小粒で気軽に食べやすいブルーベリーは栄養豊富な果物で、高い抗酸化作用があることから、健康や美容などにさまざまなメリットがあることでも知られています。
しかし、具体的にどんな効果や効能が期待できるのか、正確には知らない人も多いでしょう。
この記事では、ブルーベリーに含まれている主な栄養素や期待できる効果効能、保存方法や食べ方などを紹介します。
よりよい食生活を送りたいと考えている人に役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。
ブルーベリーとはどんな果物?
ブルーベリーはツツジ科スノキ属の植物で、鉢やコンテナを使っても簡単に栽培できます。原産地は北アメリカですが日本でも収穫されている果物です。
ブルーベリーの種類・品種
ブルーベリーの品種には大きく分けて下記の3種類があります。
ハイブッシュブルーベリー | 1951年に日本に導入された品種。果実が大きいのが特徴です |
ラビットアイブルーベリー | 果実が成熟する前に、ウサギの目のようなピンク色になることから名付けられました。日本には1964年に導入されています。寒さに弱く、寒冷地では育てられません |
ローブッシュブルーベリー | 野生種で北アメリカや北欧に自生しています。小粒で濃い黒紫色の果実で酸味が強いことから、ジャムやワインなどの加工品に用いられることが多いです |
このように、品種によって色や大きさが異なります。
旬の時期は?
日本でブルーベリーは全国で栽培されていて、収穫時期は6月から9月上旬頃で、出荷のピークは7月頃です。都道府県別では東京都や長野県、茨城県や群馬県で生産量が多く、1位の都道府県は年によって入れ替わっています。
ブルーベリーに含まれる主な成分と栄養素
ブルーベリーは皮ごと食べる果物で、下記のような成分で構成されています。
エネルギー (kcal) |
水分 (g) |
たんぱく質 (g) |
脂質 (g) |
炭水化物 (g) |
灰分 (g) |
|
ブルーベリー(生) | 48 | 86.4 | 0.5 | 0.1 | 12.9 | 0 |
ドライブルーベリー | 280 | 21.9 | 2.7 | 1.9 | 72.5 | 0 |
(可食部100gあたり)
生のブルーベリーでも乾燥したブルーベリーでも、たんぱく質や脂質は少ないです。
ブルーベリーに含まれる主な栄養素
ブルーベリーにはさまざまな栄養素が含まれています。
ビタミンC (mg) |
ビタミンE (mg) |
カリウム (mg) |
鉄 (mg) |
水溶性 食物繊維 (g) |
不溶性 食物繊維 (g) |
|
ブルーベリー(生) | 9 | 2.3 | 70 | 0.2 | 0.5 | 2.8 |
ドライブルーベリー | ー | 7.2 | 400 | 1.2 | 3.0 | 14.7 |
(可食部100gあたり)
ドライブルーベリーにするとビタミンCは失われますが、それ以外の栄養素の割合は増えることがわかります。
ブルーベリーの効果効能
ブルーベリーは栄養素が豊富に含まれている果物ですので、さまざまな効果が期待できます。とくに期待できる効果効能を見ていきましょう。
腸に優しい
腸の働きを整えて便秘を防ぐのに欠かせないのが食物繊維です。ブルーベリーには食物繊維が豊富に含まれていますので、腸の働きを整える効果が期待できます。
日本人は食物繊維が不足しがちですので、1日に3~4g程度多く摂取することを目標にするといいでしょう。間食や食後のデザートに少しずつ取り入れることで、自然と腸の働きを整える効果が期待できます。
血糖値のコントロール
ブルーベリーに含まれている成分のひとつに、ポリフェノールの1種である天然色素・アントシアニンがあります。ポリフェノールは活性酸素を取り除いて、酸化をおさえる抗酸化物質です。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンは血糖値をコントロールする働きがあるといわれています。さらにブルーベリーには、炭水化物を食べた後に、特定の消化酵素をブロックすることで、血糖値の急上昇をおさえる効果も期待できますので、血糖値をコントロールしたい人におすすめです。
筋肉の回復を助ける
鉄分が不足すると貧血を起こしてしまう以外にも、筋力低下や疲労感などの症状を起こしやすくなります。鉄分が豊富に含まれているブルーベリーの摂取で期待できるのが、そのような症状を防ぐことです。
激しいワークアウトの後の筋肉の回復を早めるのに役立つともいわれていますので、ワークアウト前後にブルーベリーのスムージーを飲むのもいいでしょう。
眼精疲労回復
ブルーベリーに含まれるアントシアニンには強い抗酸化作用があり、目の老化防止効果が期待できます。また、ビタミンCにも高い抗酸化作用があることで期待できるのが、目の酷使による眼精疲労の改善などです。
このようにブルーベリーには目に優しい成分が豊富に含まれていることから、眼精疲労回復効果が期待できます。
妊娠中の栄養補給にもおすすめ! ただし摂り過ぎに注意
ブルーベリーにはビタミンや鉄分、カリウムや食物繊維など、妊娠中に必要とする成分が豊富に含まれています。小粒で調理をせずとも簡単に食べられますので、妊娠の栄養補給におすすめです。
ただし、ポリフェノールを過剰摂取し過ぎると悪影響を与えることもありますので、ブルーベリーの食べ過ぎには注意してください。
ブルーベリーの育て方・栽培について
ブルーベリーは、鉢やコンテナでも栽培できます。ベランダでも栽培できますが、夏場は乾燥しやすいので気を付けましょう。日当たりがよく、水をやる時に周囲が濡れても問題ない場所に置いて育ててください。
水やりは4月から7月頃までは1日1回、8月から9月頃は1日2回程度がいいでしょう。2品種以上を栽培した方が、実がなりやすいです。
おいしいブルーベリーの選び方・見分け方
完熟したブルーベリーは、根元までしっかり紫色に着色していて、軸の付け根周辺が黒くリング状になっています。酸味や渋みが抜けて、ブルーベリーらしいおいしい味わいです。
全体が紫色になっていないブルーベリーだと、食べるには早く、食べても酸味や渋みがあります。
ブルーベリーの冷凍・保存方法
ブルーベリーをたくさん手に入れたら、冷凍保存するのがおすすめです。冷凍保存時のポイントを紹介します。
- ヘタに残る枝を取って、傷んだ実を取り除く
- 優しく水洗いする
- ペーパータオルで水気を拭き取る
- 小分けにして冷凍用保存袋に入れて冷凍する
冷凍したら6ヶ月程度は保存できます。
ブルーベリーの食べ方
ブルーベリーにはさまざまなアレンジを加えて食べられます。
- 生でそのまま食べる
- ヨーグルトと一緒に食べる
- ピューレやジャムにして食べる
- ブルーベリー酢にする
- ドライブルーベリーにする
- タルトやケーキの材料にする
このようにブルーベリーはアレンジを加えてもおいしく食べられますので、飽きずに続けて食べられます。
ブルーベリーはおいしいだけじゃない! 栄養価も高いので食事に取り入れましょう
ブルーベリーはビタミン類やカリウム、鉄分など、さまざまな栄養素が含まれている果物です。高い抗酸化作用があることから、美肌や筋肉の回復、血糖値のコントロールなど、さまざまなメリットがあるといわれています。
鉢やコンテナでも栽培できますので、マンションやアパート暮らしでも自宅で栽培可能です。
根元までしっかりと紫色に着色し軸の付け根が黒くリング状になっていたら、食べ頃と判断していいでしょう。
ブルーベリーはおいしくて栄養価が豊富ですので、ぜひ日々の食事に取り入れていきましょう。
E-Stat「生産農業所得統計 / 確報 令和元年生産農業所得統計」(ダウンロードデータ)
文部科学省「食品成分データベース 果実類/ブルーベリー/生」
文部科学省「食品成分データベース 果実類/ブルーベリー/乾」
厚生労働省「e-ヘルスネット 食物繊維」
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