注目の1局目の戦型は相掛かりとなった

豊島将之竜王に藤井聡太三冠が挑戦する将棋界最高峰のタイトル戦、第34期竜王戦(主催:読売新聞社)七番勝負第1局が10月8、9日に東京都「セルリアンタワー能楽堂」で開幕しました。お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負、第6期叡王戦五番勝負と合わせた、両者による19番勝負の最終ラウンドです。


第34期竜王戦七番勝負の日程表

豊島竜王と藤井三冠の過去の対戦成績は、豊島竜王の9勝8敗。初対局から豊島竜王が6連勝と圧倒したものの、今年に入ってからは藤井三冠が8勝3敗とリードしています。タイトル戦でも王位戦・叡王戦ともに藤井三冠が制しています。豊島竜王としては虎の子の竜王位は何としてでも死守したいところです。

注目の振り駒は、豊島竜王の振り歩先でと金が4枚。第1局は藤井三冠の先手番となりました。

藤井三冠が先手なら、初手はもう決まったも同然。お茶を飲んだ後、▲2六歩と突くお馴染みの型で本局もスタート。豊島竜王も△8四歩と突き、その後戦型は相掛かりになりました。

飛車先の歩を交換した藤井三冠に対し、豊島竜王は7筋の歩を取らせる作戦を採用します。その誘いに乗る形で藤井三冠は一歩得に成功。一方の豊島竜王は、先手が飛車の動きで手数を使った分、陣形を整える手を多く指すことができています。

竜王戦七番勝負は持ち時間8時間の二日制。本日は18時を過ぎた時点で封じ手が行われ、終局は9日の夕方から夜にかけてとなる見込みです。

初手▲2六歩を指す藤井三冠(左)と、2手目△8四歩で応じる豊島竜王(提供:日本将棋連盟)
初手▲2六歩を指す藤井三冠(左)と、2手目△8四歩で応じる豊島竜王(提供:日本将棋連盟)