10月4日、千葉県を中心に活動してきたロックミュージシャン・ジャガーさんが、地球から故郷の「JAGUAR星」に“帰還”したことを、所属事務所・JAGUARオフィスが発表した。この一報に、Twitterでは「ジャガーさん」「JAGUARさん」などがトレンド入り、ジャガーさんへの感謝の言葉が次々に寄せられ、その人気ぶりを改めて見せつけた。

そんなジャガーさんと36年前から一緒に仕事をしてきたのが、地元テレビ局の千葉テレビ(チバテレ)。同局でジャガーさんを知る関係者たちに、思い出や知られざる素顔、そして感謝の思いを聞いた――。

  • ジャガーさん(チバテレ応援団長就任を発表した会見にて)=2016年4月18日

    ジャガーさん(チバテレ応援団長就任を発表した会見にて)=2016年4月18日

■『月曜から夜ふかし』で全国区の人気者に

ジャガーさんは1985年から断続的に、チバテレの放送枠を個人で買い取り、自身が編集、納品までした番組『ハロー・ジャガー』に出演。近年、千葉出身のマツコ・デラックスが出演する日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に登場して全国区の人気となった。

そんな流れもあり、2016年には開局45周年を迎えたチバテレの「応援団長」に就任。同年には同局の社長賞を受賞し、17年から「終身名誉応援団長」を務めている。同局は「千葉を代表するロックミュージシャンとして地域を盛り上げる存在であったこと、また、長年番組を放送していたことから、オファーしたところ快諾いただきました」と経緯を紹介。以降も『おやすみJAGUAR天気予報』というレギュラー番組や、千葉県民の悩みを解決する『お悩み解決 ジャガーだよ!県民集合!!』といった特番、さらにはイベントへの出演と、チバテレの交流が続いてきた。

  • チバテレの社長賞を受賞。“ジャガーキャップ”をかぶらさせたチバテレの上田誠也社長(右、当時)と=2016年10月27日

■カラオケで持ち歌を歌わない

そうした中で、ジャガーさんと一緒に仕事をしてきたスタッフからその人柄を聞くと「ソフトで繊細で気遣いの方! 見た目とのギャップがすごい!」との証言が。「ダンススタジオにお邪魔して手料理をご馳走していただきましたが、あのルックスにブルーのゴム手袋をして衛生面に気を配っていました。見た目とは裏腹な繊細さにビックリ。お料理は見た目とはこれもギャップがあり、ジャガーカレー(※定番)と魚の煮つけ(※絶品)が印象深いです」という。

料理にはこだわりがあったそうで、他のスタッフから「ジャガーさんは健康への気遣いを忘れない、おいしい料理をつくる宇宙人です」との声も。「ジャガーさんは宇宙人でありながら、自身も健康に留意され、私たち人間と交流する際には、停泊中の宇宙船ジャガー号にご招待いただき、必ずジャガーさんお手製のジャガーカレーとお酒を振舞っていただきました。『手作り料理が一番体に良いから』とおっしゃっていたのを、よく覚えています」と振り返りながら、「これまで相当量のジャガーカレーとお酒をいただいたと思います。これって宇宙人からの利益供与になりませんよね。あるいは時効ですよね」と、相当お世話になったようだ。

また、イベントで移動マシン「ジャガーバイク」(初代)をお披露目したときには、こんなエピソードも。「車イスっぽく見える(見えてはいけない)に外板をつけて組み立てていく際に『この鋲は全部自分で打ち込んだ』という話と、『大きなツノは特注品』と聞きました。仕上げは巨大なマフラー。見た目ド派手なバイクだが、イベントで登場の時に、アシスタントさんが押して現れました!(アシスタントは見えてはいけないらしい(゚д゚)!」

  • チバテレのイベントで一見セグウェイのような手押し車「JAGUARウェイ」に乗るジャガーさん=2018年7月22日

そして、ミュージシャンだけあって“カラオケの達人”という一面も。「今はコロナ禍でカラオケも制限がありますが、宇宙船ジャガー号にはカラオケセットがありまして、当時交流の流れで必ずカラオケマイクをみんなで回して歌いました。当然ジャガーさんの番になると持ち歌の熱唱!とはならず、邦楽や洋楽の曲を、普段のジャガーさんの楽曲とはまったく違い、ステキな歌唱力で歌い上げ、招待された私を含めて皆さんをジャガーさんワールドに誘いました」と魅了され、「正直、その歌唱力なら普通にデビューしてもいいんじゃないかなとも思ったこともありました」と、心の中で感じたそうだ。