YouTubeとPodcastでゆるく楽しく言語の話をするラジオ『ゆる言語学ラジオ』さん(@yuru_gengo)の投稿がツイッターで話題になっていました。
若者が話す言葉に対して、「最近は言葉が乱れている」「もっとちゃんとした言葉を使え! けしからん」と目くじらを立ててしまう、オトナの皆さん。今も昔も、案外変わっていないのかもしれませんよ?
ゆる言語学ラジオさんの投稿がこちら。
江戸時代には、お茶漬けを食べることを指す「ちゃづる」という動詞があった。これ、完全に「タピる」と同じ構造やんけ(@yuru_gengoより引用)
なんと驚き! 江戸時代に、今の若者言葉と同じような言葉が生まれていたとは……。ちなみにこの「ちゃづる」、小学館の『デジタル大辞泉』によれば意味は「《『茶漬け』の動詞化》茶漬け飯を食べる」とのこと。辞書にもしっかりと掲載されている、由緒正しい日本語なんです。ちなみにラ行四段活用だそうです。
最近、若者の間で大流行していたタピオカドリンク。ついには「タピオカを飲みにいく」ことを「タピる」と省略する若者言葉が生まれたことが報じられていました。これを聞いて、「最近の若いもんはなんでも省略するな」なんて思った人もおられるのでは。
でも、江戸時代の人も「お茶漬けを食べにいく」ことを「ちゃづる」と省略していたと思うと、なんだか、言葉ってそういうものなんだな~と思わされます。長いと短くしたくなりますもんね。
この投稿、読者の皆さんから「今も昔も変わらんな」「つける→づけ→づる、この変遷が面白い」「歴史は繰り返される」と多くの興味関心を集めていました。
ツイ主さんに聞いてみた
――「ちゃづる」を知ったきっかけを教えてください
ゆる言語学ラジオさん:朝日新聞校閲センターさんが書かれた『日本語の奥深さを日々痛感しています』(さくら舎)という書籍を読んでい時に見つけた言葉です。同書では「バズる」に似た造語法が昔もあった、という文脈で紹介されていました。で、それを読んだ時は「へぇ~」と思っただけだったのですが、ふとしたときに「これ、タピると完全に一緒だな」と気づいてつぶやきました。
――他にも、「タピる」「ちゃづる」と同じように面白いなと思った言葉があれば教えてください
ゆる言語学ラジオさん:最近で言えば「zoomする」でしょうか。同じビデオ通話でも「Teamsする」とは言えないし、「LINEする」とは言っても「Twitterする」とは言えない。ここまで見ていくと「相手が想定されるコミュニケーションをする時は『サービス名+する』と言える」のかなと思ったのですが、「discordする」は僕はまだ使わないんですよね。これはグループチャットだからなのかもしれませんが。どこがOK/NGの境目になるのか、あれこれ考えてるのですがまだ結論は出てません。
「今日は寺子屋の後、歌舞伎でも見て、夜はちゃづる?」なんてチャラいノリで友達を誘っていた江戸の若者がいたのかもしれない……思わずそんな妄想をして、楽しくなってしまいました。皆さんはどう思いましたか?
江戸時代には、お茶漬けを食べることを指す「ちゃづる」という動詞があった。
— ゆる言語学ラジオ (@yuru_gengo) October 15, 2021
これ、完全に「タピる」と同じ構造やんけ