女優の仲里依紗が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、あす26日に放送される『ちょっと心配な家族がおりまして~母と私と姉夫婦の話~』。番組ディレクターが、“心配な姉”とその夫を追った作品だ。

実家の母に借金のお願いをする姉と資産家の息子であるその夫だが、夫婦の預金残高はわずか4,873円。そんな状況でも「大富豪になる日は近い」と、前向きな言葉が飛び出す“浮世離れ”した姉夫婦の姿を、仲は「すごくポジティブでいいなと思いました」と好感を持って受け止めた――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した仲里依紗

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した仲里依紗

■素直な性格も「私はすごく好きです」

姉のチエさん(44)は、中学2年生の時に突然、不登校になり、のちに「うつ病」と診断された。部屋にこもったままの姉は、家族にとっての長年の気がかりだったが、通信制の大学に通い出した26歳の時、講師をしていた24歳年上のシゲキさんと出会い、結婚。家柄の良い資産家の息子で、大学講師という立派な人にめぐり会ったことで、家族は胸をなでおろした。

しかし、実はシゲキさんの両親から経済的援助を受けながら暮らしていた姉夫婦は、その両親が亡くなると、遺産を含めて貯金を使い果たし、譲り受けた家を売りに出す。チエさんは40代半ばにして人生初の仕事探しを始め、心配する家族だが、夫婦は「大富豪になる日は近い」「ニャンとかなる」と意に介さない…。

そんな姿を見た仲は「いろんな夫婦の形があると思うのですが、すごくポジティブで私はいいなと思いました」と印象を語る。

「『はぁ…』ってため息をつくと、つられて気持ちが沈んでいくじゃないですか。でも、旦那さん(シゲキさん)が絶対にマイナスなことを言わなくて、それがチエさんを支えてるんじゃないかと思うんです。もう“スーパーポジティブ”が素晴らしくて、見習わなきゃいけないと思いました」

ポジティブさに加え、素直な性格も、仲の心をつかんだそう。「機嫌悪く嫌な顔をして家事を手伝ってもらうより、『僕はあれをしなきゃいけないからね』って言われて手伝ってくれないほうが、全然いいですね。日本人にはあまりない感覚だと思うんですけど、素直に生きているところが、私はすごく好きです」と、好感を持った。

  • 笑顔を見せるシゲキさん(左)とチエさん (C)フジテレビ

■自身の“心配な家族”は…

番組の中では、「心の豊かさのコレクション」など、シゲキさんの名言が随所に登場。「あの名言集で日めくりカレンダー作ればいいのにって思いました。そんな2人の生活をYouTubeで流したら、絶対に再生回数が伸びると思います(笑)。だって、普通にご飯を食べてる2人の会話とか、すごく気になりますもん!」と、アドバイスも飛び出した。

チエさん&妹であるディレクターと同じく、仲自身も3人姉妹として育った。2人の妹がいる長女という立場だが、「妹たちに頼っちゃうところがあるので、チエさんの気持ちもすごく分かります。姉妹って本当に妹がしっかりしてるんですよ」と共感。さらに、「私も『今楽しければいいじゃん』っていう感じなので、先のことを考えるというのをあまりしないんです。自分にいくらお金があるのかも分からないんですけど、『いいじゃん、買っちゃいなよ!』みたいな感じで(笑)。楽しいのが一番だと思うので」と、こちらも負けず劣らずのポジティブ精神を覗かせる。

番組タイトルにかけて、自身にとっての“心配な家族”について聞いてみると、「うちの家は……“心配”ではないんですけど、一番下の妹ですね。しっかりしているんですけど、まだ若いのに『結婚できるかな…』ってすごく考えてるんです。私がその頃は、自分のことに精いっぱいで『結婚とか、別に?』って感じだったから、『若いのに、そんなに考えすぎなくていいよ。大丈夫大丈夫』って思っちゃうんですよね」と回答。「そのことで、自分のやりたいことを諦めてほしくないんです」と思いやった。

■自分の悩みがちっぽけに感じられる

改めて、今回の番組の見どころについて、「コロナ禍で家にこもって、先のことを不安になることっていっぱいあると思うんですけど、この夫婦を見ていると、自分の悩みってすごくちっぽけだなと思って、ポジティブになろうって感じられると思います」と紹介。

「口だけじゃなく、ちゃんと実践される行動力もあって素晴らしいです。自粛自粛の生活が続いているときにこの夫婦の話を見て、何か救われる人もいるんじゃないかなって思うし、元々ポジティブな私ですけど、元気が出ました」とアピールしつつ、「今後どうなっていくのかが気になるので、妹さん(ディレクター)には本当にこれからも追っていただきたいです。第2弾、待ってます!」と期待を示した。

  • (C)フジテレビ

●仲里依紗
1989年生まれ、長崎県出身。06年に劇場版アニメ『時をかける少女』でヒロインの声を務めて注目を浴び、10年に映画『時をかける少女』『ゼブラーマン~ゼブラシティの逆襲~』で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の映画賞を受賞。『ヤンキー君とメガネちゃん』『ホリデイラブ』『黒革の手帖』『恋する母たち』『TOKYO MER~走る緊急救命室~』などのドラマに出演する。20年に開設したYouTube公式チャンネル『仲里依紗です。』は、登録者数約150万人の人気チャンネルとなっている。