エミライは、ピュア・ベリリウム振動板を採用したFiiO Electronicsのシングルダイナミックドライバーイヤホン「FD7」を発売した。価格はオープンプライスで、店頭価格は79,200円前後を見込む。
さらに、FD7をベースに24金メッキと60個のイミテーション・ダイヤの装飾を施した、FiiO 14周年記念のリミテッド・エディション「FDX」を世界限定1,000セットで発売。金・銀・銅ハイブリッドの専用ケーブルや、シリアルナンバーを刻印したプレートなどを木製ケースに収めた。価格はオープンプライス。店頭価格は107,800円前後を見込む。
FD7の主な特徴
ダイナミックドライバーを1基搭載した「FDシリーズ」のフラッグシップイヤホン。FD7は“究極のシングルドライバーイヤホン”を目指し、新開発のピュア・ベリリウム振動板を採用した12mmダイナミックドライバーを搭載している。
ピュア・ベリリウム素材は、極めて軽量な金属ながら高剛性や防振特性など、多くの点で優れた物性をもち、「振動板として理想とも言うべき素材」だという。しかし製品化は難しく、ごく一部のハイエンドスピーカーで採用される希少価値の高いものとなっており、FiiO製品でもベリリウムコーティングでの採用に留まっていた。
FD7では、1年以上の歳月をかけ、高機能合金材料分野における世界トップメーカーである米マテリオン製のピュア・ベリリウム振動板を用いたダイナミックドライバーを新たに開発。優れた過渡特性と、歪みのないサウンドを実現するピュア・ベリリウムドライバーをフルレンジ1基で搭載することで、「全帯域で一点の淀みも感じさせないシームレスな帯域バランス」を追求した。
FiiOはこの新ドライバーについて、「どこまでも広がるサウンドステージや、極めてナチュラルな高域の伸びなど、これまでのFiiOで採用してきたどのダイナミックドライバーでも実現し得なかったサウンドを具現化した」と説明している。
イヤホンの内部には、異なる帯域間の時間遅延に伴う問題に対処するための「アコースティック・プリズム・システム」と名付けた機構を搭載。スピーカーのツイーターの調整で用いられる既存の技術を発展させたもので、振動板の前端近くにユニークな形状のディフューザーを設置し、音波の音導管内での伝わり方をコントロールしている。
ドライバーの背面には低域の定在波と歪みを低減し、拡散性を改善する、火山のようなカタチのディフューザー「ボルカニック・フィールド」を装備。また、セミオープン構造によって鼓膜にかかる圧力を緩和し、快適な長時間リスニングが可能とする。
音導管を交換でき、異なる3サイズを用意。一番内径の大きい音導管は広大なサウンドステージを、やや狭い内径ではバランス重視のサウンドを、最小の内径では低域を重視したサウンドを特長として、ユーザーの好みや使用環境に合わせてチューニングできるという。
イヤホン本体には、「黒々とした広大な山々に囲まれた黄金の川を描いた、古の中国の風景画」を連想させる配色を採用。FiiOのエンジニアリングの集大成として、“圧倒的な能力を内に秘めたことを想起させるデザイン”だという。
再生周波数帯域は10Hz~40kHzで、ハイレゾ再生に対応する。感度は111dB/mW、インピーダンスは50Ω。片耳あたりの重さは約11g。
付属のイヤホンケーブルは計224本の高純度単結晶純銀素材による芯線を用いて、TPU被膜で絶縁したケーブルを4本編み込んだものを採用。使用するプレーヤーに合わせて2.5mm/3.5mm/4.4mmの入力プラグに交換可能だ。リケーブルも可能で、イヤホン側の端子はMMCXを採用。長時間にわたって高い装着感を実現するために、MMCX端子を斜めに配置した。
イヤーピースは、バランス重視タイプ、低音重視タイプ、ボーカル重視タイプ、SpinFitを各3ペア(S/M/L)、トリプルフランジタイプとフォームタイプを各2ペア同梱。クリーニングブラシやキャリングケース、MMCXアシストツールも付属する。