映画『プリテンダーズ』の初日舞台あいさつが16日、東京・渋谷のユーロスペースで行われ、小野花梨、見上愛、熊坂出監督が出席した。

映画『プリテンダーズ』の初日舞台あいさつに登場した小野花梨、見上愛(左から)

映画『プリテンダーズ』の初日舞台あいさつに登場した小野花梨、見上愛(左から)

11月からNHK総合でスタートする連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演が決定した注目の女優・小野花梨が初主演を果たした本作は、「前にならえ」、「空気を読め」を美徳とするニッポン社会にふたりの女子高生が物申す青春ムービー。引きこもりのひねくれ者・花梨(小野花梨)と、花梨の唯一の理解者であり親友の風子(見上愛)がプリテンダーズを結成し、次々と型破りなドッキリを仕掛けてフィクションの力で本気で"世直し"を試みる。

本作で映画初主演を果たした小野は「5歳からこのお仕事を始めて17年になりますが、やっと初主演作が公開されます。個人的には本当に素敵な作品に恵まれました。本当に大好きな作品で、私にとっては宝物になっていくと思います」と感慨深そうで、コロナ禍での撮影は「マスクをしたりソーシャルディスタンスを取ったり台本がガラッと変わって再開されたりしました。コロナ禍で異例ですが、会話や相談する時間が増えたことによって悪いことばかりでは決してありませんでした」と撮影の空白期間が逆に好影響を及ぼしたといい、見上も「コロナ禍で撮影がストップしました。よく会えない期間が愛を育むと言いますが、本当にそうだなと思いました。久し振りに花梨ちゃんに会ったら花梨ちゃんは花梨ちゃんだと思ったし、会えなかった期間に考えたことが会ってからより良く回っていったので、あの期間は大事だったような気がします」と小野に同意した。

その反面、コロナ禍の影響で撮影がストップしたせいか、小野は顔の輪郭に変化があったという。「(空いた期間に)連ドラをやることになりました。さすがに連ドラをぶくぶくのままやれないじゃないですか。『小野花梨デブ』と言われたらヤバいと思って落としました。だから輪郭が変わっているところがあります(笑)。ちょっとシュッとしている時はコロナ後(笑)。それだけが心残りです(笑)」と明かした。

また、一般人が行き交う渋谷のスクランブル交差点で撮影したこともあり、小野は「正直ヤバいものを見られる感じでした。カメラも手持ちで遠く、本当に頭がおかしくなった女の子2人が何か始めると思われたと思います。心の中では『やりたくない』『すみません』と思いましたが、やらなくてはいけない。一生やりたくないけどスクランブル交差点は意味があったし、ゲリラで意味があったからできたと思います」と納得顔で、「正直二度とやりたくないと思いましたが、やれと言われたらやります。ただ人間ですから信頼関係がすべて。この人の為なら良いと思える監督やスタッフといった、そういう環境で血を流すのは役者として理想だと思います。今後もそういうチームで出来たら良いなという気持ちになりました」と話していた。