美術の授業などで、一度はデッサンを経験したことがあると思います。絵心のある人は別として、鉛筆で陰影をつける云々以前に、モチーフの形を描くところでつまづいてしまった人も多いのではないでしょうか(筆者を含め)。
現在、ツイッターに投稿された写実画が、あまりにリアルすぎると話題になっています。レ、レベルが違う……。
鉛筆で蛇口を描きました!
やっぱり金属光沢が好き。(@kohei6620より引用)
投稿主は「大森 浩平(@kohei6620)」さん。そこにあったのは蛇口の写真……ではなく、鉛筆のみで描いた写実画。写真を拡大をして、隅々まで確認してもなお「本当に絵なの!?」と疑問に感じるほどのリアルさです。
この素晴らしく精巧な絵にツイッターユーザーたちは騒然。ツイートは2.8万件のリツイート、21.9万件のいいねを獲得(10月14日時点)し、驚きと感動のコメントが多数寄せられました。
「写真かとおもた……」
「白い紙と黒い鉛筆から光の世界が生まれるという、何という技術! 」
「何をどう鉛筆を使えばこんなふつくしい作品ができるのか、しばらく絵と睨めっこしてました。そのくらい素晴らしです! 」
「鉛筆が『俺はこんなものを書けるのか』とか言ってそう」
「蛇口の横に鉛筆を置きました。にしかみえないほど上手いですねw」
「こういうふうに描いてみたいけど、集中力ないから途中でやめちゃうんだなぁ憧れるわぁ」
「これ自宅の蛇口再現ですか??? スマートフォンとか髪型とか細かい映り込みまで再現されててスゴイですね!! 」
「限界まで拡大してようやく絵だと認識出来た・・・写真と区別つかないレベルのイラストとは驚きます」
「『ウソでしょ?』という言葉しか思いつかない。スゴすぎ」
「スマホで撮影した映り込みまで鮮明ですごすぎる…」
「……分からん……どこをどうしたらこう描けるのか、分からん…………お見事です……」
「おれは騙されないぞ ! これは本物の蛇口だ!! 」
「鉛筆で描いたとは思えない質感で脳がバグる…」
「…え? すごすぎませんか? 理解するのに3秒くらい要したんですがw」
それでもまだ写真ではないかと半信半疑な人は、動画も公開されているのでコチラをどうぞ。
これを描いた大森浩平さんに聞いてみた
しかし、どうすればここまでリアルな絵が描けるのでしょう。今回は、ご本人に直接お話をうかがいました。
ーー今回の作品はどのくらいの時間で描かれたのでしょうか?
約1ヶ月で、60時間ほどかけて描きました。反射して映る部屋風景まで丁寧に描くことで、金属を金属に見せようとしています。また、鉛筆の線を見せないよう、ムラのない滑らかな塗り方にこだわりました。
ーー鉛筆で描いたのに、なぜこんなに輝いて見えるんですか?
輝きを描こうなどと思わず、ひとつの部分を極めて細かく分けてみて、そのまま再現するように描くことで表現できるといった感じですね。
ーーそもそも、なぜこんなに上手な絵が描けるんですか?
大学受験に向けてデッサンを習っていました。その後、SNSで描きながら、徐々に現在の作風になっていきました。
ーー大森さんにとって、写実画の魅力とは何でしょう?
アナログの手仕事でどこまで追求できるか、というところです。決して追求し尽くせないリアルを追求することに魅力、楽しさ、そして難しさを感じますね。
大森さんがこれだけの技術力を身につけるために、凄まじい努力と時間を費やしたことは想像に難くありません。リアルを追求し、ここまでリアルに肉薄した大森さん。その腕前に脱帽です。
鉛筆で蛇口を描きました!
— 大森 浩平 - Kohei Ohmori (@kohei6620) October 13, 2021
やっぱり金属光沢が好き。 pic.twitter.com/XqA4b4rfg9