英Raspberry Pi Foundationは10月19日 (現地時間)、LEGO Educationとのコラボレーションによる新製品「Raspberry Pi Build HAT」を発表した。LEGO Technic(テクニック)のモーターやLEGO Education SPIKE Primeのセンサーを最大4つまでRaspberry Piで制御できるようにするHAT(拡張ボード:Hardware Attached on Top)だ。価格は25USドルまたは22.50英ポンド。
Build HATは40ピンGPIOヘッダを備えたRaspberry Piで動作し、9mmスペーサーを使うことで安定してRaspberry Piの上に固定できる。接続した状態で内側になる面に全てのコンポーネントを配置し、外側にはボードの上にLegoのミニフィギュアを置ける平らなスペースを設けた。また、Raspberry Pi内蔵キーボード「Raspberry Pi 400」でも、リボンケーブルや他の拡張デバイスを追加してBuild HATを使用できる。
LEGO Technicは、モーター、歯車や車軸、タイヤなどを用いて機構を再現することに重点を置いたシリーズだ。例えば、ブガッティ・シロンのキットは8速のギアボックスやW16エンジン、サスペンションの動きを忠実に再現している。電子回路を搭載したキットもあり、またMINDSTORMSと組み合わせることでロボットやメカトロニクスの教材にも使用できる。LEGO EducationのSPIKE Primeは、小学校高学年から中高生向けのSTEAM学習セットだ。ブロックパーツ、Technicのモーター、様々なセンサーと、ワードブロック(Scratchベース)またはPythonのプログラミングを融合。楽しみながら問題解決型のプロジェクトに取り組める。
Build HATでは、LEGO Technicのパワフルなモーター、SPIKE Primeの拡張セットに含まれるアンギュラーモーター、距離センサー、カラーセンサー、フォースセンサーなどを利用可能。そしてRaspberry PiがBuild HAT用にPythonライブラリを用意した。SPIKEポートフォリオに含まれる全てのLEGO Technicデバイスに加え、MINDSTORMS Robot Inventorキットのデバイス、他のLPF2コネクタを使用するデバイスをサポートする。なお、モーターを使用する際には電源が必要になり、Raspberry Piは別売りアクセサリとしてBuild HAT用の電源アダプター(48W、15USドル)を提供する。
SPIKE PrimeにRaspberry PiとBuild HATを加えることで、STEAMを学ぶ子供や学生がより柔軟で豊かな創造性を発揮できるプロジェクトに取り組める。Raspberry Piは「ゲームコントローラー」、Bluetooth接続でスマートフォンを使って遠隔操縦する「ロボットバギー」、コンピュータビジョンと機械学習を学ぶ「ロボットフェイス」といったプロジェクト例を公開している。