身近な果物で、知らない人はいないといっても過言ではないバナナ。食物繊維が豊富でさまざまな栄養成分が含まれており、とても栄養バランスのとれた果物です。
今回はバナナについて含まれている栄養成分や、バナナを食べることで期待できる効能などを紹介します。
バナナについて豆知識
バナナは身近な果物ですが、意外と知らないことも多いかもしれません。ここではバナナの豆知識を紹介します。
バナナは低カロリー
バナナは甘みがあって、ずっしりと重量感もあるので、高カロリーな果物だと考える方もいるかもしれません。しかし、意外なことに、バナナのカロリーは1本で約86kcalと低カロリー。
これはご飯ならお茶碗の半分、もしくは6枚切りの食パンの半分と同程度のカロリーです。栄養豊富で低カロリーなので、普段カロリーを気にしている方も抵抗なく食べられるのではないでしょうか。
糖質は多め
バナナは、ブドウ糖、果糖、ショ糖などさまざまな糖類が含まれている果物です。バナナ100gあたりの糖質は約19.4gで、他の果物と比較すると糖質自体はやや多めに含まれています。
しかし、バナナには数種類の糖が含まれていて、それぞれの糖で吸収にかかる時間が異なります。それにより急激な血糖値の上昇が起こらず、脂肪の蓄積を防ぎ肥満につながりにくいと考えられています。
美容やダイエットにおすすめ
バナナには美肌効果やアンチエイジング、腸内環境を整える、脂肪燃焼を促進するなど、美容やダイエットに適していると考えられているビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
バナナは冷凍や加熱で増える栄養がある
バナナは冷凍したり加熱したりすることで、さらに栄養成分を増やすことができます。
バナナを冷凍するとポリフェノールが増加。ポリフェノールには抗酸化作用があり、アンチエイジングが期待できます。よく熟したバナナは皮をむいて冷凍しましょう。
加熱した場合は、フラクトオリゴ糖が増えるといわれています。フラクトオリゴ糖は善玉菌をサポートする働きをして、腸内環境を整えてくれます。また、焼くことで消化吸収の促進も期待できます。
「バナナを加熱する料理を知らない」という方もいるでしょう。手軽なのは「焼きバナナ」です。オーブントースターやフライパンで比較的簡単に作れますよ。
バナナの栄養成分表
バナナ100gあたりの栄養成分を日本食品標準成分表2020年版(八訂)の数値を参考にまとめましたので、紹介します。
栄養素 | バナナ100gあたり |
エネルギー | 93kcal |
水分 | 75.4g |
たんぱく質 | 1.1g |
食物繊維 | 1.1g |
炭水化物 | 22.5g |
マグネシウム | 32mg |
カリウム | 360mg |
カルシウム | 6mg |
鉄 | 0.3mg |
ビタミンA | 42μg |
ビタミンB1 | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.04mg |
ビタミンB6 | 0.38mg |
ナイアシン | 0.7mg |
ビタミンC | 16mg |
ビタミンE | 0.5mg |
葉酸 | 26μg |
バナナの栄養成分と期待できる効果・効能
バナナには多くの栄養が含まれることがわかりました。ここではバナナを食べることで期待できる効果や効能をみてみましょう。
食物繊維は血糖値の急上昇を抑制、便秘対策
食物繊維は、栄養を体内へ吸収させるスピードを遅くさせることで血糖値が急激に上昇するのを抑えます。また人体に不要な有害物質を体外へと排出させる働きもある成分です。
これらの働きは腸内環境を整える効果があるといわれていて、便秘対策に期待が持てます。
ビタミンB1 は疲労回復
ビタミンB1は、糖質を代謝するのに欠かせない栄養素で、中枢神経、末梢神経の働きを正常に保ちます。疲労回復、むくみ対策などに効果が期待できる栄養成分です。
ビタミンB1は調理によって大きく損なわれてしまう栄養素ですが、バナナはそのまま食べられるので、効果的に摂取できるといえるでしょう。
ビタミンB2は髪・皮膚などの健康サポート
脂質を代謝する栄養素であるビタミンB2は、髪や皮膚、爪などの細胞を再生させるサポートが期待できます。「発育のビタミン」と呼ばれていて、成長を促すために欠かせない栄養素です。
ナイアシン(ビタミンB3)は皮膚や粘膜の健康サポート
ナイアシンは糖質、脂質、たんぱく質、アルコールなどの代謝や、エネルギーの生成など多くの働きをする栄養素です。皮膚や粘膜の健康維持などが期待できます。
ビタミンB6は貧血対策など
たんぱく質の代謝に関わる栄養素で、皮膚、髪、歯などの健康サポート効果が期待できます。「神経の働きを維持する」「貧血対策」などにも期待できる栄養素です。
カリウムは塩分を排出
カリウムは体内に摂りすぎた塩分を体外に排出させる働きがある栄養素です。むくみの解消や高血圧の予防などが期待できます。
ポリフェノールは抗酸化作用
ポリフェノールは高い抗酸化作用があり、動脈硬化など生活習慣病の予防が期待できる栄養素です。ポリフェノールというとワインや緑茶に含まれているイメージですが、バナナにも含まれています。
マグネシウムは骨の健康維持
バナナはマグネシウムが豊富に含まれている果物です。マグネシウムは、骨の成長や健康の維持には欠かせない栄養素。カルシウムと一緒にバランスよく摂ることが骨の健康のためには大切です。
必須アミノ酸はセロトニンの元
バナナに多く含まれている、必須アミノ酸のひとつトリプトファンは脳内の神経伝達物質であるセロトニンの素です。セロトニンには気持ちを落ち着かせる効果や、睡眠を促進する効果などが期待できます。
バナナの食べ方いろいろ
豊富な栄養素を含むバナナは、下記の方におすすめです。
美容の意識が高い方
バナナは美容に効果的なビタミンB類が多く含まれています。美肌やシミ、シワの改善などが期待できるでしょう。また腸内環境を整えてくれるので、肌の不調の原因になることもある便秘の改善もサポートしてくれます。
スジの部分に多く含まれるポリフェノールもアンチエイジング効果などを期待できるでしょう。
赤ちゃんの離乳食として
バナナは生後5、6か月頃の離乳食初期から食べられます。発育を促進するビタミンB2 や、骨や歯、筋肉の健康などに欠かせないマグネシウム、ビタミンB6など赤ちゃんの成長に必要な栄養素がバランスよく含まれているといえるでしょう。
ダイエットを考えている方
バナナには摂りすぎた塩分を体外に排出してむくみを防いでくれるカリウムや、腸内を整えて便通をサポートする食物繊維が含まれています。また必須アミノ酸がビタミンC、ビタミンB3、ビタミンB6、鉄などに作用すると、脂肪燃焼を促すカルニチンという成分が生成されるため、ダイエットのサポートが期待できるでしょう。
運動をする方
バナナはブドウ糖、果糖、ショ糖など多くの糖質を含んでいる果物。糖質はすぐにエネルギーになる栄養素ですが、種類によって消化されるスピードが違うため複数の糖質を含むバナナは長くエネルギーが長時間持続するのです。
また筋肉のエネルギーになる必須アミノ酸が多く含まれていて、筋たんぱく質の合成促進や、筋損傷の軽減などの働きがあり、運動後の筋肉疲労からの回復が期待できます。
ストレスがたまりがちな方
バナナに含まれるトリプトファンやビタミンB6は互いが結びつくことで、セロトニンという神経伝達物質へと変化します。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれていて、やる気や幸福感につながり、リラックス効果も期待できる物質です。
「最近ストレスがたまっている」という方はバナナを食べてゆっくりした時間をすごすと、気持ちがリラックスするかもしれません。
バナナは栄養満点で美容や健康をサポートする果物
バナナは栄養成分が豊富で美容や健康をサポートしてくれる期待が大きい果物です。美容やダイエット、運動の前後、心身ともに疲れているときなど、さまざまな局面で寄り添ってくれるでしょう。
もちろん食べすぎには注意しなければいけませんが、体調管理や栄養補給でバナナを食べるのを検討してはいかがでしょうか。