アイドルグループ・嵐の二宮和也が、映画『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(仮)(2022年公開)の主演を務めることが18日、明らかになった。
同作はノンフィクション作家・辺見じゅんによる著書の実写化作。第二次世界大戦終了後、60万人を超える日本人が不当に抑留され捕虜となったシベリアの強制収容所(ラーゲリ)で、ただ一人、生きることへの希望を捨てなかった山本幡男(二宮)の半生を描く。
1945年、零下40度を超える厳冬のシベリアで、収容所での劣悪な環境により栄養失調で死に逝く者や自ら命を絶つ者、さらには日本人捕虜同士の諍いも絶えない中、山本は「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます」と生きることへの希望を強く唱え続け、仲間たちを励まし続けた。自身も強制収容所に身を置き、わずかな食糧で1日10時間を超える過酷な労働を強いられていたが、仲間想いの行動とその力強い信念で多くの捕虜たちの心に希望の火を灯したという。
主演の二宮も並々ならぬ覚悟を持って臨んでおり、小道具や衣装合わせの際にはより山本幡男に近づけるべく、試行錯誤を繰り返すこだわりを見せるほどだった。メガホンを取るのは第41回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞他4部門を受賞した『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17年)、第40回日本アカデミー賞 優秀監督賞他 10部門を受賞した『64-ロクヨン- 前編/後編』(16年)、第61回ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞を受賞した『ヘヴンズ ストーリー』(10年)など国内外問わず数々の映画賞を受賞する瀬々敬久監督。二宮とは初タッグとなる。企画プロデュースは、『黄泉がえり』『余命1ヶ月の花嫁』など数多くの感動作を手掛けてきた平野隆、脚本は『永遠の0』林民夫というヒットメーカーたちが務め、10月下旬~2022年1月中旬を予定している。
二宮和也 コメント
“ただただ帰ることを想って、行ってきます。”
瀬々敬久 コメント
どんな状況でも「それでも生きろ」、「希望を捨てるな」そんなメッセージが山本幡男さんの苛烈な人生からは伝わってきます。
先日、山本さんが生まれ育ち、妻のモジミさんが子供たちと戦後を過ごした隠岐の島に行ってきました。山本さんの生家は今はなく竹藪となっていましたが、目の前はすぐに海。
海はどこまでも続くようで、ここから人生を始めシベリアの果てにたどり着いた、途方もない旅に思いを馳せました。
山本さんら多くの人々を追い詰めてしまった状況を再び作らないよう、
戦争の起こした悲劇がもう再び起こらないよう、思いを込めて映画に取り組んでいきたい。そう思っています。