パナソニック コンシューマーマーケティング ジャパン本部は9月27日、「秋のエアコン掃除」実態調査の結果を発表した。同調査は8月31日~9月1日、エアコンを所有している20~60代の男女551名を対象に、インターネットで実施した。
夏のエアコン稼働終わりの秋(9月~11月)に自宅のエアコンのお手入れをしたことがあるか尋ねたところ、49.2%が「していない」と答えた。
エアコンの手入れをしたと答えた人に、どのような手入れをしたか尋ねると、最も多い回答は「自分でフィルター掃除した」(88.1%)で、「自分でエアコン内部を見える範囲で拭き掃除をした」(61.0%)が続いた。中には、間違ったお手入れ方法である「自分で洗浄剤やスプレーを使ってエアコン内部のお手入れをした」という回答も、約3割見られた。
猛暑の間に酷使したエアコンにはホコリやダニなどの汚れがたまっていて、カビ菌の繁殖やニオイが発生する原因になるという。
千葉大学真菌医学研究センターの矢口貴志准教授によると、カビは気温20~30℃、湿度70%以上で最も繁殖しやすく、多くの胞子も作られるという。真夏より湿気が多く気温が下がる秋は、カビの繁殖条件と合致しているとのこと。「特に今年の秋は秋雨前線が停滞しているため、平年よりカビが繁殖しやすい環境になっています」と矢口准教授。
また、エアコンを使った後には、冷房使用中に結露した水分がエアコン内部にたまっているため、カビの成長に適した環境になっているという。「エアコンは室内の空気を取り込み冷やしているため、空中に浮遊しているホコリもエアコン内に取り込んでしまっています。夏のエアコン稼働時間が長ければ長いほど、エアコン内部に湿気がたまり、カビのエサであるホコリもたくさん付着。そのまま放置すると、秋の間にエアコン内で繁殖したカビが冬の暖房稼働時に吹き出してしまいます」(矢口准教授)。
パナソニックのエアーマイスター・福田風子氏によると、エアコンの汚れは能力の低下や消費電力の増加につながるため、「フィルターの定期的なお手入れ」が大切という。冷房中の結露により水分がたまったエアコン内部を乾燥させることが、カビ対策に効果的。おすすめなのは、「内部クリーン機能を使用する」こと。「内部クリーン機能が搭載されていないエアコンの場合は、冷房運転の後に「送風運転」を3~4時間行い、エアコン内部を乾燥させます」(福田氏)。エアコンに汚れがたまるとカビ菌のエサになるため、汚れている場所(通風路、フラップ等)を拭き掃除することも有効だそう。
福田氏が「やってはいけないエアコンのNGなお手入れ」としてあげるのは、除菌剤やお掃除スプレーをするなど誤ったクリーニング方法を行うこと。内部に残った洗浄剤で故障の原因につながる恐れがあるという。「エアコンのクリーニングは高い専門知識が必要なので、自分でエアコン内部の洗浄はせず、専門業者に依頼しましょう」と注意を呼び掛けている。