「経済は今、データの流れに乗って動き、データはあらゆる場所に存在します」と語るインフラストラクチャ・ソリューションズ・グループプレジデント兼ジェネラルマネージャ ジェフ・ブードロー氏は、データの所在場所は現在、オンプレミスかオフプレミスかの二択ではなく、データセンターでのオンプレミスやクラウド、エッジでのオフプレミスに加え、サード・プレミスと呼ばれるコロケーション・データセンターにもデータが分散していると指摘する。

  • Dell Technologies インフラストラクチャ・ソリューションズ・グループ プレジデント兼ジェネラルマネージャ ジェフ・ブードロー氏

同社は、この分散化されたマルチクラウドの世界で、今後の変化に備えられるよう先を見通しインフラストラクチャをモダナイズするための、IT戦略全体にわたるイノベーションと体験を提供するという。

新型コロナの大流行により世界が変わっていった中で、PCが強力なコネクタであることが実証されたとするジェフ氏は、同社のPCとノートPCの新しいラインナップは、5G(第5世代移動通信システム)のパワーと柔軟性を生かして安全な接続を実現し、AI(人工知能)およびML(機械学習)を活用し、システムおよびアプリケーションのパフォーマンス、ユーザー・エクスペリエンスとセキュリティを、インテリジェントかつ動的に最適化するものとして設計したと語る。

しかしジェフ氏は、デジタルな世界で我々を繋ぐデバイスはPCだけではないと指摘し、スマートフォンやスマートウォッチ、自動運転車、センサー、カメラなどを例に挙げ、価値を生み出す基盤となるデータは急激に増加していると指摘する。

ジェフ氏が紹介した推定によると、2020年に世界で新しく生成されたデータは50ZB(ゼタバイト)だが、2025年までにはその3.5倍の175ZBに膨れ上がるという。

  • 世界の生成データ量は2025年に175ZBへ増大

だが同氏は、データの価値は容量ではなく、そこからインサイトを得る能力で決まるとの同社の研究結果を紹介する。同社のモダン・インフラストラクチャのコア・ポートフォリオは、データ主導型の世界に向けたデジタル・トランスフォーメーションの礎になると、同氏は強調する。

ミッドレンジに関しては、ストレージ・アーキテクチャ「PowerStore」で強化を図ったという。同アーキテクチャは、コンテナ化したマイクロサービスベースであり、完全AI対応で自動化を促進し、スピードと柔軟性をもたらすとのことだ。

「データの重力により、モダンITインフラストラクチャはエッジにシフトしつつあります」と見通しを示すブードロー氏は、同社のエッジ環境向けソリューションとして、リアルタイム分析用プラットフォーム「Dell EMC Streaming Data Platform」と「Dell Technologies Manufacturing Edge Reference Architecture」を例に挙げる。

5Gはこれらの成果を劇的に促進するというが、エッジの可能性を解き放つ可能性を秘めた5Gとその機会を最大限に活用するには、通信業界の変革が必要だとジェフ氏は指摘する。 これに関して同社は、最新の通信業界の要件を満たす、クラウドネイティブ・ネットワーク・インフラストラクチャ基盤とオープン・ネットワーク・エコシステムを導入したという。

ジェフ氏はまた、デジタル・トランスフォーメーションの管理は複雑であり、今後の展開に常に備えなければならないIT部門には、さらなるシンプルさ、俊敏性、管理性が必要だと提言する。

同社はこれに向けて、同社初のAs a Service商品となる「Dell Technologies APEXポートフォリオ」を導入した。

  • デル初のAs a Service「APEX」

同ポートフォリオは、必要な場所で同社に管理を任せながらAs a Serviceインフラストラクチャを利用できる、徹底的にシンプル化したテクノロジー体験だという。

「このITに対する成果ベースのアプローチにより、ITの管理よりもビジネスを進めることに集中できるようになります」(ジェフ氏)

同氏は自社のユーザーとパートナー企業への感謝を述べた後、「私たちが協力することにより、私たちを前進させるデジタルな未来をさらに促進できると確信しています」と自身のパートを締めくくった。