ファミリーマートは「新プライベートブランド商品戦略発表会」を10月18日に開催。「ファミマル」を立ち上げ、10月19日から全国のファミリマート約1万6,600店で順次展開していくことを発表した。
発表会にはCMキャラクターを務める玉木宏さん、吉田鋼太郎さん、八木莉可子さんの3名がゲストに登場。新PB「ファミマル」の商品を実食し、魅力を伝えた。
「お母さん食堂」に対する署名活動の影響は?
これまで日用品、菓子、加工食品、飲料などのPB商品を「ファミリーマートコレクション」、惣菜をはじめ、日配品、冷凍食品などのPB商品を「お母さん食堂」として展開してきた同社。
CMO兼マーケティング本部長の足立光氏はファミリーマートのこれまでのPB商品の現状と課題を紹介した。
「まず『ファミリーマートコレクション』ですが、コレクションという言葉は集めたということなので、私たちの味や品質、安全・安心などのこだわりが十分にお伝えできていない可能性が高い。また、お母さん食堂もお客様の視点から見て、ファミリーマートコレクションとの商品のすみ分けが不明確な部分があります。加えて、お母さん食堂ではガパオごはん、ジョージアの郷土料理であるシュクメルリなど、ネーミングのイメージと一致していない商品が時代とともに増えてきてしまいました」(足立氏)
両ブランドには「美味しさ」や「安全・安心」など、コンセプトにおいて共通する部分も多くあることから、ファミリーマートは2つのブランドを1つに統合。全面的にリニューアルし、10月19日から順次全国のファミリーマートで展開する。新プライベートブランド「ファミマル」のコンセプトは「ファミリークオリティ」とした。
「大切な家族に安心してすすめられるレベルの品質と安全性、お子さまから高齢者まで誰にとってもわかりやすい、伝え方を目指していきます。生産・流通だけでなく広告展開や売り場づくりも、すべてこのコンセプトに基づいて行っていきます」(足立氏)
今回のブランド変更に関して、ジェンダーの固定観念を据え付けるとして行われた「お母さん食堂」に対する署名活動と「直接の関係はない」と語り、次のようにコメントしていた。
「昨年春のタイミングからPB強化の策としてリニューアルを検討しておりました。ただし、お母さん食堂にはたくさんのご意見をいただきました。今回のリニューアルはファミリーマートのPBをもっと多くの方に愛していただくため、社内で十分に議論した上で実施しております。ネーミング、デザイン、あらゆる世代・性別の方々にとってわかりやすく使いやすいブランドを目指しました。ファミリーマートは常に時代に合わせて変化しつつ、より強いブランド・商品を送り出していくよう努力してまいります」(足立氏)
現在、ファミリーマートコレクション、お母さん食堂として展開する約660種類の商品を在庫がなくなったものから切り替えを進め、来春までにおむすびやお弁当、麺類といった中食商品も同ブランドで順次展開する。
「ファミマル」約350種類、「ファミマルKITCHEN」約450種類、「ファミマルKITCHEN PREMIUM」約10種類の3ライン、合計約810種類を展開予定。
細見研介 代表取締役社長は、「商品の訴求ポイントをアイコン化して掲載するなど、パッケージデザインにも細部までこだわって展開いたします。ファミマルに変更後のプライベートブランドの売り上げ比率を2024年度末までに35%以上にすることを目指す。私達はこれからも変わらず"あなたとコンビに"なり続けるため、これからも変わり続けていく」と語った。
「言語化できない"きゅん"を感じます」
ファミマルの新CMに出演する3人が従来品と新しく美味しくなったファミマルの新旧の食べくらべが実施された。
旧商品について「これでも十分美味しくいただけます」と述べた玉木さんは、「バターの香り広がる! 海老グラタン」を頬張り、「口元に運ぶ時点で香りが違うなというのと、商品名の通り、バターの香りが本当に以前のものよりフワッと、強く香るようになっているなと思います。本当にリッチな感じがします。おいしい」とコメント。
この商品では新たに北海道産バターとバターの香りを強化するバターオイルを加え、バターの風味をよりリッチに味わえる仕立てに改良しているそうで、内容量も従来品の265gから280gにアップさせたという。
続いて、吉田さんは「痺れて旨い! 四川風麻婆豆腐」を実食した。
「これを家に持って帰って中華風のお皿なりに移して食べると、本格的な中華料理屋さんから取り寄せた麻婆豆腐と言っても、多分誰も疑わないと思う。本当にマジでそれくらい美味しいです。すぐに皆さんにも食べてもらいたいくらいです」
こだわりの中華醬を先に油でしっかりと炒めることでコクと香ばしさを追求し、従来品よりも花椒の華やかな香りとシビレを感じやすい仕立てになっているようだ。
八木さんは自ら大きめに切り取った「じゅわっと肉汁!!! 鉄板焼ハンバーグ」をパクリ。「本当においしいです。旧商品よりさらにお肉の旨みとか甘みとかがパワーアップしている気がします」と、感想を述べていた。
「ナイフを入れた瞬間にすごい肉汁が出てくるんですよ。CMの撮影のときもびっくりしちゃって。見た目的にも映えていて。見ているだけでもおいしいです」
また、レシピサイトなどでよく見られる真俯瞰のシズル写真を使用するなど、ファミリーマートは今回、商品パッケージにもこだわっているとのことで、「写真がおいしそうだし、お店で買い物するときも楽しくなりそうですね。私はとってもかわいらしいなと思いました。パッケージにも味にも、何か言語化できない"きゅん"を感じてしまいました」とも語っていた。