日本テレビ系ドラマ『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』(16日スタート、毎週土曜22:00~)の原作担当編集者・加納由樹氏が、きょう10日に放送される同局のトーク番組『イントロ』(毎週日曜25:25~)に出演する。

  • 佐藤真知子アナ(左)と加納由樹氏=日本テレビ提供

中学受験の実態をリアルに描いた高瀬志帆氏原作の人気漫画『二月の勝者 ―絶対合格の教室―』はどのように誕生したのか。

加納氏は「5年前、最初に高瀬先生にお会いしたときに『すごく面白いネタがあるんです』って言われ、それが中学受験だった」といい、「中学受験というと、子どもが親の言うことを聞かされて詰め込みで授業を受けているイメージがあるかもしれないけれど、実際に話を聞いてみるとスポーツや芸術をやっている子どもと変わらない。1つの目標に向かって、仲間との友情があったり、いろいろな挑戦の中で成長していく。ホームランを打った子どもの笑顔と、解けなかった問題が解けた子の笑顔は全然変わらない。それくらい生き生きとした世界だと聞いて、これは面白い漫画になるな」と直感したそうだ。

主人公の黒木役を演じる柳楽優弥のビジュアルは、MCの佐藤真知子アナも「原作にそっくり!」と驚くほど原作のイメージを忠実に再現。そもそも「主演が柳楽さんに決まったというご連絡をいただいたとき、高瀬先生とリアルガッツポーズをしました」と、加納氏にとって柳楽のイメージは黒木役にぴったりだったそう。「こんなにうれしいことがあるのか、ってくらい大喜びしました。黒木は、実は塾でのキチッとした姿とオフでのちょっと崩れた姿の二面性を持つキャラクターなんですけど、特にだらけたところのイメージと、柳楽さんの『ゆとりですがなにか』(2016年)のときのちょっと砕けた無頼なイメージがぴったりだった」と話す。

黒木を取巻くキャラクターたちの再現度の高さも見どころ。「役者の皆さんがビジュアルも寄せてくださっているので、原作のキャラクターと比べるだけでも面白いと思う。柳楽さんの髪型とか雰囲気もぴったりだし、(灰谷役の)加藤シゲアキさんは“つけぼくろ”まで付けて灰谷になりきってくださったり」と感心。

そんな中、井上真央演じる佐倉麻衣は「原作では新卒の新入社員で、右も左も分からない状態で塾の世界に入り込んでいく役割ですけど、ドラマでは先生を辞めて塾講師になった、教員の経験を積んだ上でこの世界に入ってきた設定です。前職を経てきた人物として、井上真央さんの演技だからこその説得力があり楽しみです」と期待を示す。

さらに、加納氏が「すごく楽しみな人たちがそろった」と熱を込めるのが、500人以上の中からオーディションで選ばれた生徒役の子どもたち。「それぞれが原作のキャラクターに寄せていたり、ご自身の解釈で役を取り込んだ上で表現している。30人以上いらっしゃるので、5回も10回も見直して、隅々まで、全部の生徒さんの演技を見逃したくない」と話す。

黒木をはじめとする塾側の人物だけでなく、個性豊かな子役たちや、それぞれの親の視点からも楽しめるドラマだと言う加納氏。「どの生徒にも、どの親にも、何かしら自分を反映できると思う。受験という目標に向かいながら、子どもなりに、親なりに、成長したり理解し合っていく姿にグッとくるシーンがたくさんあって、そういう熱いシーンや泣けてしまうシーンも楽しんでいただけると思います」と呼びかけた。

  • 瀬志帆/小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中