「スイカは水分補給にはなるけど栄養はないのでは?」と考えている方もいるかもしれません。しかし、スイカは意外にも美容や健康のサポートを期待できる栄養を含んでいます。

本記事ではスイカの栄養成分と期待できる効果効能、スイカについての豆知識やおすすめの保存方法を紹介するので、参考にしてみてくださいね。

  • スイカとは

    スイカについてくわしく解説をしていきます

スイカとは

まずはスイカについて基礎知識を紹介します。

スイカの原産はアフリカ

スイカはアフリカが原産のウリ科のつる性の一年草です。日本へは江戸時代初期に中国から伝わったといわれています。中国では「西方の地域から伝わってきたウリ」ということから「西瓜」と呼ぶようになったそうです。

呼び名も中国語の「西瓜」がなまってスイカとなったといわれています。

スイカは野菜か果物か

 スイカはウリ科のつる性の植物なので、きゅうりやかぼちゃの仲間で、本来であれば野菜に分類される食べ物です。植物学や生産上では野菜と分類されています。

しかしスイカやメロンは総務省の家計調査や栄養学上では、果物としての扱いです。野菜か果物かはシチュエーションによって変わります。消費者の感覚では果物といえるでしょう。

  • スイカとは

    スイカは江戸時代に中国から伝わりました

スイカの栄養成分

すいかの赤肉種の可食部100gあたりの栄養成分については、以下のとおりです。

エネルギー 41kcal
水分 89.6g
たんぱく質 0.6g
脂質 0.1g
炭水化物 9.5g
灰分 0.2g
飽和脂肪酸 0.01g
不飽和脂肪酸 0.05g
コレステロール 0
食物繊維 0.3g
ビタミン
カロテン 830μg
ビタミンE 0.1mg
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.02mg
ナイアシン当量 0.3mg
ビタミンB6 0.07mg
葉酸 3μg
パントテン酸 0.22mg
ビタミンC 10mg
無機質
ナトリウム 1mg
カリウム 120mg
カルシウム 4mg
マグネシウム 11mg
リン 8mg
0.2mg
  • スイカの栄養成分

    意外かもしれませんが、スイカは栄養豊富な食べ物です

スイカで期待できる効果・効能

ここからはスイカを食べて期待できる効果・効能を紹介します。

リコピンは抗酸化作用

リコピンは強い抗酸化作用のある赤い色素成分です。リコピンはトマトに豊富に含まれているイメージがありますが、スイカにはトマトの約1.5倍のリコピンが含まれているそうです。

リコピンの持つ抗酸化作用は肌のシミやシワ、動脈効果などの予防が期待できます。

βカロテンはアンチエイジング効果

緑黄色野菜などに多く含まれているβカロテンは強い抗酸化力を持ってる栄養素。βカロテンは皮膚や粘膜の免疫機能を保つ効果があるそうです。必要量に応じて体内でビタミンAに変換されます。

美肌や肌の老化に働きかけるといわれていて、アンチエイジングに期待が持てるでしょう。

カリウムはむくみ予防に

カリウムは体内のナトリウムの排出に関わるミネラルです。生命を維持するためには欠かせない栄養素といわれています。体内の余分な塩分を排出する働きがあり、塩分の多い外食などになりがちな人は意識して取りたい栄養素です。 カリウムは高血圧の予防や、むくみの予防や改善などが期待できます。

ビタミンCは美肌効果

ビタミンCは皮膚や粘膜の健康サポートや抗酸化作用がある栄養素です。免疫力向上やストレスに対する抵抗力を高める効果があるといわれています。また皮膚にハリを与えたり、シミを防いだりする美肌効果が期待されて、美容面でも意識したいビタミンとなっています。

  • スイカで期待できる効果・効能

    スイカは美容や健康に期待できる働きがあります

スイカの豆知識

ここではスイカについて冷やし方や種の入りにくい切り方、妊娠中の方に適しているかなど解説していきます。

スイカは水道水で冷やすのがおすすめ

スイカは冷やして食べるほうがおいしく食べられるでしょう。しかしあまりに冷やしすぎると、甘さが損なわれるケースもあるので注意が必要です。

スイカを冷やすなら8~10℃くらいがおいしく食べられるでしょう。まるごとのスイカなら大きなボウルや鍋に入れ、スイカの上半分にふきんなどをかぶせて、上から水道水を少しずつかけて冷やすのがおすすめですよ。

はじめに横半分にカットすると種を入れずに切りやすい

「スイカの味は好きだけど、種が邪魔で敬遠してしまう」という人もいるのではないでしょうか。種を気にしながら食べるのは意外に面倒なもの。

種が気になる方はまずはスイカを横半分に切ってみましょう。横半分に切ると種が規則的に存在していることが確認できます。種がある部分にそってスイカを切ればできるかぎり種を少なくできるでしょう。

皮にも栄養がある

スイカの皮にはシトルリンやカリウムなどの栄養が含まれています。シトルリンはアミノ酸の一種で、動脈効果の予防、血流の改善が期待できます。またカリウムにはむくみの防止や改善などが期待できます。

浅漬や、ピクルスにしたり、千切りにしてサラダなどに入れてみてもおいしくたべられるので、気になる方は試してみてくださいね。

スイカの栄養は妊婦にもおすすめ

スイカは妊娠中の方にもおすすめできる食べ物です。

  • カリウムが妊娠中のむくみに
  • ビタミンCが鉄の吸収を促進して妊娠中の貧血対策に
  • 水分が多くつわり時などの水分補給に

など期待できる効果・効能があります。

  • スイカの豆知識

    スイカは妊娠中の方にもおすすめです

スイカのおいしい食べ方

ここからはおいしいスイカの選び方や、おすすめの保存方法について解説します。

おいしいスイカの選び方

おいしいスイカを選ぶときは「音」「ツル」「模様」「ヘソ」の4つのポイントを確認しましょう。

音……スイカを叩いて「ポンポン」と澄んだ音がすると完熟になっているといわれています。しかし、慣れた人でないと見極めは難しいそうです。店頭などで売り物を叩くのも常識的な行動とはいえないので、知識として覚えておくにとどめてください。

ツル……ツルの付け根が少しくぼみ、周囲が盛り上がっている状態が完熟といわれてます。

模様……黒い模様の部分がくぼんでいると水分が少なくて甘みが凝縮されたスイカだそうです。また黒い模様が濃くて、緑色の部分との境目がくっきりしているものも甘くて新鮮なスイカといわれています。

ヘソ……スイカのお尻部分のヘソが小さいと未熟、大きすぎると熟しすぎている可能性があるようです。いくつか比較してみると、ヘソの大きさが違うのがわかるでしょう。

スイカのおすすめの保存方法

カットしていない状態のスイカは常温保存が可能。保存期間は2週間から1か月が目安です。収穫してからも熟して甘みが増すことを「追熟」といいますが、スイカは追熟しません。保存期間が長くなると劣化が進むので、なるべく早く食べるのがおすすめです。

カットしてしまうとスイカの劣化は早いです。すぐに食べない場合は冷蔵庫に入れて保存してください。なるべく早く2~3日で食べるようにしましょう。ただしそのまま冷蔵保存をしても乾燥しておいしく食べられなくなることも多いです。一切れずつラップで包んで冷蔵保存すると、乾燥する速度を遅くできるでしょう。

スイカは大きいので、食べきれないケースもあるでしょう。そんなときは冷凍保存すれば1~2か月程度は保存が可能です。種を取り除いて食べやすいサイズにカットして冷凍できるパックなどに保存します。少し砂糖をまぶしておいてもいいでしょう。

食べるときに少しだけ解凍してシャーベットのように食べたり、ほかのフルーツと一緒に炭酸水に入れてフルーツポンチにしたりと楽しみ方はいろいろあります。

注意点は常温解凍しすぎると、水っぽくなってしまうこと。あまり長時間常温にさらさないように気をつけましょう。

  • スイカのおいしい食べ方

    甘くておいしいスイカを見つけてくださいね

スイカは健康や美容に寄り添ってくれる食物

スイカは抗酸化作用、アンチエイジングや美肌効果など健康や美容を意識したときに、サポートが期待できる栄養成分を含む食物です。皮にも栄養があり、漬物などにすればスイカはまるごと全部食べられます。

スイカは食べ物が傷みやすい夏場に食べることが多いでしょう。保存方法に注意して食べてみてくださいね。

文部科学省「食品成分データベース