カシオ計算機とアシックスの共創事業で生まれたウォーキング向けアプリ「Walkmetrix」(ウォークメトリックス)が10月1日にリリースされました。アシックスが推奨する時速7km前後の「ファストウォーキング」を日常生活に取り入れることで、個人の健康促進につなげるサービスです。さっそく体験してきました。

  • カシオ×アシックスの「Walkmetrix」で、ウォーキングの質を向上!

無料のWalkmetrixアプリ

カシオ計算機とアシックスは2021年1月から、共創事業の第1弾となるランナー向けパーソナルコーチングサービス「Runmetrix」(ランメトリックス)を提供中です。今回のWalkmetrixは第2弾という位置づけ。iOS用・Android用の無料アプリ「Walkmetrix」では、プログラム、アクティビティ、ライフログの各機能を利用できます(詳細は後述)。

  • iOS用・Android用の無料アプリ「Walkmetrix」(画面イメージ)。対応環境は、iOS 13以降、Android 8.0以降です

Walkmetrixアプリは単体で使えますが、耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」の新モデル「GSR-H1000AST」を連携させると、心拍計測などを加えた全機能が利用できます。Walkmetrixアプリのリリースに合わせて、「GSR-H1000AST-1AJR」「GSR-H1000AST-1JR」が登場しました。価格は44,000円で10月15日発売です。

カシオ×アシックスのコラボ第1弾「Runmetrix」では、対応G-SHOCK「GSR-H1000AS」は小型モーションセンサー「CMT-S20R-AS」とのセット販売のみでしたが、今回の新モデル「GSR-H1000AST-1AJR」「GSR-H1000AST-1JR」は単体でも販売。既存のGSR-H1000ASも、ファームウェアのアップデートによってWalkmetrixに対応します。また、Walkmetrixにおいても、今後はモーションセンサーによって歩く姿勢を見える化して、目的に応じた正しい姿勢のウォーキングをサポートする予定です。

  • ブラックモデル「GSR-H1000AST-1AJR」(左)と、アシックスコラボカラー「GSR-H1000AST-1JR」(右)。心拍計やGPS機能を備え、G-SHOCKならではの耐衝撃構造と20気圧防水。G-SHOCKの下にある小さな青いデバイスは、腰に装着してさまざまな運動指標を取得するモーションセンサー「CMT-S20R-AS」

ファストウォーキングって?

さて、アシックスの推奨するファストウォーキングは、どんな歩き方でしょうか。担当者は「身体への負担が小さく、運動効果の高い中強度ウォーキングです。時速5~7kmを目安に、普段より速く歩くことを意識します」と説明してくれました。

  • ファストウォーキングでは、時速5~7kmを目安に歩きます

注目したいのは、時速7~8kmのウォーキングと低速度のジョギングを比較したとき、エネルギー消費量が同等であること。さらに、筋活動量はウォーキングのほうが高く、それでいて着地衝撃がずっと小さいのも見逃せません。ケガの心配も少なく、普段から運動をしていない筆者のような人間を含め、老若男女を問わず気軽に始められそうです。

  • エネルギー消費量はジョギングと同等

  • 筋活動量はジョギングよりも大きい!

  • 着地衝撃は小さいんです

ところで、時速5~7kmってどれくらいの速さだと思います? スタッフに歩いてもらった様子を動画にしました。あくまで参考ですが、「意外と速いなぁ」と感じる人も多いでしょう。アシックスの担当者は「これからファストウォーキングをするなら、まずは時速6kmくらいで始めると良いのでは。(前傾姿勢にならないように)背筋を伸ばして、良い姿勢で歩くのがポイントです」とアドバイスします。

【動画】時速5km・6km・7kmのウォーキングスピード。デモ会場の「アシックス スポーツコンプレックス 東京ベイ」(東京・豊洲)は、各種のトレーニングマシンや50m×4レーンのプール、エクササイズスタジオなどを利用できる施設。フロアの酸素濃度を調整して標高2,000m~の高地トレーニングを再現するメニューもあります。プロのアスリートも利用しており、ここでトレーニングを積んだアスリートから2021年東京オリンピック・パラリンピックのメダリストも誕生しています
(音声が流れます。ご注意ください)

アシックスでは、まずは初級プランとして通勤時間を利用して週4回、10分のファストウォーキングを推奨。中級プランは週4回で各20分ずつ(より速いスピードで)、上級プランは30分~最大45分のファストウォーキングを提案しています。無理をせず段階的に、歩く速さと時間を増やしていくのがポイントですね。

インターバルウォークしてみた

スマートフォンのWalkmetrixアプリには、上記のファストウォーキングを踏まえたプログラムが用意されています。十分に息が上がるペースの「ファストウォーク」、通常のウォーキングとファストウォークを交互に行う「インターバルウォーク」、普段の歩く速度の「ノーマルウォーク」です。そこで、脚力や心肺機能を高めるのに最適とされるインターバルウォークをやってみました。

  • インターバルウォークにいどむマイナビニュース・デジタルの林編集長

  • Walkmetrixアプリを起動、STARTをタップすれば計測が始まる状態に

インターバルウォークのプログラムには、普段歩き2分+速歩き3分の3セット(合計15分)が組まれていました。「速歩きは、会話が可能な範囲で十分に息が上がるペースを維持すること」との注意書き。それでは、計測開始です。

  • ウォーキング前、「歩いた後のビールが楽しみ。ビール1本分のカロリーは消費したい」などと話していた林編集長

Walkmetrixアプリは、ユーザーの途中経過を音と振動で教えてくれます。「その歩幅でOKです!その調子です!」「目標速度を超えました!このままの速さでがんばりましょう!」「歩幅が狭くなりました。無理のない範囲で大股で歩くことを心がけましょう」などなど。パーソナルコーチが側にいて、細かく指導してくれているような感覚ですね。

  • 中央に大きく表示されているのが現在のスピード。見やすいUIです

やがて、インターバルウォークの通常歩行の区間に入ると、それもお知らせ。画面には、現在のタイム、歩いた距離、消費カロリー、スピード、歩幅、ノーマルウォークあと1分58秒――といった情報が表示されています。身体も温まってきました。

  • インターバルウォークの進捗状況がひと目で分かります

この日はアプリで計測をしつつ、腕にもG-SHOCK「GSR-H1000AST-1AJR」を装着。GSR-H1000では、スピードや歩幅をリアルタイムでチェックできるほか、心拍計測による「持久力スコア」の算出、「心拍グラフ」「心拍ゾーン」まで確認できるように。

なお、スマホは持たずにGSR-H1000単体で計測することも可能です。GSR-H1000とスマホをBluetoothでペアリングすると、GSR-H1000で計測したデータがスマホ上のWalkmetrixアプリに転送されます。

  • GSR-H1000でも同時に計測。インターバルウォーキングの終了後、データはWalkmetrixアプリと同期

  • 時速7.3kmを記録したので、いったん安全な場所で立ち止まって撮影。時速7kmを超える速さで歩き続けるのは、想像以上にしんどくて良い運動になると実感

そうこうしているうちに、15分のインターバルウォークが終了。少し息が切れており、額にはうっすらと汗。運動をした充足感に浸るひとときです。ここでWalkmetrixアプリのアクティブフォームスコアを確認すると、84点という好成績が出ていました。運動効果の高さがスコアにも表れています。

  • スコアを確認。ファストウォーク711歩、ノーマルウォーク1,352歩、歩いた距離1.1km、消費カロリー57kcal。同年代の人と比較してどうだったか――といったデータも表示

この日、体験したのはWalkmetrixが搭載するプログラム、アクティビティ、ライフログのうち、アクティビティ機能にあたります。

プログラムは、目的に合わせたウォーキングプログラムを作成する機能。体力向上、ダイエット、リフレッシュから選んで、歩行速度、レベル、実施頻度を選択するだけで自分に最適化されたプログラムを作ってくれます。

  • 自分だけのウォーキングプログラムを作成。ステージクリア条件なども設定され、やり甲斐があります

ライフログ機能では、日々の活動記録をホーム画面で一括管理できます。歩数管理、今週の運動量表示、時計着用時は当日の心拍数など、細かいデータを記録しておけるのがうれしいところ。無料アプリで、ここまでできます。

  • 実生活でデータを記録中の開発スタッフに、画面を撮影させてもらいました

夏が過ぎて、徐々に過ごしやすい季節になってきました。この機会に何か運動を始めたいという人には、「ランニングと比べて足への負担が約半分」「けれど運動効果はほぼ同じ」というファストウォーキングが良さそうです。Walkmetrixアプリは使いやすく、それでいて機能も豊富。何よりも無料なので、気になったらぜひ試してみてください。