日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’21』では、『祖父は司令官 終わらせなかった沖縄戦』を、3日(25:25~)に放送する。
76年前、20万人もの命が奪われた沖縄。この地を訪ね続ける元小学校教諭の牛島貞満さん(67)は「沖縄戦における全責任は祖父にあると思っています」と語る。
祖父の名前は、牛島満。日本国内における、最大で最後の地上戦となった沖縄戦を指揮した司令官だ。勇猛果敢で情にも厚い名将と謳われた祖父。しかし、沖縄戦を経験した住民の中には「あんな優しそうな方が、これだけの命を奪った…沖縄県民を殺した牛島中将は、私は尊敬しません!」という人もいる。
祖父が下した2つの命令。1つは、住民を巻き込み犠牲者を飛躍的に増やした「南部撤退」。そして「最後まで敢闘し、悠久の大義に生くべし」…住民を巻き込む終わりなき沖縄戦の始まりとされている。
一方で、32軍に従軍し、司令官らと身近で接していた女性は「牛島閣下は命がけで沖縄を守ろうと頑張っていた。祖父は立派な方だったと自信を持ってください」と貞満さんに語りかける。しかし、貞満さんは「32軍は沖縄を守りに行ったのではない。祖父は戦争の犠牲者ではない、あの戦争の遂行者だったのだから」と話す。
優しく立派だったという人間が、なぜ非情な決断を下したのか。祖父と1文字違いの名前であるという宿命を背負い、司令官の孫は、沖縄戦に巻き込まれた住民の思いを受け止めながら、祖父が残した戦争の責任を探し続けている。