俳優の桐谷健太が17日、京都・よしもと祇園花月で行われた「京都国際映画祭2021」授賞式に登壇。「三船敏郎賞」を受賞し、喜びを語った。
桐谷は今年、舞台『醉いどれ天使』で主演。名匠・黒澤明監督と俳優の三船敏郎さんが初めてタッグを組み、戦後の混沌とした時代に生きる人々の葛藤を生き生きと描いた映画『醉いどれ天使』(1948)を舞台化した本作で、三船さんが演じた戦争帰りの余命わずかな若いやくざ・松永を演じた。
その演技が評価されて「三船敏郎賞」に選出された桐谷は、「すごくすごく、本当にすごくうれしいです」と喜び、「このような素晴らしい賞をいただけることに心からありがとうございます」と感謝した。
そして、「僕は5歳の頃からこの世界に強い憧れを抱いていまして、でもどうやったらこの世界に入れるかわからなくて、強い思いだけがどんどん拡大して表情に出たんでしょうね、『すごい眼力だね』ってたくさんの人に言われ、何人かの人に『お前の眼光は往年の三船敏郎みたいだな』と10代の頃に言われたので、一方的に三船さんに親近感を抱いていました」と告白。舞台『醉いどれ天使』にも触れ、「この不思議な縁に、僕は勝手ですけど強いつながりを一方的に感じています」と打ち明けた。
同賞は、国際的な活躍が期待される俳優を表彰する賞、桐谷は「この賞をいただいたので、これから日本でも世界でも活躍して、人の心を震わせて感動を与えられるような役者に、俺はなる」と決意を新たにした。
同映画祭は、「京都映画祭」の伝統と志を引き継ぎ、2014年より開催している。テーマは「映画もアートもその他もぜんぶ」。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により初めてオンラインの映画祭として開催したが、8年目の今年は、オンライン映画祭とリアルの長所を併せもつハイブリッド映画祭として開催した。