テレビ東京の選挙特番『TXN衆院選SP 池上彰の総選挙ライブ』(10月31日19:50〜11:47)のオンライン会見が20日に行われ、池上彰、大江麻理子キャスターが登場した。
「家族で楽しめる選挙特番」を目指す同番組だが、池上は「候補者についての面白プロフィールは、他局もだいぶ同じような趣向をこらしてやってますけれど、やはりテレビ東京が最初に始めたわけですから、より面白いものにしようとスタッフと一緒に磨きをかけている最中でございます」と苦笑する。候補者の声を引き出すことについても「昨日さっそく候補者の第一声、集まったら支援者のインタビューとか、支援団体への直撃インタビューをしまして、結構あけすけな本音を聞くことができた」と自信を見せた。
選挙の注目ポイントについては「分配をどうするか、有権者がどう判断するのか」と挙げ、大江キャスターも「今回は本当に各党が分配を謳っていますし、政権公約を見てみますと、とても聞こえのよいものが並んでいるのは確かだと思うんですが、この先日本を支えていくことになる若い方々はどうご覧になっているのか、大変興味がありまして。若い方の投票率が今回どのぐらいまで行くのか、ここに大変注目しております」と語る。
池上は「『どうせ自分なんか選挙に行かなくたって』という気持ちになる人もいるんですけど、そこで私が思い出すのは、2016年のイギリスの国民投票です。EU離脱に賛成か反対かという国民投票があった時に、『多くの若者はどうせ自分が行ったって変わらない』と思って国民投票に行かなかった。 一方で離脱すべきだと考えていた高齢者は投票に行ったんですね。結果的に僅差ですけど、離脱が決まっちゃった。その後、若者たちが焦ってもう一度国民投票やってくれとデモをしたりしたんですが、後の祭りということになりました」と一例を話す。「投票に行かなかった結果、世の中が変わってしまっているんだということを、改めて皆さんに知っておいてほしいなあと思います」と若者に語りかけた。
厳しい質問でも有名だが、池上は「私はあくまで一石を投じているだけで、『ほかのジャーナリストの人たちもどんどんその調子でやってくださいね』と思っている」と明かす。また「4年前の厳しい質問を未だに根に持っている候補者がいるという話を聞きます。その人は本当に小さな人間なんだなと思いますし、あるいは『前は厳しい質問してくれたね。ハハハ』と普通に対応してくれる政治家もいて、こういう人はやっぱり人間的に幅広いし、いいなって思いますね」と暴露。「厳しい質問をした時に相手が思わずムッとしたりするのは、人間ですから当然ですよね。その後の態度によって、人間性が見えてくるのも実は楽しみなんですね」とにやりとした。
さらに同局を避ける候補者もいるそうで、「例えば面白プロフィールを取材するために選挙特番のスタッフがいろんな事務所に電話するわけですよ。で、『テレビ東京ですが』というと、向こうがインタビューと勘違いをして『結構です』と言ったりするという話を聞いてます。警戒を解きながら、今回も頑張っていこうと思いますが、本当に苦労してますよ」とぼやいていた。