JR東海は30日、顔認証技術を活用した新たなサービスの実現可能性を検証するため、東海道新幹線品川駅・名古屋駅の一部改札機で社員対象の実証実験を11月12日から実施すると発表した。

  • 顔認証の流れ

実施箇所は品川駅北口3号機(IC専用改札機)と名古屋駅新幹線南口3号機(IC専用改札機)。JR東海の一部社員を実験対象者とし、2021年11月12日から2022年1月19日まで実施する。実証実験では、割引証の提出や証明書の提示を求める利用者限定商品のネット販売とチケットレス化、顔認証のみによる改札機通過の実現可能性など検証するために必要なデータを取得し、課題を抽出する。

実施箇所の実験対象改札機を通過する際、ICカードによる利用判定と顔認証が行われ、顔認証のみでの改札機通過は行われない。実験対象改札機に設置した顔認証用カメラで撮影した顔画像から算出した顔の特徴量と、事前に登録した実験対象者の特徴量と一致するか照合する方法で顔認証を行う。

なお、実験箇所の実験対象改札機は、一般利用者も通常通り利用可能。JR東海社員を対象に実証実験を行うが、顔認証範囲内を通過した場合は一般客の顔認証も行われる(撮影した動画から顔画像を抽出し、顔の特徴量を算出)。そのため、実験箇所付近に案内を掲示し、顔認証を避ける場合は別の改札口や顔認証範囲外の改札機を利用するよう呼びかけている。

取得したデータ(動画・画像・特徴量)に関して、顔画像や特徴量は顔認証後に即時削除し、一般客が実験対象改札機を通過する動画は取得後24時間以内に削除する。JR東海社員が実験対象改札機を通過する動画に映り込んだ一般客の画像は、原則として3週間以内に個人を特定できないように加工し、保管した動画は独立したサーバ内にて管理した上で、実証実験以外の目的には使用せず、厳正に管理を行い、2022年3月31日までに削除するとしている。