ヤンマーエネルギーシステムは10月1日、滋賀県に位置するゴルフ場「琵琶湖カントリー倶楽部」が、同社のエネルギー機器を核としたトータルエネルギーソリューションにより、2021年度内にゴルフ場として日本初となるCO2排出量実質ゼロのカーボンニュートラルを実現予定であることを発表した。
ヤンマーエネルギーシステムはこれまで、廃棄物を有効利用するバイオマス発電やエネルギーを最適制御するエネルギーマネジメントサービス「Enerico(エネリコ)」などを提案することで、さまざまなエネルギー問題の解決に取り組んできた。
今回の取り組みは、県内最古のゴルフクラブ「琵琶湖カントリー倶楽部」で行われる。ヤンマーエネルギーシステムが太陽光パネルを設置・維持管理する発電事業「YANMAR ENERGY FARM」により、初期投資ゼロで再生可能エネルギーである太陽光発電システム300kWの電力をクラブハウス内に供給する。
また、木質チップを燃料としたバイオマスボイラーの熱エネルギーや太陽光発電で発電した電気など、館内の熱電エネルギーはすべてエネルギーマネジメントシステム(Y-EMS)で最適制御し、光熱費、CO2の削減を行う。
これまで、同施設の年間CO2排出量は約800トン(クラブハウス、売店などで695トン、管理機など107トン)だった。再エネ・省エネソリューションでエネルギーの地産地消を実現することにより、ゴルフ場内で発生するCO2排出量を約300トン削減し、さらにグリーン電力などのカーボンオフセットで500トンのCO2排出量を削減。こうしたトータルエネルギーソリューションで、年間CO2排出量802トンが実質ゼロとなる。
再生可能エネルギー100%のグリーン電力は、FIT制度を利用しない新設非FIT電源を中心とした再生可能エネルギー電気料金メニュー『D-Green Premium』を、大阪ガス(代理店:Daigasエナジー)とヤンマーエネルギーシステムが契約して調達する。また、芝刈り機の燃料やガスボイラ―などで発生したCO2はJ-クレジットの購入により相殺される。
これらを併せて、ヤンマーエネルギーシステムが一括して需要家とエネルギーサービス契約することで、カーボンニュートラルに貢献するエネルギー機器とサービスをワンパッケージで提供することが可能になるという。
10月1日から琵琶湖カントリー倶楽部は、カーボンニュートラルの実現をはじめ、資源循環に取り組みながら滋賀県古来の豊かな自然や伝統を守る日本初の「自然共生型ゴルフ場」として運営を開始した。10月には、同ゴルフ場にて2回目となる日本オープンゴルフ選手権の開催が予定されている。