Clubhouseは9月30日、日本の報道関係者向けの説明会を開催した。その中で、2021年中にUI・カスタマーサービスを含めた全面日本語化と日本国内のクリエイターへの収益化手段の提供を開始する予定であることを明らかにした。

  • Clubhouseロゴ

Clubhouseのアプリケーションはこれまで英語でのみ提供されているが、2021年末までにいくつかの言語での提供を予定しており、日本語はその1つとなる。詳細と具体的な日程については後日発表するとしている。

今回の説明会はClubhouse上で開催され、CEO/共同創業者のポール・デイヴィソン氏とCTO/共同創業者のローハン・セス氏、国際部門統括責任者のアーティ・ラママーシー氏も参加。創業者の両氏がClubhouseの開発に至った経緯や音声メディアの利点・可能性を語ったほか、日本のClubhouseクリエイターである尾原和啓氏(『プロセスエコノミー』著者)との間で、日本のクリエイター/利用者視点でClubhouseのどういったところに魅力を感じているか、どういった形の収益化が文化的に受容されやすいかといった議論が交わされた。

  • 左から、CEO/共同創業者のポール・デイヴィソン氏、CTO/共同創業者のローハン・セス氏、国際部門統括責任者のアーティ・ラママーシー氏

質疑応答では、Clubhouseの現状について、夏の初めの時点では30万だったルーム数が、8月の終わりには70万以上になっており、引き続き成長を続けていると説明。日本については、ワールドワイドのユーザーの利用時間が平均70分/日であるのに対して、日本では113分/日であるというデータを紹介し、日本をとくに重要な市場のひとつと考えているという見解を示した。

リリース後のClubhouseの成長については、予想を超えるスピードだったと振り返った。当初はチームも小規模で、少しずつコミュニティを拡大することを考えていたが、ユーザーの増加に対応することにフォーカスして運営し、いまは日本語を含む多言語のサポートにも耐えられる体制となっているという。収益化だけでなく、音声の向上についても力を入れていきたいとのことだった。

収益化については、米国ですでにリリースされているTipping(投げ銭)だけでなく、サブスクリプションや有料ルームなど、新しい手段の導入を検討している。加えて、企業がルームをスポンサードする形なども見られるようになってきているという。すでに米国ではClubhouseの収益化により、仕事を辞めて専業化した例や大規模なチャリティーの資金集めに成功した例があることが紹介された。

また、いろいろな地域・国からユーザーが集まる多言語のコミュニティもClubhouseの長所のひとつであるとして、各ユーザーが自身の言語のUIを利用できるようになる各言語へのローカリゼーションの重要性を強調した。