スマートフォンを仕事やプライベートでフル活用しているライターのみなさんに、「これがあるとスマホがとっても便利になる!」「仕事をするうえで手放せない存在になった」というオススメのスマホアクセサリーやアプリ、サービスをお伺いしました。今回は、物欲爆発レビューでおなじみのジャイアン鈴木さんです。

スマホに赤外線カメラを追加する「FLIR ONE Pro」

最近のスマホはカメラが超絶進化しており、夜景を明るく綺麗に撮影できるナイトモードを搭載していたり、iPhone 12以降のProシリーズでは「LiDARスキャナ」を装備していたり、「OPPO Find X3 Pro」のように顕微鏡モードを実装している端末もあります。

私も、みなさんと同じようにスマホカメラを日常的に利用していますが、仕事上の必須アイテムとして追加している外付けカメラがあります。それが、フリアーシステムズのサーモグラフィーカメラ「FLIR ONE Pro」です。

  • フリアーシステムズの「FLIR ONE Pro」。実売価格は45,000円前後

FLIR ONE Proは、スマホと接続して利用するサーモグラフィーカメラ。サーモグラフィーカメラは、物体から放射される赤外線を撮影できるカメラのことで、検証系のテレビ番組でよく使われていますね。

  • FLIR ONE Proを使うと、物体の表面温度がこのように可視化されます。ちなみに、フリアーシステムズのサーモグラフィーカメラには、赤外線画像と可視光画像を合成する「スーパーファインコントラスト(MSX)機能」が搭載されており、被写体のディテールを同時に記録できます

FLIR ONE Proは、USB Type-C端子を備えるAndroid用とLightning端子を備えるiPhone用が用意されています。筆者が使っているのはAndroid用。理由は簡単で、いずれiPhoneもLightning端子からUSB Type-C端子に変更されると予想していたからなのですが、残念ながらその予想は外れ続けています。

FLIR ONE Proは45,000円前後ですが、赤外線解像度を少し下げて低価格を図った「FLIR One Gen3」(25,000円前後)という製品もあります。よほど厳密に熱分布を計測するわけではないのなら、FLIR One Gen3で十分です。

  • FLIR ONE Proは赤外線解像度が160×120ドット、FLIR One Gen3は80×60ドットです

FLIR ONE Proのサイズは68×34×14mm、重量は36.5g。本体前面に赤外線カメラと可視光カメラ(1440×1080ドット)を搭載。バッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約1時間です。ちなみに、計測できる温度は-20℃~400℃となっています。

  • 上にあるのが赤外線カメラ、下にあるのが可視光カメラ

  • 本体上部には電源ボタンと充電用のUSB Type-C端子を用意

  • 本体下部に、スマホと接続するためのUSB Type-C端子を配置。上のダイヤルでUSB Type-C端子の飛び出しを最大4mmまで伸ばせるので、ケースを装着したままでも接続可能です

筆者のレビュー記事をご覧になったことがある方はご存じだと思いますが、私はサーモグラフィーカメラをノートPCやスマホの発熱を計測するのに使っています。最初は非接触式赤外線温度計を使っていたのですが、まんべんなく計測するのが面倒だったんです。FLIR ONE Proならば、普通のカメラと同じ感覚で撮影したあと、別のユーティリティーで画像を読み込み、特定部分の温度をチェックしたり、範囲を指定して最大、最低、平均温度を調べられます。すんごくお手軽に、読者のみなさんに役立つ情報を提供できるわけです。

  • 「FLIR ONE」というアプリでまず画像を撮影。筆者はあまり使いませんが、動画も撮影可能です

  • そして「FLIR Tools」で画像を読み込み、任意の場所の温度を調べられます

あまり一般的なスマホ関連アクセサリーではないかもしれませんが、肉眼では見られない“熱”を可視化できるのは面白い体験ですし、電源タップ周りを撮影して異常がないかどうかの確認も可能です。FLIR One Gen3ならば比較的お手頃な価格なので、一家に一台常備しておくと何かと役立つと思いますよ。

  • 電源タップ周りを撮影すれば、発熱の高い場所が一目瞭然です