ビタミンCや食物繊維が豊富など栄養たっぷりのイメージがあるみかん。冬場になると毎日のように食べている人も多い、日本の食卓の定番品です。
みかんにはほかにどんな栄養が含まれているのか、どこに栄養があるのかなど、よく分からないで食べている人も多いでしょう。
この記事では、みかんに含まれている栄養やカロリー、みかんの種類や主な産地などを紹介します。
健康や食生活に興味がある人に役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。
みかんとは
「こたつにみかん」は日本人の冬に欠かせない風物詩で、古くから日本人に愛されてきたなじみ深い果物。そんなみかんとは、皮をむきやすい小型のかんきつ類の総称であり、収穫量の多い温州(うんしゅう)みかんを指すことが多いです。
この記事では、みかんの種類や生産量などを紹介します。
みかんの種類
日本において、みかんの中で最も知られているのは温州みかんですが、ほかにも下記のように、さまざまな種類があります。
- 温州みかん
- オレンジ
- いよかん
- きんかん
- デコポン
- グレープフルーツ
- なつみかん
- 小夏
- 文旦(ぶんたん・ぼんたん)
- だいだい
- はっさく
- ネーブル
- シークヮーサー
- ゆず
- かぼす
- すだち
- レモン
- ライム
- 仏手柑(ぶっしゅかん)
など
生産地によってさまざまな種類のみかんを収穫可能です。デザートとしてよく食べられる甘いみかんもあれば、食事に添えるなどして食べる酸っぱいみかんもあるなど、種類によって異なる味わいを楽しめます。
みかんの生産量
令和2年には、みかんの代表的な品種である温州みかんは、日本全国で約76万5,000トン収穫されました。前年に比べて少し増えているものの、年々減少傾向にあります。
みかんは栄養豊富? みかんの栄養成分と効果・効能
みかんは甘みたっぷりで間食によく食べられる果物ですが、どのような栄養成分が含まれているのかくわしくは知らない人も多いでしょう。ここでは、みかんに含まれる栄養成分や期待できる効果や効能を紹介します。
みかんの栄養成分
みかんはビタミンCなどの栄養成分が豊富に含まれている果物です。みかん外側の皮をむいた房に含まれる栄養成分を紹介します。
エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 灰分 |
49kcal | 87.2g | 0.5g | 0.1g | 11.9g | 0.3g |
(可食部100gあたり)
みかんはMサイズで100g程度であることを考えると、1個や2個食べたからといって、そう高カロリーになる心配は少ないです。
注目すべき栄養価
みかんにはさまざまな栄養価が含まれています。注目したい栄養成分は下記の通りです。
ビタミン類 | ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE |
ミネラル | カリウムなど |
有機酸 | クエン酸 |
ポリフェノール類 | フラボノイド化合物(ヘスペリジン) |
炭水化物 | セルロース |
香り成分 | オーラプテン、テルペノイド、リモネン |
その他 | シネフリン(酸味成分)、ナリンジン(苦み)、β-カロチン、β-クリプトキサンチン、ペクチン、ノミリン、食物繊維 |
このようにみかんには、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。
「機能性表示食品」に認められているみかんもある
みかんの産地や種類によっては、機能性表示食品に認められているものもあります。機能性表示食品とは消費者庁の制度で、「事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品」のことです。
三ヶ日町農協で生産されている三ヶ日みかんは、「カロテノイド」という抗酸化作用を持つ成分「β-クリプトキサンチン」が含まれていることで、ガンに対する作用などのさまざまな効果が期待できるという理由で2015年に受理されています。
みかんの摂取で期待できる効果・効能
みかんにはたくさんのビタミンやミネラル類が含まれていますので、さまざまな効果や効能が期待できます。中でも、とくに期待できる効果・効能は下記のとおりです。
クエン酸 | 疲労回復、老廃物の排泄 |
食物繊維 | 便秘の予防、悪玉のコレステロールの上昇を抑える |
ビタミンC | 疲労回復、風邪予防 |
βクリプトキサンチン | ガンに対する作用、糖尿病に対する作用、骨粗しょう症予防、痴呆に関する作用 |
ヘスペリジン | 血流改善、血圧を下げる |
このようにみかんはさまざまな効果が期待できますが、食べ過ぎるとカロリー過多になることもありますので気を付けて摂取しましょう。
みかんの栄養はどこにある
みかんは食べる部位によって含まれている栄養が異なります。どこにどのような栄養が含まれているのかを見ていきましょう。
白い部分や薄い皮は食べる方がいい?
みかんの皮をむくと房があり、その中にはさらにたくさんの粒に分かれています。薄い皮のことを「じょうのう」といい、中の粒は「砂じょう」です。
温州みかんの果肉にはビタミンCが豊富に含まれていて、砂じょうの袋には便秘改善が期待できるペクチンが含まれています。じょうのうの袋や白い筋に含まれているのは動脈硬化や高血圧に対応できるヘスペリジンです。
高血圧などが気になるなら、白い部分や薄い皮も摂取するといいでしょう。
みかんの主な産地や種類
みかんは温州みかん以外にもさまざまな種類があり、産地によって生産されるみかんの種類が異なります。また、旬の時期も種類や産地によってさまざまです。みかんの産地や旬の時期を見ていきましょう。
温州みかんの主な産地とブランド
令和2年、温州みかんの都道府県別生産量は和歌山県が16万トンと最も多く、次いで静岡、愛媛、熊本、長崎の順に多いです。比較的温暖な地域での生産量が多く、寒さの厳しい東北地方や北海道ではほとんど生産されていません。
生産量上位5県の主なブランドを紹介します。
和歌山 | 有田みかん しもつみかん |
静岡 | 青島みかん 寿太郎みかん |
愛媛 | 西宇和みかん うわの赤箱みかん |
熊本 | 熊本みかん |
長崎 | 出島の華 味っ子 味まる |
地域ごとにさまざまなブランドみかんが生産されています。
みかんが美味しい時期は? 旬は冬だけじゃない
温州みかんの収穫時期は、秋から冬にかけてです。
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
極早生 | ○ | ○ | ||
早生 | ○ | ○ | ○ | |
普通温州 | ○ | ○ |
ただしハウスみかんなら夏にも収穫できたり、なつみかんなら夏場に収穫できたりなど、みかんの種類によって収穫できる時期が異なります。1年を通じてさまざまな種類のみかんを楽しめるのが、みかんの魅力です。
みかんを長持ちさせるには? 保存方法を紹介
みかんは適切な方法で保存することで、長持ちさせられます。風通しがよく、湿度がやや高めで涼しい(3~8℃)のが、保存に適した場所です。そのような場所を見付けるのが難しければ、涼しく通気性がある場所を選んで保存しましょう。
また、冷凍みかんにすると、1〜2ヶ月程度は保存可能です。食べきれない時には冷凍保存しましょう。
みかんはどうすればたくさん食べられる?
みかんは皮をむいて食べるのが基本ですが、それ以外にもさまざまな食べ方があります。
- 生ハムと組み合わせてサラダに入れる
- 冷凍みかんにして冷たい状態で食べる
- マリネにする
など
生で食べるのに飽きてきたら、アレンジを加えてたくさん食べられるよう工夫しましょう。
栄養素豊富なみかんを食事やおやつに取り入れましょう
みかんは日本の食卓に欠かせない果物です。温州みかんなどフルーツとしてそのまま食べるタイプのみかんだけでなく、すだちなど魚にかける酸っぱいみかんなど、じつに多くの品種があります。
食べる部位によって含まれている栄養が異なりますので、必要な栄養素を補うためにもぜひ知っておきましょう。
贈答などで一度にたくさんのみかんをもらうこともあるかもしれませんが、風通しがよく、湿度が高めの涼しい場所に置くのが、長い保存に適しています。
みかんは種類によって旬の時期も異なりますので、その時期においしい品種を選んで、食卓に取り入れていきましょう。
農林水産省「特集1 みかん」
文部科学省「食品成分データベース」
農林水産省「作況統計調査令和2年産みかん」
農林水産省「令和2年産みかんの結果樹面積、10a当たり収量、収穫量及び出荷量」
文部科学省「食品詳細 果実類/(かんきつ類)/うんしゅうみかん/じょうのう/早生/生」
消費者庁「「機能性表示食品」って何?」
農林水産省「みかんにはどんな栄養があるのですか。また、おいしいみかんの選び方や保存方法についても教えてください。」