みやすいという特徴があります。そんなマンゴーを乾燥させて水分を抜き、日持ちさせた食品がドライマンゴーです。
ドライマンゴーの栄養成分
ドライマンゴー100gあたりの主な栄養成分について、文部科学省の食品成分データベースでは以下の通りとなっています。
- エネルギー:339kcal
- 水分:9.3g
- たんぱく質:3.1g
- 脂質:0.7g
- 炭水化物:84.9g
- β-カロテン当量:6,100μg
- ビタミンB1:0.27mg
- ビタミンB2:0.21mg
- ビタミンC:69mg
- 葉酸:260μg
- カリウム:1,100mg
- イソロイシン:120mg
- ロイシン:210mg
ドライマンゴーで期待できる効果・効能
ドライマンゴーは、マンゴーの水分を抜いて乾燥させている分、栄養素が凝縮されています。ここでは、ドライマンゴーを食べることで期待できる効果・効能を栄養成分ごとに解説します。
β-カロテン
β-カロテンは、摂取した一部が体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を高めたりする働きがある栄養素です。
ビタミンAに変換しなかったβ-カロテンは、紫外線やストレスなどで発生した活性酸素を抑制する作用があります。この働きにより、生活習慣病の予防や美肌の効果も期待できます。
ビタミンB1
ビタミンB1は炭水化物(ブドウ糖)をエネルギーに変換する働きがあります。エネルギーの生産に関わっている栄養素なので、摂取することで代謝が上がりやすくなり、ダイエットにもいい影響を与えてくれます。
ビタミンB2
ビタミンB2は皮膚や髪、爪の細胞の再生に作用する栄養素です。また、糖質やたんぱく質、脂質の代謝やエネルギー産生にも関わっています。美容とダイエットの両方にいい効果が期待できる栄養素とされています。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成に必要な栄養素で、メラニン色素を抑制して日焼けを予防してくれる効果も期待できます。さらに、ストレスや風邪など病気を予防する抵抗力を高める働きもあり、体の健康を保つために必要な栄養素のひとつです。
葉酸
葉酸はビタミンB群に属する栄養素です。動脈硬化の引き金になる成分「ホモシステイン」を減少させる効果が期待できます。また、細胞の生産や再生を助ける働きがあるため、妊婦の場合は摂取した本人だけではなく胎児の発育にも必要不可欠な栄養素とされています。
カリウム
カリウムは人体に必要なミネラルの一種です。体内のナトリウムを外に排出する働きがあるので、塩分の過剰摂取を調整できます。塩分が原因で引き起こるむくみの緩和も期待できるでしょう。
また、神経の興奮性と筋肉の収縮にも関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も担っています。
必須アミノ酸
ドライマンゴーにはロイシンとイソロイシンという必須アミノ酸も含まれています。必須アミノ酸は筋肉のエネルギー源として疲労回復に効果的であり、筋肉の形成も促してくれる栄養素です。
筋肉が増えることで基礎代謝が上がり、脂肪が燃焼されやすくなるためダイエット効果も期待できます。
ドライマンゴーの栄養は妊婦にとっていいの?
たくさんの栄養成分を持つドライマンゴーですが、妊婦が食べてもいいものなのか気になる人も多いでしょう。ここでは、妊婦にいい影響を与えるドライマンゴーの栄養成分や、食べるときの注意点について紹介します。
妊婦に必要な葉酸が含まれている
ドライマンゴーが含む葉酸は、胎児にとって重要な栄養素といわれています。細胞の生産や再生を助ける働きがあり、胎児の細胞分裂や成熟に必要となる栄養素です。
特に妊娠初期は、胎児の脳や脊髄のもととなる神経管が形成される時期です。この時期に葉酸を積極的に摂取することで、胎児の先天異常を減少させる効果が期待できます。
砂糖やカロリーに気をつける
ドライマンゴーのカロリーは、100gあたり339kcalです。生のマンゴーは100gあたり68kcalとなるため、カロリーが低いとは決していえない食品でもあります。
さらに、ドライマンゴーには砂糖をまぶしたものやシロップ漬けにしたタイプも存在します。妊娠中は胎児のために適切な体重コントロールが必要になるため、砂糖不使用や無添加タイプを選ぶようにしましょう。
ラテックス・フルーツ症候群に注意
ラテックス・フルーツ症候群とは特定の果物によって起こるアレルギー症状です。主な症状として、じんましんや口内のかゆみがあげられます。マンゴーは、ラテックス・フルーツ症候群を引き起こす果物のひとつとされています。
マンゴーを乾燥させたドライマンゴーでもアレルギーが発症する可能性がゼロではありません。ドライマンゴーを食べる際は、少しずつ口にしてアレルギー症状が出ないかを確かめましょう。事前にアレルギー検査を受けるのもおすすめです。
ドライマンゴーの栄養素カリウムに注意
ドライマンゴーなどのドライフルーツは、水分を抜いた影響で栄養成分が凝縮されおり、カリウムの量も生の果物に比べて多くなります。
カリウムは体内に留まると心臓の動きを止める恐れがあります。腎臓機能が低下して透析治療を受けている患者は、カリウムを体外に排出する力が弱く、体内に留まりやすい傾向があるので注意が必要です。1日のカリウム摂取量として推奨される2,000mg以下を守り、ドライマンゴーの食べ過ぎに気をつけましょう。
ドライマンゴーの保存方法
ドライマンゴーはできるだけ冷蔵庫で保存してください。
5度以下の冷暗所であれば保存可能なドライフルーツもありますが、室内だと猛暑や暖房の影響で思っている以上に室温が高くなる可能性があります。
冷凍保存は解凍時に果物の繊維が破壊されることがあるので、避けたほうがいいでしょう。
適量を守ってドライマンゴーから栄養を摂りましょう
ドライマンゴーは、マンゴーから水分を抜いて日持ちさせた食品です。水分を抜いて乾燥させた分、栄養素が凝縮されています。主に摂れる栄養成分としてはβ-カロテン、ビタミンB1・B2、ビタミンC、必須アミノ酸などがあげられます。
また、妊婦にとって欠かせない葉酸を豊富に含んでいることも特徴です。ただし、腎臓機能が低下してカリウムが排出されにくい透析患者は、ドライマンゴーの食べ過ぎに注意する必要があります。
保存方法に気をつけながらドライマンゴーの栄養成分をおいしく摂り入れてください。