「第2回 宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY」が9月19~20日、佐賀県の若木ゴルフ倶楽部にて開催された。本イベントでは、競技会だけではなく、プロゴルファーの宮里藍さんによるジュニアゴルファーに向けたVision54のレッスン会が設けられている。

  • 久光製薬などが協賛する「第2回 宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY」が開催※写真はすべてエム・プロジェクト提供

宮里藍さんがゴルフから生き方まで女子選手にアドバイス

昨年はコロナ禍のため、オンライン開催となった宮里藍インビテーショナル。今回は日本高等学校・中学校ゴルフ連盟にも助言をあおぎ、感染対策を徹底し無観客で実施された。

大会より推薦を受けた、中学1年生~高校2年生の計29名の女子選手たちが参加し、「36ホール・ストロークプレー(2日間)/セルフ」のスループレーでスコアを争った。

  • 舞台となった若木ゴルフ倶楽部

  • 本大会の特別協賛はサントリーホールディングス、協賛は久光製薬、日本航空、ブリヂストンスポーツ、オークリーの各社

優勝者を含めた上位5名の選手には2022年「宮里藍 サントリーレディスオープン 主催者推薦選考会 出場権」が付与され、荒木優奈選手(日章学園高等学校)がスコア-6で優勝した。

荒木選手は「宮里藍プロからVision54の考えかたを教えていただきました。ゴルフだけではなく、人として生きていくなかでも重要なものだったと思います」と振り返っている。

  • ジュニア選手たちにVision54を伝授する宮里さん

宮里藍さんも実践したVision54

Vision54とは、ゴルフの技術だけでなく人の可能性に注視したパフォーマンスアップにつなげるメソッドで、「18ホールすべてでバーディを奪えばスコア54も夢ではない」という考え方がネーミングの由来になっている。これを宮里さんも現役時代に実践していたのだ。

「わたしのキャリアにおいて大きな支えとなった考えかたがVision54です。どういう状態になればゴルフで良いプレーができるか学べたし、緊張した時、一緒にまわるプレーヤーと合わない時、どうやったら良いパフォーマンスを出せるか理解できた。自分で答えを引き出せるようになったのが大きかったと思います」(宮里さん)。

そこで、本大会に参加したジュニア選手にもVision54を伝授しているそうだ。

  • 「プレーしている4時間~5時間、自分が自分のコーチにならないといけない」と話す宮里さん

そして、スポーツ(ゴルフに限らず)をしているジュニア選手に向けて、Vision54の観点からアドバイスを求められた宮里さんは次のように話す。

「皆さん進路に悩むこともあれば、またコロナ禍の難しいなかで練習も工夫しながらやっていることと思います。今回の参加者は中~高校生がメインということで、そのあたりの質問もたくさん受けましたが『できることはあるよ』という話をしました。室内練習やイメージトレーニング、あとはこのタイミングでフィジカルを強化する。できないことを考えるのではなく、できることを少しずつやっていく。そんなアイデアを何個か伝えました。難しい環境のなかで、プロテストを受けるのか、進学するのか、悩んでいる選手もたくさんいると思います。Vision54では、自分との向き合い方、意欲的な気持ちをどこまでゲームにつなげられるか、そうしたものを学ぶことができます。こうした考えかたは、普段の生活にも応用できる。そんな話もしましたね。悩んでいる選手たちに、なにかを感じ取ってもらえたら嬉しいです」。

また、Vision54レッスンでは「自分のプレーで良かったところを3つ挙げる」という時間がもうけられていた。

これについて、記者団から「ポジティブな側面から反省するというのが新鮮だった」とコメントされると、「プロの選手も含めて皆さんそうですが、向上心が強いゆえにネガティブな反省点や自分ができていないことばかりに焦点がいきがちです。でも、長く続けていくためには自分の武器というか、長所を伸ばしていくことも大事。そこを理解してほしいと思うんです」と言う宮里さん。

その上で、ジュニア選手たちは「良かった点を3つ」と言われてもサラサラと書けていた、とも明かし「まだ柔軟な部分がある。そうした時期に、視点を増やす話ができたり、コミュニケーションが取れたりしました。今後、ちょっと悩んだときに思い出してもらえるのでは」と笑顔で振り返った。