障がいのあるアーティストの作品が街全体を彩る「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」が10月22日~31日の10日間、江東区内(門前仲町、清澄白河、森下)の各所で開催される。シーズン中は個性豊かな400点を超える作品が「街なかアート」として出現する予定だ。開催に先立ち14日、富岡八幡宮では「みんなのアート絵馬神輿 御霊入れ神事」や、現代美術家による特大絵馬のライブパフォーマンスなどが行われた。
■芸術祭の概要
初開催となった昨年(2020年)には9日間で約7万5,000人の来場者を記録した、アートパラ深川おしゃべりな芸術祭。今年も江戸時代からの由緒ある神社仏閣が立ち並ぶ下町・深川の街なかに、障がいのあるアーティストの絵画・イラスト・書などが展示される。
そして今年も、江東区内の障がいのある子どもたち、福祉施設の方などが作成したアート絵馬1,200枚以上を神輿にした「みんなのアート絵馬神輿」が完成した。この芸術祭のシンボル的な存在として富岡八幡宮に展示される。
今年はさらに、現代美術家 小松美羽さんによる特大絵馬も展示されることとなった。この日、キックオフイベントに参加した小松さんは真っ白な衣装でライブパフォーマンスに挑戦。境内に運ばれた、ひときわ大きな絵馬をキャンパスを前に、荘厳なBGMとともに素手でダイナミックなアート作品を描いていった。
作品は30分ほどで完成。2021年度 実行委員長の田巻雄太郎氏は「言葉にならないくらい感動しました。まさに神様が宿った絵馬ではないでしょうか」とコメントした。また、司会から開催に向けた意気込みを聞かれると「これからも永続的に100年続く芸術祭にする、というスローガンを掲げています。街なかでアート作品に触れ、描いた人のことを想像してもらう。それが、皆さんが共に生きる社会をつくっていくきっかけになったら」と語った。
また、特大絵馬を完成させた小松さんは「このような神聖な場所でライブペインティングさせて頂けることが非常に光栄でした。ご神事という気持ちで描きました」と感謝。絵馬で表現した想いについては「炎のように力が湧き立つ」「火の鳥が降り立つ」「新たな生命やエネルギーが循環していく」「そこに祈りのカタチが納まる」といったキーワードを用いて解説していき、最後は「人の心が癒やされ、天とつながる――。そんな、多くの人々が平安に暮らせる世の中を願いました」と笑顔をつくった。
このあと富岡八幡宮の丸山聡一宮司により、神様の御霊を本殿から神輿に移す、御霊入れ神事が行われた。
このあと丸山宮司は、小松さんの特大絵馬について「小松さんの心と身体を通して、神様の世界が飛び出してきたような気持ちがしました。いよいよアートパラ深川おしゃべりな芸術祭が始まる、という心の高まりを感じています」と感想を口にした。みんなのアート絵馬神輿、特大絵馬はともに10月22日~31日まで、富岡八幡宮の境内に展示される。