TOHOシネマズによる劇場イベント「10万分の1秒の音響映画祭」が、26日よりTOHOシネマズ日比谷 プレミアムシアターで開催される。

  • 「10万分の1秒の音響映画祭」

同映画祭は、音を「10万分の1秒」単位までこだわり抜いた、TOHOシネマズのハイエンドシアターである「プレミアムシアター」で、音響で注目された邦画・洋画・ジャパンアニメなど、様々なジャンルの作品を鑑賞できるイベント。

オープニング作品は音楽コミックの伝説的傑作を映画化した『ミュジコフィリア』、特別招待作品としてジェニファー・ハドソンがアレサ・フランクリンを演じる『リスペクト』を上映。またプレミアム・ミュージック作品としてLOVE PSYCHEDELICOをゲストに迎え、昨年、映画館で行ったライブの模様を収録した『LOVE PSYCHEDELICO LIVE THE GREATEST HITS 2020』を上映する。

また、『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』などのミュージカル映画から、『竜とそばかすの姫』『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のアニメ作品まで、期間中は様々なジャンルの作品が上映される。

同映画祭は、一般1,900円、auスマートパスプレミアム会員・シネマイレージ会員1,200円で鑑賞できる。

LOVE PSYCHEDELICOのNAOKIが、TOHOシネマズ立川立飛の同シアターで音響チューニングを担当したの際のコメントは以下の通り。

■LOVE PSYCHEDELICO NAOKI
僕達の住むこの世界には、普段人間が気付くことのない無数の「音」が存在します。人間の耳ではとらえにくいと言われている12kHzより上の高音域は普段無音のように感じますが、実はこの高い周波数帯域にこそ、森林浴などで感じることの出来る、木々がさえずるような癒しの音の成分や、自然界で聞ける雨、風の澄み渡った音の奥行きの成分が含まれています。僕達人間が感じている「静寂」は、実は無音ではなくて「音」なんです。

この劇場では、今まで映画館では不要とされてきた高い周波数帯域の「静寂」を、切り捨てることなくサウンドとして表現しています。セリフの後ろに埋もれていた背景の静けさや、劇中伴奏のオーケストラの演奏空間の広がりまで全てをよりリアルに体感することが出来ます。また、これまで映画館のような大劇場では、無数のスピーカーが同時に音を奏でることによる「音のズレ」が常に音響技術の課題となってきましたが、この劇場では、音楽界のレコーディング技術のノウハウを導入することによりスピーカー同士の音の遅延を極限まで解消しています。「音」は秒速340メートル。複数のスピーカーからの客席までの距離が34センチ違えば千分の1秒の「音のズレ」が発生して音が滲む原因となります。これまでの映画館の音響調整でも、千分の1秒単位の公式を当てはめたデジタル処理とスピーカー位置の距離計算による音の遅延補正は行われてきましたが、この劇場では、「人の耳」による調整により「音のズレ」は10万分の1秒以内抑えられています。これにより、大劇場であっても、上映中全ての音が目の前でピタリと止まり、繊細な音はより繊細に、力強い音はよりいっそうの迫力をもって皆さんの耳に届くようになりました。

自然界の音に近い「自然な音」と、映画製作者の表現したかった音により近い滲むことのない「忠実な音」で、次世代の映画音響をお楽しみください。皆さんと同じ映画ファンとして、このプロジェクトに関われたことを光栄に思います。

  • LOVE PSYCHEDELICO NAOKI