米Microsoftは現地時間2021年10月11日、WSLg(Windows Subsystem for Linux GUI)をプレビューとして公開した。WSLgは、Windows 10・11でLinuxを利用できるWSLにGUIアプリ実行環境を追加したものだ。従来のWSLはWindowsの機能としてダイアログやコマンドラインから有効化してきたが、Microsoft Storeから入手できるようになったことは、インストールの手間を踏まえても大きい。
ただし、Microsoft Storeで公開したWindows Subsystem for Linux PreviewはWindows 11専用である。システム要件としてWindows 10 バージョン22000.0以降(つまりはWindows 11)と定めており、Windows 10 バージョン21H1では利用不可能。必然的にWindows 11上で実行することになる。
「WSL有効化済み環境にMicrosoft Store版はインストールできるのか」――。結論としては問題なし。なぜならWSLgプレビュー版は新しいからだ。Windowsの機能から有効化するWSLにバージョン番号は割り当てられていないが(厳密にはWindows 10・11のバージョンと同じ)、プレビュー版はバージョン0.47.1.0となる。Linuxカーネルも既存のWSLはバージョン5.10.16.3だが、WSLgプレビュー版はバージョン5.10.60.1と若干新しい。Microsoftは今回のWSLgプレビュー版と共にChangelogページも公開した。
実際に使ってみたが、Windows 11 Insider Preview上のWSLgと同様に問題なく動作する。一部のGUIツールキットを使用するアプリは起動に時間を要するが、この現象はWindows 11 Insider Preview上のWSLgでも発生しているので、今後の更新に期待したい。
なお、真新しい環境でプレビュー版を試すときは、事前に仮想マシンプラットフォームの有効化が必要だ。筆者もうっかり見落として先にプレビュー版WSLをインストールしたが、後からWindowsの機能や「dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all」で有効にできる。今のところ支障はない。
前回の記事で「Windows Subsystem for AndroidやWSLgが正式サポートされたタイミングで~」と述べたばかりだが、プレビュー版ながらもWSLgが使用できるようになったのは大きい。今後登場するであろうWindows 10 バージョン21H2でも利用できると思うが、Windows 11 PCを用意してプレビュー版をいち早く試してみてはいかがだろうか。