JR東海の新幹線車両N700Sと、N700Sのグリーン車用シートが、「2021年度グッドデザイン賞」(日本デザイン振興会主催)に選ばれた。

  • 東海道・山陽新幹線で活躍するN700S

東海道新幹線の最新車両であるN700Sは、安全性、安定性、快適性、環境性能など、すべての面で「最高」のサービスをあらゆる利用者に提供。安全な高速鉄道のシンボルである伝統のエクステリアを受け継ぎつつ、先進的なインテリアと世界最高水準の技術により、これまでにない快適な車内空間と上質な乗り心地を実現したという。

グッドデザイン賞受賞にあたり、デザインのポイントとして、「プライベート感と快適な乗り心地の融合による、ゆとりある上質な移動空間」「徹底した省エネルギー性と優れたリサイクル性の追求による環境負荷の軽減」「国内外の様々な環境やニーズに柔軟に適応可能な『世界標準』車両の実現」が挙げられている。

審査委員からは、「日本の大動脈である東海道新幹線に新規導入されたN700S車両は、SiCパワー半導体の採用により前身のN700Aよりも6%の省エネ化、そして廃棄新幹線車両からのアルミ水平リサイクルという環境性能を向上させている。バッテリー自走システムを搭載して、停電時にも最寄り駅までの走行を可能にした、非常時対策も加えた。国内JR他社や海外での採用も検討されており、まさに高速鉄道車両の世界標準とも言えるプラットフォームを提供している」と評価された。

  • N700Sのグリーン車用シートもグッドデザイン賞を受賞(2020年6月の試乗会にて撮影)

N700Sグリーン車用シートは、プライベート感を演出する大型の背もたれと利便性の高い多様なシート設備によって上質な移動空間を提供。仕事・読書・睡眠などにおいても最適な姿勢をサポートするリクライニング機構を搭載し、くつろぎある快適な座り心地を実現したという。

グッドデザイン賞受賞にあたり、デザインのポイントとして、「プライベート感を演出する大型の背もたれと利便性の高い多様なシート設備により、上質な移動空間を提供」「様々な過ごし方に応じて最適な姿勢をサポートするリクライニング機構を搭載し、快適な座り心地を実現」「優れたリサイクル性を有するクッション素材の採用により環境負荷を低減」が挙げられている。

審査委員からは、「日本の大動脈である東海道新幹線へ新規に導入されたN700S車両用に作られたこのグリーン車用シートは、乗客の快適性はもちろん、車両の省エネ性や折り返し運行時の車内清掃の迅速性にも改善がみられる。今回の改良では、リクライニング時の座面の動き方を変えることにより負担の少ないポジションを得られるようにしたこと、背もたれ芯材の軽量化、座面の濡れを目視で確認できる素材の採用でそれらを達成した」と評価された。