ビザ・ワールドワイド・ジャパンは9月28日、中小企業の決済環境並びにニーズや課題を把握するための調査・分析レポート「中小企業の事業間決済におけるキャッシュレス化・デジタル化推進」を発表した。
同レポートでは、日本経済の成長に欠かせない中小企業の生産性向上や業務効率化に関連して、現状と課題、そして、その課題解決にカード決済がどのように貢献できるか、海外との比較も交えて、分析、およびデジタル化の効用についてまとめられている。
これによると、デジタル化社会実現に向けて消費者(BtoC)のキャッシュレス利用は進む中、事業間決済(BtoB)のキャッシュレ化・デジタル化はまだまだこれからであり、日本の企業数の99%以上を占め、雇用の7割近くを占める中小企業においては、支払額におけるカード決済のシェアは現状1%にとどまるなど、限定的な状況に。加えて、コロナ禍による環境変化などにより、早急に中小企業が直面する課題解決に取り組む必要性が高まっていると考えられるという。
また、中小企業が支払・受取の各プロセスに割いている時間・人的リソースは、例えば、データ入力業務に月平均で8.5時間、経理・管理資料作成に月平均6.8時間など大きな負担となっているが、支出にカード決済を導入している中小企業の約8割が業務削減効果を実感しており、特にビジネスカード利用企業においては、年換算で60時間近くの労働時間削減効果があることが明らかに。
このような調査結果からも、カード決済により電子的に記録された取引データが、中小企業においても利用が広がりつつあるクラウド会計や請求書管理システム等、他のシステムとの連携を進めることで、企業の生産性向上や業務効率化の課題に今後一層貢献できるものと期待できるという。